「残念ですね」。聖火ランナーとしてさくら市内を走る予定だった同市の氏家商工会長の加藤有(たもつ)さん(75)=写真。聖火リレーの中止は報道で知った。新たな聖火リレーでは決定しているランナーを優先するとされているため「希望はつながった」と前を向いた。

 高校時代は陸上短距離の選手。一九六四年の前回の東京五輪でも聖火ランナーを務めた。現在の那須塩原市内を予備のトーチを持つ副走として走った。

 今回のトーチのデザインはサクラの花がモチーフで「さくら市民としてぜひ持って走りたいと思った」と応募した。一方、がんを患い、これまでに三回の手術を経験していることから「病気に悩む人たちに勇気を与えることができたら」という思いもあった。

 病気療養で好きなゴルフなどの運動は思うようにできなかった。聖火ランナーが決まってから始めた散歩などの軽い運動はこれからも続けるつもりだ。

 街では「頑張って」と声を掛けられてきた。「体調管理に気を付けて」とマスクを差し入れてくれた人もいた。「多くの人の応援で走ることができると思ってきた。体調の維持に努めてぜひ走りたい」と力を込めた。