横須賀市は、市内の軍事関係の歴史遺産などを観光客に巡ってもらう「ルートミュージアム構想」の中心拠点として、遺産の魅力や横須賀の歴史を解説する「近代遺産ガイダンスセンター」(仮称)の建設に着手する。13日に発表した2020年度当初予算案に建設費などとして約8000万円を計上した。21年2月の開館を目指す。 (村松権主麿)

 幕末の開国後、横須賀には軍艦を造る「横須賀製鉄所」が設けられ、明治以降は旧海軍の軍港として発展した。ルートミュージアム構想では、海からの攻撃に備えて明治時代に造られた砲台跡や、人工島に砲台を配置した海堡(かいほう)といった遺産のほか、ペリー来航を展示で伝えるペリー記念館(久里浜七)など約二十カ所を「サテライト(衛星)拠点」に設定している。

 ガイダンスセンターは、サテライト拠点への「入り口」の位置づけ。JR横須賀駅に近いヴェルニー公園に、鉄骨造りの平屋(延べ床面積約二百二十平方メートル)を建てる。VR(仮想現実)やドローンを使って撮影した映像、パネルなどで、横須賀の歴史、軍事遺産、観光などを紹介する。

 東日本最古の洋風建築物と言われ、解体後の部材が米海軍横須賀基地から市に寄贈された「ティボディエ邸」を復元して活用することも検討したが、耐震性の問題などから断念。新しい建材で建てる。外観はティボディエ邸のイメージを再現し、室内にはかつて屋根を支えていた部材なども展示する。

 このほか、当初予算案には、現在は非公開となっている遺産の公開や予約入場に向けた施設整備の予算も計上した。千代ケ崎砲台跡(西浦賀)と走水低砲台跡(走水)には転落防止柵を設置し、旧海軍が本土決戦に備えたとされる貝山地下壕(ごう)(浦郷町)には天井や壁に落石対策を施す。いずれも二〇年度末の公開を目指す。

 記者会見した上地克明市長は「横須賀の歴史が幕を開ける近代史からストーリーを展開し、周遊してもらう観光の目玉。歴史、散策に加えて食を提供し、満足してもらいたい」と話した。

 同市の当初予算案の一般会計は前年度比5・3%減の千五百七十八億円で、過去三番目に大きな規模。