洋菓子店「ティーフル」(目黒区大岡山)のスイートポテトは毎月、千個以上売れ、子どもからお年寄りまで幅広く愛されている。

 開店した二〇一八年の秋に発売。安納芋と金時芋を絶妙のバランスで合わせ、鉄分の豊富な奄美大島産のサトウキビから作られる素焚糖(すだきとう)を使っている。懐かしさと上品さを感じると評判だ。

 小泉直也店長(37)は東工大で博士号取得後、大手食品メーカーに就職したが「いつかカフェを開きたい」という夢があり、コーヒーの入れ方や経営、内装デザインを勉強。

 退職し、専門学校で学んだ後、帝国ホテル調理部ペストリー課に再就職した。修業を始め、先輩にあたる渕上一明シェフ(33)と出会った。独立を考えていた渕上さんに小泉さんが共同出資・経営を提案し、ティーフルが誕生した。

 店内は約三十種類の焼き菓子と、米粉のシュークリームやショートケーキなど季節に応じた約二十種類の生菓子が並ぶ。カフェスペースでは、ひきたてコーヒーなどと共に、ゆっくり楽しめる。

 小泉さんの母校のお膝元に店を構えて約二年。渕上さんがメニューを考え、小泉さんがそれ以外を担当するが、大切にするのは自然と健康への配慮。

 小泉さんは「合成着色料や人工甘味料などは使わない。子どもたちに安心して食べてもらえるものを提供したい」と科学者、父親としての顔がのぞく。

 地元豆腐店とコラボしておからクッキーを作り、アレルギーのある人も楽しめるようにするなど、新たなメニューを考えることに余念がない。

 スイートポテトは、スイーツ激戦区といわれる自由が丘の逸品も並ぶ目黒区のふるさと納税の返礼品にも選ばれた。

 新型コロナの感染拡大で結婚式の中止が相次ぎ、引き出物の焼き菓子の注文がキャンセルになった。感染の心配などもあり、休業も考えたが、常連客の後押しもあり、細心の注意を払いながら営業を続ける。

 店内の飲食は予約制で一組ごと。小泉さんは「毎日楽しみに来てくださる高齢の方もいる。話ができなくなるのも寂しいし、気掛かりだ。今後、どんな影響があるか分からないが、お客さまに喜んでもらえる限り続けたい」と力を込める。(市川千晴)=おわり

<ティーフル スイートポテト> 6個入り1555円。10個入り2592円。15個入り3888円(いずれも税込み)。お取り寄せは、これに送料。目黒区大岡山1の4の5。当面の間、1組ずつの入店で午前10時〜午後7時(土日祝日は6時)。問い合わせは電話=03(5726)8260=へ。