難病やがんで余命を宣告された子どもが家族と一緒に過ごせる緩和ケア施設(小児ホスピス)の横浜市内での建設を目指すNPO法人「横浜こどもホスピスプロジェクト」(同市中区)の代表理事、田川尚登(ひさと)さん(62)がこれまでの取り組みなどを本にまとめ出版した。全国の書店で購入することができ、収益は小児ホスピスの運営費に充てる。 (志村彰太)

 田川さんは1998年に6歳だった次女を脳幹腫瘍で亡くしたのを機に「病気の子とその家族を支えたい」と考え、県立こども医療センター(同市南区)の近くに、遠方から見舞いに来た家族が滞在できる「リラのいえ」を造った。2015年からは小児ホスピスの整備に向けて動きだした。

 今回、出版された「こどもホスピス 限りある小さな命が輝く場所」(四六判208ページ、税抜き1700円)には、現在までの活動の軌跡のほかに、田川さんと同様、幼い子どもを亡くした親の手記や、小児ホスピスの整備が進む欧州の現状報告なども盛り込んだ。田川さんは「子どもが生きた証しを残しながら、小児ホスピスのことを広く知ってほしいと思った」と話す。

 小児ホスピスは、同市金沢区の野島公園近くにある川沿いの市有地に建設することが昨年11月に決定。鉄筋コンクリートと木造を組み合わせた2階建て。1階に大きな風呂と台所、地域住民も利用できる多目的スペースを設け、2階に宿泊可能な部屋を用意する。3月9日まで、風呂の整備費の一部を賄うため、クラウドファンディングサイト「レディーフォー」で寄付を募っている。

 完成予定は21年夏ごろ。建設費2億1000万円と年間運営費5000万円は寄付金で賄う。看護師が常駐し、区医師会や市立大病院、こども医療センターと連携して子どもの容体急変に備える。田川さんは「子どもが家族と笑顔で最期を迎えられる施設が必要。皆さんの協力を引き続きいただきたい」と改めて訴えた。