アートディレクター副田(そえだ)高行さん(69)が手掛けた新聞広告の企画展「時代の空気。副田高行がつくった新聞広告100選。」が富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館(同市黒川)で開かれている。40年にわたる創作活動から時代を彩った作品をえりすぐり、制作時のエピソードとともに紹介する。26日まで。(石井宏昌)

 副田さんは福岡県出身。数々の賞を受賞し、現在も第一線で活躍する。会場には副田さんが自身の「新聞広告のデビュー」と位置付ける1980年の「サントリービール ナマ樽(だる)」から、2019年の「アースミュージック&エコロジー」までを展示する。

 元大相撲力士、小錦八十吉さんの丸く大きな体から商品の愛称「ダルマ」を想起させるウイスキーや新世紀が始まった01年に「20世紀に、何を見ましたか。21世紀に、何を見たいですか。」と呼び掛ける家電メーカーの広告など制作時の世相や流行を映す作品が並び、それぞれの時代の寵児(ちょうじ)らが華やかに紙面を彩る。制作のエピソードや背景を記した解説も添えられている。

 01年9月の米中枢同時テロ後、全日空が02年お正月の企業広告として出したのが「ニューヨークへ、行こう。」。紙面の下部に小さく自由の女神をあしらい、白地の真ん中にブルーの文字をシンプルに描いた。解説では「宣伝という枠をこえて、ニューヨークにエールをおくる社会的メッセージになった」と振り返る。

 展示は、副田さんが富岡市の世界文化遺産「富岡製糸場」のブランドブック(18年発行)や市のポスター(日本観光ポスターコンクール最優秀賞受賞)を手掛けた縁で企画した。開催に際し「新聞広告が減少して元気がない中、もう一度、一枚紙の力を、クリエーティブの力を、新聞広告の価値を確かめたい」とコメントを寄せた副田さん。同館担当者は「広告が持つ時代性や意義などを見てもらいたい」と話す。

 18日午後3時からは、副田さんと渋川市出身のコピーライター一倉宏さんのトークショーがある。先着100人。市ホームページ上にある受け付けフォームから申し込む。参加無料(観覧料は必要)。観覧料一般400円、大学・高校生200円。中学生以下無料。月曜休館。問い合わせ同館=電0274(62)6200=へ。