「魔女の宅急便」の原作者として知られる作家角野栄子さん(85)の功績を後世に伝えようと、江戸川区が建設を計画する児童文学館は、新国立競技場などを手掛けた建築家隈研吾さん(65)の事務所が設計することに決まった。区が十五日に発表した。 

 隈さんは同日、区役所で角野さんや斉藤猛区長に初めて面会した。「私も角野さんの作品の大ファンだった。デジタルの時代だからこそ、五感で本を感じられる場所になれば」と意気込みを示した。

 区は昨年十月から事業者を募集。四つのチームから応募があり、「イメージが一番具現化されていた」として、隈さんを含むチームを、角野さんと区が最終的に選んだ。設計案は非公表。隈さんの案について区の担当者は「近代的ではなく、自然に溶け込む素朴なデザイン。子どもがわくわくできるような内容になっていた」と明かした。

 隈さんの事務所の担当は建物部分。造園部分はクロス・ポイント、展示部分は乃村工芸社が設計する。設計費は約一億二千万円。

 隈さんは面会後の取材に、「本を読むのは部屋にこもるイメージがあるが、自然を感じながら本に親しんでほしい」と語った。角野さんは「子どもは面白くないものを面白くないという正直な読者。そういう子たちの記憶に残る場所にしたい」と話した。

 区によると、総工費は十三億円。自然豊かななぎさ公園(南葛西七)の展望の丘に建てる。二〇二二年度後半の開館を目指している。 (加藤健太)