「このお腹、ヤバくない?」美人インスタグラマーに屈辱を与えた、美意識が高すぎる元モデルの代理店男

「このお腹、ヤバくない?」美人インスタグラマーに屈辱を与えた、美意識が高すぎる元モデルの代理店男

仕事に適性があるように、結婚にも向き不向きがある。

どんな爽やかイケメンでも、高学歴・高収入のハイスペ男でも、残念ながら“結婚に向かない男”は存在し、数々の婚活女子を絶望させている。

一時の恋愛を楽しむのなら問題はない。しかし結婚したい女が、結婚に向かない男に割いている時間はないのだ。

この連載では、婚活中のアラサー女子から寄せられた情報を基に、東京に数多生息する “結婚に向かない男”の生態を紹介していく。

先週は拘りすぎるハイスペ男、女を不幸にする男を紹介した。さて、今週は?



【今週の結婚に向かない男】

名前:剛
年齢:36歳
職業:広告代理店
住居:赤坂

【報告者】

名前:綾美
年齢:28歳
職業:PR会社所属のインスタグラマー
住居:恵比寿


結婚に向かない男File No.3:美意識が高すぎる男


「…ごめんなさい、お待たせしちゃって」

GINZA SIXの『カフェ ディオール バイ ピエール・エルメ』で、綾美はようやくこちらを向き直った。

ケーキと紅茶が運ばれてきてから早20分が経過しただろうか。その間ずっと、彼女はカメラの前で様々な決め顔をつくり続けていた。

この場に似つかわしくない本格的な一眼レフカメラで綾美を撮影していたのは…友人?それとも彼女が勤めているというPR会社のスタッフか。

周囲の不思議そうな視線には目もくれず、“カメラマン”の女性は静かにカメラをバッグにしまう。そしてその後、最後まで一言も発しなかった。

「Instagramのフォロワーは今、15万人ほど。最近では、毎晩やってるメイクライブが人気なんです。…え?メイクライブが何かって?インスタのライブ機能を使って、お気に入りのコスメやメイクテクニックをリアルタイム配信するの。そのおかげで、化粧品会社からのPRオファーも増えました」

そう自信満々に語る綾美。

はっきり言ってプロのモデルや女優ほどの美貌はないが、一般女性にしてはかなり可愛い。よほど手入れをしているのだろう、肌なんて透き通るように綺麗だ。

しかし最近、そんな美意識の高い綾美の価値観を変えた男がいたという。


美意識高めのインスタグラマー・綾美を打ちのめした、結婚に向かない男の正体とは

“女性の好み”を尋ねてみると…


「彼…剛と出会ったのはお食事会です。ここで名前は言えませんけど…某人気俳優の方なんかもいて華やかな会でした」

彼女はインスタグラマー仲間に誘われ、その会に参加したのだという。

「正直、一目惚れでした。俳優の方ももちろんかっこよかったけど…剛の方が断然色気がありましたね。どの角度から見ても美しくて...まるで彫刻のようなの!」

その時の興奮を思い出したのか綾美は頬を蒸気させ、剛がいかに美男子であるかを説明した。

剛は広告代理店勤務の一般サラリーマンだが、学生時代はモデル事務所に所属していた過去を持つ。実年齢は36歳だが、その肌艶も無駄のない引き締まった体も、その年齢にはとても見えなかったという。

「私、美しいものが好きなんです」

その言葉には、納得感があった。彼女のInstagramを見れば一目瞭然だ。

どの投稿を見ても気合の入った服装で、前髪だって一切の乱れがない。まるで雑誌の新作紹介ページのようなブツ撮り(持ち物紹介)写真の数々。訪れているレストランやカフェもおしゃれスポットばかりで、凡人が見たら目眩がしそうなキラキラ・ライフなのだ。

そんな綾美が、一目見た瞬間から剛を気に入ったのは自然なことだった。綾美はさりげなく彼の隣を確保し、好意を滲ませながら女性の好みなどを尋ねてみたという。

しかしここで彼女は、丁寧に描かれた眉をそっと顰めた。

「今思えば…この時の彼の答えがもう、危険信号を発していましたね…」



「俺、デブがほんと無理なんだよね」

綾美の質問に、剛はそう即答したという。

もちろん、彼女はデブではない。パーソナルトレーニングにも通っており、むしろスタイルなら良い方だ。

しかし綾美は、「華奢な子が好き」と言わず「デブがほんと無理」というきつい言い方をした点に引っかかりを感じた。

しかし剛がその後すぐに「綾美ちゃんみたいなスタイルいい子、俺めちゃくちゃタイプ」と続け、熱のこもった視線を送ってきたものだから、彼女は小さな「?」に気づかぬフリをしてしまったのだ。

食事会の席では連絡先だけ交換し別れた二人だったが、後日改めて剛からランチデートに誘われた。

旨い肉を食べようと連れて行かれたのは『ユーゴ・デノワイエ』。おしゃれ感がありつつもカジュアルで気取らない雰囲気におしゃべりも弾む。二人でがっつり肉を食べ、彼の意外に気さくな一面にも、綾美はさらに好感を持った。

食事の後、二人で街を歩けば行き交う人が皆振り返る。「すごい美男美女だね」と囁く声まで聞こえてきた。

−私たち、お似合いのカップルなのかも…!

そう感じたのは剛も同じだったようで、その日のうちに「付き合おう」と告白された。

「そうだ。確かこの時も、ずっと綺麗でいてねって念押しされたんだった」

思い出した、と呟いて、綾美は嘲笑うような表情を浮かべた。

「最初はそういう外見至上主義な発言も、特に気になりませんでした。むしろ彼のためにも綺麗でいなきゃってモチベーションが上がる感じで。でも…」

綾美は突然口ごもり、言いづらそうに言葉を濁す。どうやら彼女には、思い出したくない出来事があるらしい。


美意識の高すぎる男が言い放った、屈辱のひと言とは?

綾美を愕然とさせた事件は、昨年秋に起きた。

インスタグラマー案件でロサンゼルスのディズニーランドに行っていた彼女は、およそ2週間ぶりに剛に会った。

「どうしたの?ちょっと肌、荒れてない?」

赤坂にある彼のマンションに足を踏み入れると、剛は部屋に置かれた筋トレマシーンを懸命に動かしながら彼女にそう言ったのだ。

「お帰り」とか「お疲れ様」とか、他に言うことがあるのでは…?

さすがにムッとした綾美だったが、旅行中はどうしても食生活が乱れるし、肌荒れも事実ではあった。それゆえ「そうなんだよねぇ〜」と軽く受け流しておいたという。

しかしそのまま彼の家にお泊まりをした綾美は、剛からさらなる屈辱を受けることになる。



「ホテルの部屋でも筋トレするようにはしていました。でも疲れて寝ちゃう日もあって。自分でも多少ボディラインが緩んだなって感覚はあったんですけど…」

ゆっくり口を開いた綾美は、当時の感情を思い出したのか、俯いたままそっと唇を噛んだ。

恋人同士の自然な流れで抱き合い、寄り添いながら眠ろうとしたその時。

「このお腹、ヤバくない?って言ったんです、彼。私、耳を疑っちゃって…」

その言葉を、剛は綾美のお腹をつまみながら言ったのだ。しかも、呆れ顔で。

瞬間、綾美の中で何かがプツリと切れた。

「言われても仕方ないくらい太っちゃってたとかなら、まだ許せたかもしれない。でも着衣では絶対にわからないレベルだし…この程度でそんな風に言われちゃうんだ!?って。もはや恐怖でした」

それから間もなく、綾美は自ら剛に別れを切り出したと言う。

「歳を重ねればどうしたって外見は変わるし、女性は妊娠・出産を経れば体型も崩れます。だって、人間ひとり産み落とすんですよ?当然じゃないですか。

でも剛みたいな男性は、きっとどんな理由も認めないんだろうなって。産後すぐの私にまで早く痩せて、とか言いそうで」

この一件があってからというもの、綾美は男性を見る目が変わったらしい。

「やっぱりイケメンが好きだし美意識が高いのは大いに結構。でも相手にまで強いてくる男はダメ。ずっと一緒にはいられませんね…」


▶NEXT:2月19日 火曜更新予定
白黒はっきりさせなきゃ気が済まない。ディベート弁護士男



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