セカンドの逆襲:男の30歳は遊びたい盛り。彼氏と思っていた男が本命彼女と絶対に別れない理由

セカンドの逆襲:男の30歳は遊びたい盛り。彼氏と思っていた男が本命彼女と絶対に別れない理由

―夢は極上の男との結婚。そのためには、どんな努力も惜しまない。

早川香織、26歳。大手IT企業の一般職。

世間は、そんな女を所詮「結婚ゴールの女」と馬鹿にするだろう。

しかし、先入観なんぞに惑わされず、彼女の“秘めたる力”をじっくりと見届けて欲しい。

vsハイスペ男との熾烈な戦いを...!

最高の彼氏だと信じていた男、拓斗にとって、実は自分がセカンドだった!本人に直接問い詰めるも、「二人とも彼女だよ」とあっけらかんと言われ、言葉を失う。

さらに「大事なのは香織だけ。別れるから待って」と言われ…!?



最低男の最低な言い分


正直、驚いた。梓が帰国して早速、香織が彼女の存在に気がついたからだ。

南拓斗、もうすぐ30歳。

女性は30歳なんて言うと、結婚だ、出産だ、なんてワーワーと騒ぎ出す。けれど男にとって、30代なんてちょうど仕事も乗り始めて生活にも余裕があり、一番モテる楽しい時期なのだ。

香織は確かまだ26歳と言っていた。だからまだ結婚だなんだと騒ぐ年齢でもないし、気楽な付き合いができると思っていた。

彼女と出会ったのは、いわゆる食事会だ。ほとんど肩書き目当てに違いないが、僕たちは連日のようにそういった会の誘いが絶えない。

はじめは梓がアメリカに行って少し空いた時間を埋めるように、お食事会に参加していた。

けれどそこで出会ったのは、いかにも男とお金に媚びる女や、お高くとまった勘違いな女ばかり。その場を楽しく過ごしたとしても、次につなげることはなかった。

—ちょっと見た目が好みだな。

香織の第一印象はそんな程度。とは言え、どうせ彼女も他の女と一緒だとあまり乗り気ではなかった。


乗り気ではなかった拓斗が香織に惹かれた訳とは…?

ハイスペ男の譲れない価値観


しかし、彼女の発する陽気なオーラや、可愛らしい笑顔に、その日はなぜか妙に惹かれてしまった。

その時食べていた『マルゴット・エ・バッチャーレ』のトリュフが美味しかったせいかも知れない。



「今度、ご飯でも行こうか」

そういった時の香織の何とも嬉しそうな恥ずかしそうな表情が、ストンと僕のツボにハマったのだ。

それから会うたびに、梓とは違った魅力をもつ彼女に少なからず興味をそそられた。けれど、自分の中で絶対的な価値観がある。

—結婚をするなら、誰に会わせても恥ずかしくない女性。

つまり、家柄、学歴、容姿、社交性、どれをとってもそれなりの女だ。それが、梓だった。

だから僕たちは、何があっても別れない。それは彼女にとっても同じなのだろう。そう決めていたのだが…

「ステディな関係になっても良いなってこと。俺、きちんと梓と別れるからさ。それまで待って」

つい口が滑ってしまった。というか、急に少し惜しくなったのだ。

梓のことがバレた時、僕は全く悪気がないふりをした。

こういう時、少しでも下手に出れば、相手を増長させて面倒なことになる。あくまでも“そんなつもりはなかった”で通した。まぁ、少し無理のある言い訳だったが…。

これで香織がどう出るか見るつもりだった。怒って別れるのであればそれで良いし、セカンドで良いというのであれば、こちらには都合が良いだけだ。

けれど…

香織の泣き出しそうな目と、僕を信じきっていた彼女の混乱した顔を目にした途端、何となく…手放すには勿体なくなったのだ。

—料理ができて、一緒にいると癒される存在—

いつの間にか彼女の地位が、自分の中で“遊びの女”から“愛着のわいたペット”くらいに格上げされていたのだと思う。

さて、これからどうしようか。とりあえず、香織はどう出るのだろうか?




宇宙人と向き合うには?


先日の宇宙人との戦い…彼氏だと思っていた拓斗からの衝撃の告白から1週間。香織は未だにどうして良いか分からずにいた。

あの日は結局、拓斗に言いくるめられる形で話が終わってしまった。

—許せない、別れてやる!

そう思ったものの、これまで拓斗と過ごした楽しかった日々を思い出すと、そんな簡単に答えは出せなかった。

その上、人というのは難しいもので、拓斗と結婚をするために今まであれだけ頑張ったのに…という思いが、香織を縛り付けるのであった。

—別れるべき…よね、彼女にも悪いし。でも、彼女とは別れるって言ってくれたし、私が一番だとかも言っていたし…。拓斗には、本気で悪気がなかったのかな…?もう一度、彼を信じてみるべきか…?いや、でも…。

グルグルと思考があっちへ行ったりこっちへ来たり。香織は考え過ぎて思考回路が混乱して来た。

いつまで考えても答えが出せないと思った香織は、こんな時は頼れる親友だ、と電話をかける。

「香織—?どうしたの?」

親しみのこもった里衣の声に、香織は涙が溢れてしまった。

「里衣—、聞いてー。あのね、拓斗…彼女がいたの!」

「……」

親友の沈黙。彼女も自分と同様に驚いているのだろう、と思っていると、里衣は全てを悟ったような口調でやっと言葉を発した。

「そっか、やっぱり他に女がいたか…。ってことは、香織はセカンドだったってこと? 」

「!?何で分かるの?その彼女とは、6年も続いていたみたい…」

香織の衝撃の告白に、里衣はそこまで酷い話だったか、と同情の様子を見せた。


親友の里衣との会話が、香織の闘争心に火をつけた…!?

こんな所で引き下がれない


「で、ちゃんと別れて来たのよね?」

「ううん…どうしたらいいか分からなくて…まだ迷っているの」

その返答に、里衣からはこの期に及んでまだそんなことを言っているのか、と呆れている様子が伺える。

一瞬怒られるのでは、と怯んだ香織だったが、拓斗と付き合い出してから料理など頑張っていた様子を知っていたからだろうか。彼女は諭すような優しい口調で言う。

「でも…そんな酷い男と、付き合う意味はないよね?それとも、セカンドでも良い、とか思ってるの?」

「セカンドは…イヤ。でも、拓斗は香織が一番で、彼女とは別れるって言ってくれてるの…」

冷静に考えれば、こんなの”浮気男の陳腐な常套句”だと気づく。

けれど、脳内お花畑状態だった香織は、その事にさえ気づくことができなかった。というより、心のどこかで必死に否定していたのだ。

「それってさ、口で言っているだけじゃないの?香織、しっかりしなよ。騙されていたんだよ?」

「…でもね、拓斗の話を聞いていたら、故意に騙すつもりはなかったんじゃないかなって思えてくるの…。それにね、あれだけハイスペックな男性だったら、このくらいのこと乗り越えなきゃいけないんじゃないかって…」

香織は自分自身で、「でも」「だって」と、必死で言い訳を並べているのに気がついていた。

里衣もそんな様子を察したのか、一通り「うんうん」と聞いてくれた後、最後に冷静に言った。

「香織は、今は別れたくないのね。でも、それならもっと傷つく覚悟でいた方が良いよ。話を聞いていると、拓斗さんはやっぱり卑怯だと思う。それでも良いなら、香織の気がすむまで、とことんやったら?泣きたくなったら、胸くらい貸すからさ」

香織は、里衣の言葉にまた涙が出そうになった。

自分が欲しかったのは冷静な判断ではなく、こんな風に、自分を分かってくれて背中を押してくれる親友の言葉だったのだ。と同時に、急に自分が情けなくもなる。

けれど、どうしても、今ここであっさりと引き下がるワケには行かないのだ。

「ありがとう。里衣が居てくれて、本当に良かった。バカな女なのは分かっているけど、今ここで引き下がりたくないの。仕返しするにしても奪うにしても、自分の気がすむまでとことんやることにするわ!」

「ほんと…バカだよ。でも、頑張って。悪いのは向こうなんだから。香織はちゃんと幸せになれる道を探してね」

里衣との電話を切った後、香織はなぜかメラメラと闘志を燃やしていた。



—そうだよ…私は何も悪いことはしてない。だから、こんな所で引き下がれないわ!結婚している訳じゃないし…。拓斗が本気で私と付き合う気があるなら、奪い取ってやる!

里衣の言葉に力をもらった香織は、もう拓斗が自分を騙していた、という事実がどうでも良くなっていた。

それよりも、どうすれば拓斗を奪えるか、に思考が集中していく。

—そうだ。まずはもっと敵を知ろう。彼女には悪いけど、私、拓斗を諦めたくないの。

そう思ってまた、先日見つけた中原梓のFacebookを覗き見る。

そこで、思いもよらない投稿にボディブローを打たれたような衝撃が走った。

「大事な人からの贈り物」

そこに写し出されていたのは、大きなダイヤがキラキラと光る指輪だったのだ。

▶︎NEXT: 7月23日 月曜日更新予定
梓の投稿したダイヤの指輪の送り主とは?香織にさらなる悲劇が…?



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