入所者ら四十五人が殺傷される事件のあった県の知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)を巡り、黒岩祐治知事が指定管理者の見直しを表明したことに県議会が批判を強めている問題で、事件で重傷を負った入所者の尾野一矢さん(46)の父剛志(たかし)さん(76)が十四日、県庁で知事と面会し、見直しをしないよう要望した。

 知事は昨年十二月、現在の指定管理者の社会福祉法人「かながわ共同会」の入所者支援で不適切な事例があったことなどを理由に、二〇二四年度まで継続して任せる方針を覆し、指定管理期間を短縮して再公募する考えを明らかにした。

 この日、尾野さんは「入所者、家族の多くは共同会に運営を続けてほしいと考えている」と訴えた。これに対し、知事は「数の問題ではない。不適切な支援の責任をどう取り、生まれ変わっていくかが問題。共同会憎しでやっているわけではない。仕切り直そうということ」と説明。共同会が再公募に応じることは妨げないとの考えも示した。

 面会後、尾野さんは報道陣に「知事の説明には納得していない。私の息子は、やまゆり園をようやく見つけ、落ち着くまで四年かかった。今、穏やかに暮らしているのに、あえて公募する必要はない」と話した。

◆県議会委アンケート 入所者ら方針転換「支持しない」57%

 また、県議会厚生常任委員会は十三日、入所者と家族を対象に行っていたアンケートの結果を公表した。知事の方針転換を「支持しない」と答えた割合が57%に達し、方針を「支持する」と答えたのは18%にとどまった。共同会の運営については「満足」と答えたのは70%、「満足していない」は9%だった。

 アンケートは一月三十一〜二月十日、全入所者百二十五人を対象に実施し、九十人が回答した。回答者の内訳は、入所者本人が四人、家族が七十人などだった。 (志村彰太)