日本原子力研究開発機構は二十四日、東海村の原子力科学研究所にある研究用原子炉「原子炉安全性研究炉(NSRR)」の運転を一年半ぶりに再開する。東京電力福島第一原発事故のような過酷事故に近い状況をごく短時間、原子炉内で起こし、核燃料が損傷する過程や条件などを調べる。原発よりも扱う核燃料物質の量が少なく、周辺自治体に避難計画の策定は求められていない。 (宮尾幹成)

 NSRRは熱出力三百キロワット。村内で近くにある日本原子力発電東海第二原発の一万分の一程度だが、〇・〇一秒ほどの間だけ非常に高い出力にする「パルス運転」により、核分裂反応が暴走した状態を模擬する。

 瞬間的な熱出力は、最大で東海第二の約七倍の二千三百万キロワットに達する。

 使用する核燃料は、核分裂するウランの割合を一般の原発用の数倍まで高めているが、量は東海第二の二千六百分の一程度だ。

 炉心は高さ三十八センチ、直径六十三センチの円柱形。炉心の熱は原発と同様に水で取り除くが、水温は運転中でも二十五度程度までしか上がらないため、原発のように海水を引いて冷やしたりはせず自然冷却させる。発電のためのタービンはない。

 NSRRは一九七五年に運転を始め、今年で四十五年を迎える。福島事故を受け、原発の運転期間は原則四十年(最大二十年まで延長できる)と改められたが、研究炉にはそうした規定はなく、原子力規制委員会が定期的に老朽化(高経年化)の進み具合を確認している。

 NSRRは二〇一八年一月に新規制基準に適合し、六月〜九月に運転した後、昨年八月まで耐震補強工事を実施。今年二月末に規制委の検査が終了していた。今後、研究成果は規制委の審査にも活用される。

 原子力機構は「原子炉施設の安全規制を支援することで、原子力技術の発展に貢献する」としている。