新型コロナウイルスの感染が拡大する中国・武漢市から帰国後、勝浦ホテル三日月(勝浦市)に滞在して二週間。検査で陰性だった人の一部が十二日、帰宅した。ホテルに隔離された人たちを励ましたのは、地元の温かな心遣いだった。 (山田雄一郎)

 国の担当者によると、滞在者は原則、ホテルの部屋で過ごすことが求められ、大浴場や廊下などの共用部分を使うことは禁じられた。二週間にわたる滞在でストレスを募らせ、医療スタッフに「眠れない」と不調を訴える人も出た。

 そんな人たちを励ましたのが、地元住民によるホテル前の「砂浜アート」。今月八日には「まけるな! あと少し!」の砂文字が刻まれ、十一日には親子連れら約百人が三千本の竹灯籠をともした。滞在者が砂浜の幻想的な光景に気づき、スマートフォンの明かりを左右に揺らして感謝の気持ちを伝えた。

 竹灯籠を企画した地元のイベント団体「ZP倶楽部」の末吉和徳会長(52)は「竹灯籠の明かりは気が安らぐので、ほっとしてもらえれば」と語った。十二日には、地元の大学出身の和太鼓演奏家らが、太鼓を打ち鳴らした。

 市立勝浦中学校(海老根道昭校長)は一、二年生百九十三人の応援メッセージを十枚の模造紙に張り、ホテルに寄贈。ホテルのロビーに展示した。ある生徒は「正直不安でした」と振り返りつつ、「でもいま思えば、勝浦市が一つになり、みなさまのお力になれたと思うと、すごくうれしいです」とつづった。

 子供向けの絵本が差し入れられたり、折り鶴が贈られ、ホテルの窓には「勝浦の皆さん ありがとう」の張り紙も見られた。