新型コロナウイルスの感染拡大を警戒する中、県内の多くの小学校で24日、卒業式が行われた。例年より簡素化して換気や消毒に配慮する一方、短くても心を尽くして子どもたちを送り出そうという気遣いが随所に見られた。 (前田朋子)

 上尾市立中央小学校では、九十三人が卒業。保護者の出席は二人までとし、市長やPTA会長の祝辞は紙で配布。卒業証書は児童二人が壇上に上がり、授与の前と後の礼を同時にすることで時短に努め、式典は三十五分ほどで終了した。三角正敏校長は祝辞で、卒業生に「自信と誇りを持って大きく羽ばたいて」との言葉を贈る一方、保護者に向け「(臨時休校で)最後に子どもたちと一緒に生活できなかったのは、非常につらい思いでした」と声を詰まらせた。在校生がいないため、最後は教職員がアーチをつくり、卒業生を送り出した。

 卒業生の碓井(うすい)健吾さん(12)は「五年生と一緒にできず残念だったが、ちゃんと(式を)やれて良かった」と笑顔。母親の美江(よしえ)さん(46)は「欲を言えばきりがないが、卒業式があるだけありがたい。出席できて良かった」とホッとした表情だった。

◆旅立ちのエール 越谷のFM局

 越谷市のコミュニティーFM局「こしがやエフエム」(86.8メガヘルツ)が23、24日、「卒業おめでとうスペシャル」と題した特別番組を生放送した。両日は市内の小中学校で卒業式があったが、新型コロナウイルスの感染拡大で簡素化された。そんな卒業生たちへのはなむけに−。旅立ちへのエールを電波に乗せた。

 「すてきな3年間。先生や友人のおかげです」

 「式に出て6年生を見送りたかった。大好きだよ」

 朝昼夕の3回の放送中、卒業生や在校生、保護者らから続々と届くメッセージが読み上げられた。式は卒業証書の授与のみとなったため、歌えなくなった曲のリクエストも多い。

 市教育委員会に教員のゲスト出演も持ち掛け、23日の放送では西中の小島久和校長(59)と西方小の沢田一郎校長(59)がスタジオへ。緊張した様子で、卒業生との思い出トークをパーソナリティーの祓川(はらいかわ)たえさん(59)と繰り広げた。

 「母校はいつもここにある。友達と過ごした日々を思い出し、苦しいことも乗り越えて」と小島校長が呼び掛ければ、沢田校長も「周りに支えられていると常に意識し、感謝の気持ちを持ち続けて」とマイクの向こうに言葉を送った。

 同局の越野操(みさお)社長(70)らも放送を見守り、番組企画に関わった副局長の棟方智子さん(39)は「子どもたちには今年の卒業式を残念と思わず、特別だったと振り返ってほしい」と話した。番組は28、29日の正午から再放送する。 (近藤統義)