鹿島灘産のホッキ貝を活用して鹿嶋市を盛り上げようと、市と市飲食店組合は旬を迎えたブランドの「ももいろホッキ貝」のコロッケを市内六店で提供するフェアを開いている。来年以降は提供する店を増やしたいとしている。店では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、対策を取りながら来客を呼び掛けている。(水谷エリナ)

 市によると、ホッキ貝はハマグリに似た二枚貝で、価格はハマグリの四分の一〜三分の一ほど。正式名称はウバガイで、十センチ以上に育つ。

 ホッキ貝は鹿島灘が分布の南限とされており、大洗港と鹿島港、波崎漁港から輪番で漁の船が出ている。通常は加熱すると足が赤くなるが、鹿島灘のものは桃色に変わることから「ももいろホッキ貝」と呼び、ブランド化している。

 市飲食店組合と鹿島灘漁協は、地元で採れたホッキ貝の活用を促し、地域活性化につなげる目的で二〇一七年度から事業に取り組んでいる。

 初年度はホッキ貝を使った料理のコンテストを開き、今回は、六店で初めてホッキ貝を使ったコロッケを単品やセットで提供。鹿島灘漁協の協力で試験的に六店舗で販売し、今後拡充していくとしている。

 提供しているトラットリア・チンクエチェントの高内三智男オーナー(60)は「ほかにもホッキ貝を使ったメニューを開発していきたい。百聞は一見にしかず。お待ちしています」と話す。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、高内さんの店では大学の卒業式の謝恩会がキャンセルになるなどの影響を受けたが、店内のアルコール消毒を徹底し、店内の空間を分けて人が密集することを避けているという。

 コロッケの提供は三十一日まで。漁獲量に限りがあり、なくなり次第終了するため、店に確認が必要になる。

◆でもまだマイナー?

 県水産試験場の調べでは、県内のホッキ貝の漁獲量は2016年が60トン、17年が86トン、18年が21トンだった。産出額は16年が1200万円、17年が1100万円、18年が300万円。本県で採れる海産物としては、まだマイナーな存在といえる。

 県漁政課によると、ハマグリを狙った漁でホッキ貝が一緒に採れることが多く、ハマグリが多く採れた年は、ホッキ貝の漁獲量が減少する傾向があるという。漁業者はホッキ貝より高価格でより浅いところで採れるハマグリ漁の方に力を入れているというわけだ。

 ホッキ貝は北海道が主産地で、道水産林務部総務課によると、18年の漁獲量は約4800トン、産出額は約20億6700万円だった。

 ただ、本県は漁業が盛ん。いずれも農林水産省がまとめた最新のデータで、18年の漁獲量は約26万トンで全国3位、17年の産出額は約228億円で全国14位だった。

 県漁政課は「漁獲量の大部分をサバやイワシが占め、いずれも魚価が低いため、漁獲量に対して産出額の全国順位が低くなっている」と説明する。(水谷エリナ)