One day:28歳の男が人生最悪の日に見つけた、小さな希望

One day:28歳の男が人生最悪の日に見つけた、小さな希望

港区には、モードな男たちが多数出没する。

スタイリッシュで、品があり、上質なファッションを纏う『港区モード』な男たち。彼らが街を歩けば、そこにドラマが生まれる。

この連載では、『港区モード』な男を目撃した人々に起こる、小さなドラマを紹介しよう。

前回は、「最後の男」を探し求める二人の女の物語を紹介した。

今週からは、新シリーズがスタート。

港区で過ごすOne day。そこに現れるのはいつも…?




外資系メーカー勤務 坂元直史(28歳)の場合


仕事で大きな失敗をした

周りの優しさが、僕を余計に惨めにさせた

睡眠時間を削って、土日も仕事のことばっかり考えて

好きなあの子をデートに誘う時間さえない

こんなに頑張っても、何も報われない

せっかく給料のいい会社に入って、いい部屋に住んで、欲しいものはそれなりに買えるっていうのに

僕は全然、自由じゃない



自由な大人って、何だろう

お金だけがあっても、自由じゃない

時間だけがあっても、自由じゃない

名刺の渡し方も、正しいお辞儀の角度も、スーツの着こなし方も

どれもすっかり板についた

けれど、それと引き換えに、僕は何を失ったのだろう

平日16時の外苑東通りを歩いて、あてもなく辿り着いた東京ミッドタウン

僕と同じようなスーツ姿の男たちが足早に歩く

ー 俺は、こいつらとは違う ー

そう思うことさえ、最近はなくなってしまった

世の中はつまらない大人であふれていて、僕もその一人になったんだ


でも僕は今日、“ヒーロー”に出会った


意外なところで出会った“ヒーロー”。その正体とは…?

子供の頃に憧れたヒーローは、長いマントを靡かせ、太陽に向かって堂々と立っていた

ヒーローの真似をして、バスタオルを肩にかけ、扇風機の風を目一杯浴びていたあの日ー

僕は無敵だった

けれど大人になって出会ったヒーローは

ミッドタウンを象徴する、ブロンズ製の彫刻に寝そべっていた




自由な大人って、何だろう


僕のヒーローは、漆黒のパーカーを纏いスマホだけを持って、六本木のビル風の中を颯爽と歩いていた

僕がなりたい、“リアル”なヒーロー

楽しげで、すれ違う人みんなに声をかけられ、時折真剣な眼差しを見せる

何にでも正々堂々と立ち向かえるような強さを秘めた、立派なヒーローだ



思えばスーツ以外の洋服なんて、もう1年以上買っていない

—なぜ?

それは…

ステレオタイプな型にハマろうとしていたのは、僕自身だ

僕も、あんなパーカーを買いに行こう

大人になった僕は、バスタオルでヒーローの真似をしなくてもいいんだ



使い古された言葉でもいい

昨日の失敗は明日の成功に続く、ただの通り道だ

好きなあの子を、デートに誘おう

報われるまで、やり続けよう

僕もいつか、誰かのヒーローになろう



新しいことをしよう 新しい自分になろう


それを纏えば、ドラマが生まれる

港区モード。



▶NEXT:7月2日 火曜更新予定
鮨屋で出会う、港区モード



今週の港区モード:「ラルフ ローレン パープル レーベルのパーカー」


休日、ふらりと訪れた東京ミッドタウン。コレといった目的があるわけじゃないけれど、近所だからついつい来てしまうこんな場所に相応しいのは、リラックスした雰囲気なのにどこかラグジュアリーなオーラが漂う黒のパーカーだ。



この手のアイテムはどちらかといえばワンマイル ウエアやスポーツウエアというイメージの強いが、ブランドのハイエンドラインとして知られる〈ラルフ ローレン パープル レーベル〉のパーカーはひと味違う。

裏起毛になっていて着心地も快適そのものだし、フード部分に同色でブランドのレタリングが刺繍されているから、ラグジュアリーな雰囲気もたっぷり。



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