恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。

仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。

しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。

どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

シリーズ最終回である今回は、既読スルーだったのに、2年後に交際OKを貰えたワケとは?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が、解けただろうか?



俊明に出会ったのは、約2年前の事だった。

女友達と『R2 SUPPERCLUB』で飲んでいる時に声をかけてきたのが彼だったのだが、当時はチャラくて、彼から連絡がきても全く食指が動かず、既読スルーした記憶がある。

しかしそんな俊明と、3か月前に開催された食事会で再会したのだ。

「あれ?どこかで会ったことあるよね?」
「多分・・・LINEって繋がってましたっけ?」

最初、会っても思い出せなかった。だが話していくうちに、どんどん記憶が蘇ってくる。

「そうだ!あの時の!“手相見れるよ〜”とか言っていた人だ(笑)」
「え、俺そんな事言った?最悪だね(笑)嫌な思いさせたらごめんね」

当時の俊明は、女友達に対しての態度も最悪だったし、“お食事会要員”にすらならなかった。

けれども2年の時を経て、彼はだいぶ変わった。いや、それどころか二人でデートをしたら、彼の魅力にすっかりハマってしまったのだ。


これをデート中にされたらイチコロ♡女心が揺れ動いた行為とは

解説1:紳士的で、デート相手である女性のことをしっかり考えてくれている点


—俊明:リナちゃん、昨日は久しぶりに会えて良かったです!忙しいと思うけど、今度食事でもどうかな?

再会した翌日。早速俊明の方から連絡が来た。

どうしようかなぁと思ったものの、昨日話した感じも悪くなかったし、ちょうどこちらも彼氏と別れたばかりだ。

こちらの予定を提示して返信を待っていると、“おや?”と思った。

—俊明: 何系がいい?場所の希望はあるかな?
—リナ:和食かなぁ。場所は遠すぎない所であれば、お任せします♡

場所やジャンルなど、ちゃんとこちらの都合を聞いてくれるのは嬉しい。俊明を少し見直しつつ、私は彼が予約してくれた店へと向かった。

予約してくれたのは、『神楽坂 光石』という和食屋さん。内装やお食事が素晴らしいだけでなく、隠れ家のような雰囲気も素敵なお店だった。



「リナちゃん、また綺麗になったでしょ?」
「またそういう、適当なことを(笑)」
「本当だよ。この2年で、何か変わったことはある?」

お店選びのセンスが良いことにも驚いたが、何よりも彼は以前と少し雰囲気が変わった気がする。

「あの後に彼氏ができたのですが、つい先月別れたばかりで。だからこの前の食事会にも参加したんですよね」
「え!?そうなんだ・・・そっかぁ」

そう言うと、俊明は少し静かになった。きっと何と言うべきか悩んでいるのだろう。

彼のようなおちゃらけ系のタイプは、根掘り葉掘り聞いてくるのかと思っていただけに少し意外だった。そして、変に上から目線でアドバイスしてこないことも嬉しい。

「俊明さんは?未だに女性と毎日デートですか? 」
「どんなイメージだよ(笑)。僕の方は全く。仕事が忙しかったこともあるし、全然遊ばなくなっちゃって。彼女もいたけれど、あまりにも会えないから振られちゃったし」

これも、意外だった。もっと派手に遊んでいるのかと思ったが、どうやらすっかり落ち着いたようだ。他の女性の影がないと知り、安心感も芽生えてきた。

「そっか。大変でしたね」
「まぁそんなこともあるよね。今日は、飲もう!他に飲みたい物あったら、リナちゃん勝手に頼んじゃっていいからね」

—なんか、いい人だな。

素直にそう思った。ケチケチしておらず、デートの正解を心得ている彼。

そして食事も終盤に差し掛かった頃、“もう少し一緒にいたいなぁ”と思っていた私の気持ちを汲んでくれたかのように、俊明はさりげなく2軒目にも誘ってきてくれた。

「この後、どうする?もしまだ飲めるなら、もう1軒どうかな?」

行くか行かないかは別として、お世辞でもいいから2軒目か次の誘いはしてほしい。それがないと、“つまらなかったのかな?”と不安になるのが女ゴコロというものだ。

「いいですね!私もまだ飲みたいし」
「良かったぁ。そしたら、タクシーでホームの方へ戻りますか」

そして、ごく自然に神楽坂から私の家が近い六本木方面へ場所を変え、移動もきちんとタクシーを使ってくれた。

どうやら私は2年前、物凄く良い人を見落としていたのかもしれない。そんな風に思い始めた。

更にタクシーの車内でも、彼はきちんとしていた。

「リナちゃん、今付き合っている人いないの?」
「いたらここに来ないですよ。俊明さんは?」
「同じく」

恋愛対象に自分が入っているのか、そうでないのか。それも初デートで示してくれる。

この日は2軒目で帰ったのだが、ガツガツし過ぎておらず、ちょうど良い距離感だ。

既にこのデートですっかり心が揺れ動いていたのだが、次のデートで、私は完全に俊明に落ちてしまった。


女が完全に“落ちた”一言と、男の行為とは

解説2:駆け引きのないストレートな告白に、優しい言葉。


私たちはすぐに次のデートをすることになった。

西麻布交差点と外苑前駅の中間くらいにある、隠れ家の星つきレストラン『オルグイユ』が今回の舞台だ。そして私はこのデートで、彼のことを“好きだなぁ”と思ったのだ。



「素敵なお店ですね。って、あれ?そういえば、俊明さんの私服って初めて見たかも」

俊明は店に先に着いて待ってくれていたが、彼は私服のセンスが良かった。下手にブランドロゴが大々的にあるわけでもなく、品性を保ちながら清潔感もある。

「リナちゃんはいつも可愛いからね」
「また適当なことを・・・」

“褒めたら、褒め返す”。これは彼の文化なのだろうか。

だが決して嫌味ではなく、さりげなく褒めてくれる俊明の言葉に喜んでしまう。

「俊明さんって、本当にグルメですよね。お店もよく知ってるし」
「それがさ。実を言うと、うちの秘書がめちゃくちゃお店に詳しくて。ここも、秘書が取ってくれたんだよね」

—なんて素直な人なんだろう。

たまに自慢ばかりしてくる男性もいるが、俊明はそういうことは皆無だ。それに、彼の口から出てくる言葉はいつもポジティブで、一緒にいると幸せな気分になれる。

気分が乗ってきた私は、食事の中盤に、一番気になっていた質問をぶつけてみることにした。

「そう言えば、俊明さんって結婚願望あるんですか?」
「あるよー。前まで皆無だったけど、最近芽生えてきて」

どんなに素敵な男性でも、“結婚願望はない”とハッキリと言う人は、正直時間の無駄である。仮に相手が結婚願望のある女性ならば、希望を断ち切ってしまうため、すぐ次の男性を探すだろう。

だから俊明に結婚願望があると聞いて、私はホッとしていた。

「なんか俊明さんって不思議ですよね。真面目なんだか、不真面目なんだか分からないキャラで」

以前、私が“ナシ”と見切った時とは、全く違う顔を見せてくれた俊明。

女性が喜ぶポイントを心得ており、大勢でいる時に見せる顔と、二人きりの時に見せてくれる男らしい顔のギャップに、私は骨抜きにされかけていた。

更に最後に、最高の一言を私にプレゼントしてくれたのだ。

「リナちゃんって、本当に今彼氏いないのかな?僕さ、リナちゃんのことが好きなんだけど、良ければ付き合ってほしいなと思っています」

ストレートだけど、優しさのある告白。

大人になるにつれ、皆こじらせていく。だからこそ、こんなまっすぐな告白を受けて、私は思わず“ハッと”してしまった。

—もっと、素直でいいんだ。愛情表現は、好きな相手に対してもっとストレートにすればいいんだ、と。

「それ、本当に言ってます?」
「もちろん!すごい本気だし、将来のこともちゃんと考えてる」
「そっか・・・嬉しいな。私でよければ、お願いします」

外苑西通りの静かな夜。

さっきまで覆っていたのに、厚い雲はどこかへ行き、東京の夜空には綺麗な満月が輝いていた。



恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。

だが一見複雑に絡み合った恋愛でも法則があり、理由がある。だからこそ、その法則を制した者は、恋愛も制することができるのだ。

これまで出題してきた、100の問題。あなたは恋の難問を、いくつ解けただろうか?

そして今後、どのような難問が待ち受けているのだろうか・・・


Fin.


次週から「オトナの恋愛塾」はパワーアップして、新タイトルでお届けします。どうぞお楽しみに!