“代官山から10分圏内”で全て賄う男が、港区男子から浴びせられた痛烈な一言とは

“代官山から10分圏内”で全て賄う男が、港区男子から浴びせられた痛烈な一言とは

「最近、港区飽きたよね?」

そんな女子の嘆きを、貴方は聞いたことがあるだろうか。

毎回同じメンバーが集い、デートも口説き方も、遊び方も変わらない。

そんな“港区”に飽きた女たちが、新鮮味を求めて流れている場所がある。

それが、代官山を中心とした渋谷区だ。

そこに集う男性たちは、ITを駆使して時代を切り開く東京のニューリッチ層。

そんな、まさに“NEO世代”と呼ぶに相応しい、渋谷区に生息する「#ネオシブ男子」である恭平。

アキという彼女がいながらも“結婚制度は更新制で良い”と豪語していた恭平だったが、編集者の由奈に出会い、心がザワつき始めたのだが、“何を考えているか分からない”と一掃されてしまった。



「恭平さん、この案件進めてしまって大丈夫ですか?」
「あぁ・・・いいよ」
「恭平さん、何かありました?何かいつもと雰囲気違いません?」

新たな投資案件を持ってきた後輩との打ち合わせ。話を聞きながらも、どこか上の空なのは否めず、後輩からの指摘で我に返った。

「え?そんなことないよ。それよりも、この話ありがとうね。とりあえず、まとまったら連絡もらっていい?」
「分かりました。後で資料送りますね」

打ち合わせを終えて外に出ると、秋晴れの清々しい空気が流れている。

「どこかでランチでもするか」

時刻はまだ13時前だ。

他の人に言っても中々理解してもらえず、“暇そう”と思われがちだが、仕事をする時はしている。

しかし僕の場合、人との打ち合わせ以外、基本的に自由だ。服装も滅多にスーツなんて着ないし、はたから見たら不思議なのは分かる。

—何を考えているから分からない。

そう由奈に突き放されたのも納得なのだが、どうしてももう1回チャンスが欲しかった。

ポケットから携帯を取り出すと、新着LINEが入っている。“由奈かな”と期待したものの、差出人は彼女であるアキだった。


彼女vs新たな気になる女。モテる男の決断は?

—アキ:恭平、この後何やってる?お茶でもしない?

『アキが“お金持ちと付き合っている”と吹聴している』と由奈から聞き、正直会う気は失せていた。

別になんと言われても良いのだが、結局アキは僕の表面しかみていないのであろう。

それに比べ、パパッと会計を済ませ、アッサリ去っていった由奈。

今までにいないタイプで、僕の心は完全に由奈に傾きかけていた。

—恭平:ごめん、今日はちょっと忙しくて。
—アキ:恭平が忙しいって何?まぁいいよ、了解。

小さくため息をつき、僕は一人でランチをしようと『IVY PLACE』へと向かった。



よく晴れて空気が心地よい日だったのでテラス席にするかカウンター席にするか迷っていると、不意に背後から声をかけられた。

「あれ?恭平じゃん」

聞き慣れた声がする。振り返ると、圭二が立っていた。

「あれ?珍しいね、こんな時間にこんな場所にいるなんて」

圭二の主戦場は港区だ。相変わらずごっつい時計を身につけ、ちょっとギラついたオーラを放っている圭二。そんな彼はこの代官山で、昼間に会うと浮いているように見える。

「ちょうど良かったよ。恭平に連絡しようと思っていてさ」
「俺に?あ、そう」

何だろう。また変なビジネスの話か?面白い話ならば良いけれど、毎回色々な人がビジネスの話を持ちかけてくる中、8割以上は食指が動かぬような話ばかりだった。

「お前、どうせ暇だろ。飯まだなら、一緒にどう?」

半ば強引に圭二に押し切られ、僕たちは結局テラス席で向かい合いながら、水曜の昼間から男二人でランチすることになった。

「圭二が昼間から代官山にいるの、珍しくない?」

それは、何気なく発した言葉だった。しかし圭二の次の発言に、僕は思わず“へぇ”と声が出てしまったのだ。

「俺、世界中どこでも職場だからさ」


男の嫉妬と欲望。そして意外に狭い代官山で由奈に出会うのだが・・・

「恭平も、もっと世界に挑戦すればいいのに」

自分の中で、ある程度の暮らしを手に入れられたと思っている。そして何となく毎日が楽しく過ごせている以上、別に東京も世界も変わらない気がしていた。

海外に行きたいなら、好きな時に旅行で行けばいい。アメリカやフランスへ移住した知り合いもたくさんいる。

しかし、僕はそこまで海外への情熱はないのだ。

何故なら東京が、それも自宅界隈が世界で一番居心地が良いからだ。



「そっか・・・俺も海外は良いと思うけど、東京でいいかなぁ」

「なんで?」

圭二が怪訝そうな顔をしてこちらを見つめる。その奥には明らかに軽蔑と少し上から見ているのが見え隠れし、僕は耐え切れずにグラスに視線を落とす。

「だって純粋に、東京が好きだから」

本当に、これが答えだった。それ以上でもそれ以下でもない。

今の家からタクシーに5分も乗れば、流行の発信地である渋谷に着くし、タクシー10分圏内の場所に出向けば僕の生活に必要なものは全て揃うという環境である。

食事する場所や飲みに行く場所にも24時間すぐにアクセスできるうえ、綺麗で清潔。しかも友人たちに声をかけるとすぐに集まる。

世界のどこを見ても、こんないい場所はないだろう。

だが圭二はまだ納得いかないようで、引き下がらない。

「勿体ない気がするんだよなぁ。俺さ、新しい会社をベトナムに立ち上げるんだけど、そこにジョインしない?」

「ベトナムに?アプリ開発の会社でも作るの?」

「いや、不動産関連の会社。そこを拠点に、東南アジアを攻めようかなと思って。恭平、悪い話じゃないし、かなりアツい話だから考えとけよ。お前さ、そんなんで人生終わらせていいの?もっとギラギラと、上を目指さないと」

そう言うと、“じゃあ俺次があるから”と言って、伝票だけ持ってすぐに出て行ってしまった圭二。

—もっとギラギラ、上を目指す・・・

圭二が最後に言った言葉が、頭の中でグルグルと回る。自分は欲が足りないのだろうか。

昔はあったはずの欲望や情熱を、どこかへ置いてきてしまったのだろうか。

海外は、昔はいつか住みたいと思っていたけれど、最近そんなことすら考えていなかった。

ぬるま湯に浸かりすぎたのか、それとも全てを手に入れてしまい、挑戦することが怖くなっているのか・・・

秋の日差しが、眩しいほどに僕を照らしつける。

クラクラとしてきて、目を細めて手を太陽の光にかざしてみる。指の間から、太陽光がこぼれ落ちてきた。

「綺麗だなぁ・・・」

しばらくそんなことをしていると、蔦屋書店の方から、一人の女性が手を振っているのが見えた。

「恭平さん!!」

太陽の光で目が眩んでおり、ぼやっとした輪郭しか見えない。しかしよく見ると、そこには由奈が立っていたのだ。

「恭平さん!何やっているんですか、こんな所で。お茶してるなら、私もご一緒させてもらっていいですか?」
「も、もちろん」

ニコニコと僕の隣に座る由奈。偶然会えるなんて、ラッキーな日だ。

「あれ?今日は恭平さん、ニコニコしてますね」
「そう?いつもだよ」
「なんか、珍しく微笑んでるから」

由奈の顔にも、秋の日差しが眩しいくらいに当たっていた。

しかし、そんな僕たちの姿をアキに見られており、そしてここからアキの嫉妬による復讐が始まることを、僕はまだ知らなかったのだ。


▶NEXT:10月28日 月曜更新予定
恋愛も仕事も“勝負の時”のネオシブ男子。アキの復讐とは・・


▶明日10月22日(火)は、人気連載『夫の反乱』

夫から溺愛され、好き放題にやってきた美人妻・めぐみ。最近夫の様子がおかしいことに気づき…。夫を大切にすることを忘れた妻の行く末は?続きは、明日の連載をお楽しみに!













東レデート
詳細はこちら >



関連記事

東京カレンダーの他の記事もみる

あわせて読む

主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

トレンド アクセスランキング

ランキングの続きを見る

トレンド 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索

トップへ戻る