品川区は十五日、大地震が発生した場合の帰宅困難者などの対策を考える講演会と、目黒駅などで行っている活動報告会を区役所で開いた。区内の企業や高校、警察などから約百二十人が参加し、有効な対策について考えた。 (市川千晴)

 区によると、大地震などで公共交通機関の運行が止まれば、区内に十八万人以上の帰宅困難者が発生すると想定されている。

 講演した東京大学大学院の廣井悠准教授によると、首都圏直下型地震が起きて、都心で一斉帰宅した場合、幹線道路の歩道は、電話ボックスに六人ほどの密集状態になり、将棋倒しなど新たな災害の危険性が高くなるという。だが企業が従業員の半分を滞留させれば、歩道や車道は過密や渋滞がかなり解消されるとし、一斉帰宅の抑制を求めた。

 市民に対しても、通勤途上や職場周辺の一時滞在施設を確認すること、災害時に帰宅しなくても心配のないように、自宅の家具を固定することなどを求めた。

 区内の駅などでは、鉄道事業者や周辺企業などで作る帰宅困難者対策協議会が設立されている。一日に約六十二万人が利用する目黒駅では二〇一三年に発足し、訓練を重ねるなどしてきた。この日は各協議会の代表が登壇し、これまでの活動内容などを報告した。

 目黒駅の協議会は昨年秋、駅前の備蓄倉庫から、市民が一時的に滞在する施設まで、拡声器などの備品を運ぶ訓練を行った。高橋照弘会長は「拡声器を使い情報提供したが、今後は会員制交流サイト(SNS)も活用したい」と話した。

 廣井准教授は「一時滞在施設が利用できるか、SNSを使って確かめる市民が多い。受け入れの可否をSNSで伝え、施設では模造紙など紙を使った情報提供が有効では」と助言した。