新型コロナウイルス対策として休館やサービスを縮小する公立図書館が相次ぐ中、県内の図書館が臨時休校中の子どもに読書を楽しんでもらおうと、工夫を凝らした試みを始めた。本を「福袋」にまとめて貸し出したり、放課後児童クラブに届けたり。自宅で読める電子図書館の利用を促す動きもある。 (近藤統義)

 今月末まで書架への立ち入りなどを禁止している宮代町立図書館。町教育委員会との協議で悩んだ末に休館はせず、予約した図書の受け取りなど一部のサービスを続けている。

 「家でじっとしている子の息抜きになれば」と司書が考えたのが、本の福袋だ。「昆虫」「宇宙人」などのテーマで袋に二〜三冊ずつ入れ、対象学年を示して入り口のテーブルに並べている。新刊を詰めた大人向けも用意した。

 書架の本が借りられず泣きだした男の子が「乗り物」の福袋を見つけ、喜ぶ姿もあったという。清水恭久(やすひさ)館長(57)は「本を選ぶ時間を短くするのも狙い。感染が拡大する中で開館する不安はあるが、少しでも読書を楽しんでくれたら」と願う。

 また、飯能市立図書館は、休校中の小学生が過ごす市内の放課後児童クラブに本を届ける取り組みを十三日に始めた。子どもが興味を持ちそうな児童書や絵本などを職員が選び、一カ所につき百冊を車で配送。クラブ側からの希望も募っている。担当者は「突然休校になってしまった子どもたちのため、何か役に立ちたかった」と説明する。

 県内では県のほか、さいたま、川口、川越市など三十以上の自治体が図書館を臨時休館としている。代わりに、電子書籍を集めた電子図書館のサービスを充実させるところもある。

 三郷市図書館は出版社の協力で、子ども向けの百タイトルを四月五日まで限定公開。通常は二〜三人までしか同じ本を同時に借りられないが、特別に何人でも読めるようにした。担当者は「電話での登録手続きも可能にした。この機会に気軽に活用してほしい」と話している。