都交通局が所蔵する大正時代の乗り合いバス「円太郎バス」が、自動車としては初めて、国の重要文化財に指定されることになった。文化庁の文化審議会が19日、文部科学大臣に答申した。指定は6〜9月ごろになる見通し。 (小倉貞俊)

 円太郎バスの正式名称は「東京市営乗合自動車」。全長四・六メートル、全高二・三メートル、全幅一・六メートルの十一人乗り。都交通局の前身である東京市電気局が、乗り合いバス事業を始めるきっかけとなった車両とされる。

 一九二三(大正十二)年の関東大震災で壊滅的な被害を受けた市電(路面電車)の代わりとして、東京市が米国フォード社からトラック八百台を購入し、改造して木製の客室を設けた。翌二四年一月から約一年間、東京駅を起点に、それぞれ巣鴨、中渋谷を結ぶ二路線を運行した。

 円太郎バスの名前は、明治の落語家・橘家圓太郎(たちばなやえんたろう)にちなんで名付けられた東京の乗合馬車「円太郎馬車」から付いたとされる。都が所蔵する一両しか残っておらず、現存する国内最古のバスになる。

 同局の担当者は「関東大震災からの復興を支えた、貴重な車両が高く評価された」としている。