「子供産む?産まない?」キャリアも自由も手に入れた37歳の妻が、焦燥感に駆られるワケ

「子供産む?産まない?」キャリアも自由も手に入れた37歳の妻が、焦燥感に駆られるワケ

20代、30代の頃とは比べ物にならないほどの悩みを抱える、東京のアラフォー妻たち。

肌や髪の衰えだけではない。夫との関係、子育ての苦悩、女としての様々な葛藤…。

だが、彼女たちには、強さがある。若い時期を貪欲に生き、濃厚な時間を過ごしてきたからこそ、小さなことではくじけないのだ。

華やかな世界の裏で繰り広げられる、アラフォー妻たちのリアルな日常を、少しだけ覗いてみようー。

先週ご紹介したのは、10年という歳月を経て、やっと「正妻」という立場を手にいれたものの、今度は自分が浮気をされてしまう麻衣子の物語だ。

さて、今週は?



<今週の華麗なるアラフォー妻>

名前:明子
年齢:37歳
職業:大手通信企業勤務
世帯年収:1,800万円
家:恵比寿のデザイナーズマンション


帰省中にDINKS妻が言われる、禁断の言葉


この間は、久々にやるせない気分になりました。

今年のお正月、高知県出身の私が帰省した時のことです。

年越しは夫と都内のホテルのカウントダウンパーティに参加したので、年が明けた2日からのたった1泊の滞在だったのですが…。

人間って、たった24時間でこんなにも傷つくことが出来るのか、というくらい心にダメージを受けましたね。

私は現在、37歳です。

とはいえ、美容にも健康にもかなりお金を使っていますし、初対面の人に実年齢を当てられることはまずありません。イタリア人の夫・グレゴリオも、朝目覚めるたびに私に「美しい」と言ってくれます。

そんな私は、地元で一番の進学校から東京の一流と言われる大学に進学し、大手と評される企業できちんと働いています。

けれど、「子供がいない」という、ただそれだけで。

父などは、悪気がない、当たり前のことを話しているかのように、信じられないことを口にします。

「明子、お前もう37歳か。いい加減、子供はどうするんだ」

そもそもイタリア人であるグレゴリオとの結婚にも難色を示していた父ですし、うちの会社の上司と違ってハラスメント研修など受けたこともない、72歳の田舎の男性です。

私がキャリアのことなどを説明すると、父は呆れたように言い放ちました。

「ま、お前は自分のことしか考えてないってことだな」

父に悪気がないのは分かっています。

ですが、他でもない自分の父親から、あまりにも閉鎖的で単一的な価値観を直接浴びせられるのは、やはり耐えがたいものがありました。

ー37歳、既婚、子供なし。

私の問題は、世間や両親からのプレッシャーだけではありません。一番の悩みは、一体私はこれからどうしたいのか、それが自分でもはっきりしていないということなのです。


故郷から東京へ戻って来れば解決する問題かと思いきや…?

「子供は可愛い」は理解できる。でも、自分が育てるとなると…?


帰省を済ませ、一足先に帰宅していたグレゴリオとハグをして彼の匂いを思い切り吸い込んだ私は、どれだけ安心したでしょうか。

「おかえり、アキコ。僕の宝物」

このような彼の大げさな愛情表現に、付き合いだした当初はかなりの戸惑いがありました。

実の父親がかなりの亭主関白で、母に愛の言葉を囁いている様子を見たことがないという生育環境も影響しているのでしょうか。

ですが、次第に彼から発せられる沢山の愛の言葉のシャワーを浴びるうちに私の心は次第にほぐれてゆき、1年の交際期間を経て、ごく自然な流れで結婚したのです。



東京で自立し、妻となった今、手放しに私を称賛してくれる夫と過ごす毎日は、多忙ながらもあっという間に過ぎていきます。

そんな今の私に、子供が必要か?と言われたら…。

正直、自分でもよくわからないというのが現実です。

早くに結婚した友人も、この間36歳で出産した友人も。子供を産んで物理的には大変そうですが、「子供、本当に可愛いよ〜♪」と幸せな笑顔を浮かべています。

けれど…。

私は大手企業で正社員として働き、収入も安定していますが、一方で夫は都内で評判のイタリアンのシェフとして働いているとはいえ、その働き方はとても不規則です。

仮に子供を産んで時短勤務となり私が子育て中心の生活になれば、夫婦2人の共通の趣味であるレストランの開拓や、私の趣味であるファッションと美容にかけられるお金も時間も、うんと少なくなってしまうでしょう。

たしかに赤ちゃんは可愛い。それはわかります。私も人の赤ちゃんは大好きです。

けれど、自分で妊娠し、産み、育てるとなると、一歩尻込みしてしまう。

ただ、時間というものはとても平等で、時に残酷ですよね。

私がそうやって立ち止まっていてもお構いなしに、毎年毎年、確実に歳を取ってゆくのですから。

子育て中の友人は、決して私に子供を産んだ方が良いなどと自分の価値観を押し付けてきたりしません。子育てにおける苦労を全てさらけ出した上で、心を込めてアドバイスをしてくれます。

「私も不安だったけど、産めばなんとかなるよ」
「2人の子供なら、絶対可愛い子が生まれそう」

ただ、いくら彼女たちからそう言われても、今の生活で十分に満足している私にはいまいちピンとこないのです。

こんな私は、父がかつて私に言ったように、「自分のことしか考えていない」のでしょうか?


子供を産むか産まないかで悩む明子。改めて、その気持ちを夫と話し合う

夫との会話で得た気づき


子供を産むか、産むまいか。

ずっとずっと先延ばしにしていた問題です。

今まで何となく目をそむけてきたこの問題に、平成の終わりを迎えた今、ついに真剣に向き合おうという気になりました。

本来であれば、もっと以前に考えるべきだったのかもしれません。けれど、20代から30代前半の私は仕事や趣味で手一杯でしたし、結婚したのもわずか2年前です。

ーハッキリと「産みたい」わけでも、絶対に「産みたくない」わけでもない。

産みたい、という強い希望があれば、今からでも積極的に妊活というものをするでしょう。そして逆に、産みたくない、と100%断言できるのであれば、周囲に流されないメンタルを鍛えれば良いだけです。

いずれにしろ、やはり最愛の夫の意見は重要です。

結婚当初から「明子の幸せが僕の幸せ」と言ってくれている夫ですが、子供を持つことに関して、彼なりに何か思うこともあるかもしれません。

私は、ディナーで訪れた『鶏 しま谷』で、夫が子供を持つことについてどう考えているかを尋ねてみました。



「…というわけでね。このまま子供を持たない人生でもいいかな、って思うこともあるし、かといって絶対に必要ない!とも思えないの。あなたはどう思う?」

帰省した際に父親から言われたことや、母になっていく友人たちの話を織り交ぜつつ、ごくさりげない口調で夫に問いかけました。

彼はほんのすこしだけ困ったような顔をしましたが、すぐにこちらに向き合います。

「アキコ」

父をはじめ、今まで付き合ってきた何人もの男から「明子」と呼ばれてきました。けれど、グレゴリオの呼び方はその誰とも違います。なぜだか、とても安心できるのです。

「僕はアキコを愛してる。だから結婚したんだよ。子供はいても、いなくてもどちらでも構わない。自分の仕事も楽しいし、今の2人だけの生活にも満足だ。でも、もし君が子供が欲しいというのなら、喜んで協力するよ」

そうして優しく笑い、私の肩を軽く抱いてくれました。

こんなにも私のことを理解し、意思を尊重してくれる夫への感謝の気持ちで、私の胸はいっぱいになりました。

ですが同時に、彼からその選択を一任して貰ったことで、いよいよ自分自身でこの重大な決断をしなくてはいけないのだと気がついたのです。

私は目の前に注がれたシャルドネのグラスを何とはなしに手に取ります。

そうして、妊娠して子供を育てるということは、このグラスの一杯を我慢することはもちろん、その他にも色々なことを犠牲にしていくのだろうなぁとぼんやりとした頭で考えたのです。


▶NEXT:3月27日 水曜更新予定
次週最終回:真剣に「母になること」について考え出した明子。その決断は?


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