ハイスペ婚した美女が見抜いた、「彼氏ができない」と嘆くアラサー女子の問題点

ハイスペ婚した美女が見抜いた、「彼氏ができない」と嘆くアラサー女子の問題点

―なんで“にゃんにゃんOL”を選ぶの!?

ハイスペ男子の結婚式で、こう思ったことのある高学歴女子は多いのではないだろうか。

お嬢様女子校から東大に入り、コンサルティング会社でマネージャーになるべく仕事に邁進している大西夏希(28歳)もその一人。

自分の仕事を理解し応援してくれる人との結婚を目標に、同業者のマリから誘われたクルージングでの出会いに期待するが、ミスコン美女軍団に圧倒され、自分の市場価値を見誤っていたと落ち込む夏希。

無意味なお食事会を断り港区お爺さんで傷を癒そうとするが、留美に「一見、無駄に思えることでも価値があったりする。」と諭される。

会社の研修で武田と再会し、キャリアと家庭の両立に悩み結婚相手を見つけられずにいると打ち明けられる。

ゼミの同窓会で「弱みを見せられる関係じゃないと、結婚生活を続けるのは大変」というハイスぺ男子の本音を聞き、武田のことを意識しだすが―?



…まさか休みってこと無いわよね。

夏希は頼んでいた名刺を受け取りに総務部まで来ていた。千春の席であろう、ピンクやキラキラした文房具が置かれたデスクのPCは起動していないようだ。

「何かご用ですか?」

立ちつくしている夏希に、千春の席の隣の女性が声をかける。

「ああ、えっと、高橋さんに頼んでいた名刺を受け取りに来たんですけど。大西夏希と申します。えーっとスタッフナンバーは…」

夏希が言い終わる前に、その女性は迷うことなく名刺を用意してくれた。

「あの、高橋さんは今日はお休みですか?」

「ええ、代わりにうかがえることがあれば…?」

「あ、いえ大丈夫です。」

そう言い残しフリースペースに戻る夏希の足取りは、無意識に早くなっていた。

…お食事会のせいで会社を休むなんて信じられないっ!!

そう、昨日は千春の女子大時代のお友達が幹事の外銀とのお食事会だったのだ。

21時開始で24時から当然のように二次会に行こうとする彼らについていけず、夏希は一人だけ一次会で帰ることにした。お盆休みでクライアントに動きが無い時こそ、仕事が捗る。貴重な時間を二日酔いで無駄にしたくは無かった。

一次会の時から、とある有名女優の元彼だという男がヤケに千春にだけ馴れ馴れしいのが気になっていた。嫉妬心では無く、純粋にその男性の軽薄さに嫌悪感を抱いたのだ。

本人も俳優になれるのではと思う程の端正な顔立ちで、さぞやモテてきたのだろう。いかにも調子の良さそうなその男と千春を残していくのは少し心配でもあったが、幹事のお友達もいるし大丈夫だろうと思ったのだ。

今日休んでいるということは、あの男と…?夏希の嫌な予感が的中したということか。

けれど、それが千春にとっては望んだ結果だったのかもしれない、と自分に言い聞かせた。


留美との休日に、骨董品から脱するヒントが?


「留美、こっちこっち!」

休日の丸の内のオフィスビルの1階ロビーで、フロアガイドを見ている女性に呼びかける。白いリネンシャツにパキっとしたイエローのスカートを合わせた留美は、遠くからでもすぐに見つけられた。

「ゴメンねー、丸の内ってどれも同じビルに見えて迷っちゃった。」

「そのお洋服、素敵だね。夏らしくて。」

「ありがとう!色物ってあんまり着なかったんだけど、顔から離れたアイテムで取り入れると着易いって聞いて、今年買ってみたんだ!」

…なるほど、そんな方法があるのか。いきなりモテ服を買ってみようと思い立ち撃沈した先週の自分に教えてあげたい。

「それより、ありがとうね。今日は付き合ってもらっちゃって。」

「ううん、留美にはここ最近お世話になってばっかりだったから…私でできることがあって良かったよ。」

そう言いながらエレベーターで会場へ向かう。今日は、留美に頼まれた金融セミナーに付き添いで来ているのだ。

結婚してもうすぐ1年が経つ為、夫婦でマンション購入や子供について話し合いをしたらしい。先立つものはお金だからとFPにも相談した所、夫婦揃って全く基礎知識が無く、FPの言っていることも良く分からず焦ったそうだ。

そんな時に、先日のお食事会での会話を思い出し、連絡をくれたらしい。

「何が分からないのかも分からない状況。」

と言う留美の為に、初心者向けのセミナーを紹介してみた。

夏希にとっては今更聞くような内容では無いのだが、留美が心細そうにしているので、一緒に行こうか?と訊ねてみると、ウサギが飛び跳ねているスタンプが連打され、夏希も張りきって一緒に来ることにしたのだ。



「はぁ…。やっぱり、投資にリスクって付き物なのね…。」

『ザ・カフェ by アマン』で紅茶を飲みながら、セミナーの資料を見返し、留美は溜め息をついている。

「う〜ん、まあ元本保証の商品とかもあるけどねえ…。でも、リターンを得たかったらある程度のリスクは覚悟しないと。」

そうアドバイスした夏希を、留美は遠い目で見つめた。

「そうだよねえ…」と言いながら資料を閉じ、神妙な面持ちに切り替わる。

「そう言えばさ、夏希、水曜日のお食事会、千春と一緒に行ったでしょ?」

突然どうしたのだろうと思いながらも夏希は頷く。留美の口調から嫌な予感がした。


千春が会社を休んだ本当の理由とは―?

恋愛ではリスクを取れない高学歴女子


「それがね…送ってくれた男性を流れで泊めちゃったらしくって。それなのに、その後連絡が取れないって、昨日、泣いて電話かかってきたの。」

ショックを受ける夏希に留美は続ける。

「その日も、翌朝早くから会議だからとか言って、明け方に帰っちゃったらしくってね…。もう、そんな男、確信犯じゃない?でも、千春は本当にショックみたいなのよ。何て言って慰めて良いか分からなくて…。」

「私、一次会で帰ってきちゃったから、全然知らなかった…。ちゃんと付いててあげれば良かったのかな。なんか有名女優の元彼とかいうイケメンで、チャラい感じの人だったから少し心配だったんだ。」

そう言いながらも、千春に対して同情と軽蔑の念が交錯する。会ったその日に家にあげるなんて。ちゃんと告白はされたのだろうか。

「やっぱり、傷付きたくないなら、然るべき男性から正式に告白されて付き合うべきよね。」

自分に言い聞かせるように夏希が言うと、留美は何やら考え込んでいる。



「さっきの投資の話じゃないけど…、恋愛にもリスクって付き物だと思うよ。愛されたかったら傷付く覚悟もしないと。」

驚く夏希に構わず、留美は力強く続ける。

「今回の千春の件とは別でね…絶対傷付きたくないって思っていたら、いつまで経っても恋愛なんてできないよ。私だって、結婚するまでにいっぱい傷付いたんだから。」

留美の迫力に、夏希は何も言えないでいた。



留美のご主人、慶應の内部生でイケメンだし、やっぱり結婚にこぎつけるまで大変だったのかな…。美人な留美のことだから、ご主人からの猛烈アプローチかなんかで結婚したんだとばかり思っていたが、違ったのだろうか―。

白金高輪のマンションに戻り、夏希は先程の留美の言葉をかみしめていた。

…今の自分は、リスクがあるからといつまでたっても株を買えず、買わなかった株の値上がりのニュースを見て損をした気分になっているようなものではないか。

そう気付き、意を決して武田さんにメールを送る。

“お疲れ様です。先日はどうもありがとうございました。実は、会社のチャリティ・ラッフルでディナー券が当たって、よろしければ一緒に行って頂けませんか?”

返事が気になって、週末に読もうと思っていた本の内容が全く頭にはいってこなかった。

Next:8月23日 木曜更新予定
遂に武田さんと初デートなるか?



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