七十歳以上の横浜市民が一定の負担でバスや地下鉄などを自由に利用できる市の敬老特別乗車証(敬老パス)について、見直しを検討してきた市社会福祉審議会の専門分科会は林文子市長に答申を提出した。事業費負担について「利用者負担や市費負担の引き上げはやむを得ない」と結論づけた。また利用実態の把握のため、紙製の敬老パスのIC化の必要性を指摘した。 (杉戸祐子)

 高齢化による対象者の増加と事業費の拡大を受け、市が昨年五月、同審議会に諮問した。対象者は制度の始まった一九七四年の約六万八千人から一昨年は四十万四千人、二〇二五年には四十五万二千人に増えると推測されているが、答申は制度を「廃止することなく、持続可能な制度として構築することが重要」とした。

 事業費負担について、市がバス事業者に支払っている負担金額の根拠となった想定利用回数を実際の利用回数が上回り、「超過部分は事業者の負担となり、経営に影響を及ぼしている」と指摘。「過度の負担の改善は急務」として、利用者負担や市費負担の引き上げに言及した。対象者については「当面は現状の七十歳以上を維持」とした。

 市は答申を受け、二〇年度から本格的に見直しを検討する。敬老パスは市内の民営バス十社と市営バス、市営地下鉄、金沢シーサイドラインで利用できる。制度開始当初は無料だったが、現在は所得に応じて年額で最高二万五百円の利用者負担がある。