男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「いつしか妻が夫に背を向けて寝るようになった理由とは?」という質問。さて、その答えとは?



「健太、明日は何時起きだっけ?」

深夜12時。サイドテーブルに置いてあるハンドクリームを手に塗りこみながら、私は夫である健太に尋ねてみた。

「明日の朝はちょっと早くて…6時には起きるかな」
「OK。明日の朝はゆっくりしたいから、私は寝ていてもいい?」
「もちろん」

結婚して、早3年。夫婦生活は順調だし、嫌いになったわけではない。夫に対して好きという気持ちは変わらないものの、私は小さくため息をつきつつ寝室の電気を消す。

—はぁ。なんだかなぁ・・・

無意識のうちに、夫に背を向けて寝ている自分がいる。いつからこうなったのかは覚えていないけれど、私が夫に近づいて寝ないのには理由がある。

それを本人にハッキリ言うべきなのかどうか、いまだに答えが分からないのだ。


夫婦の間にできた溝。妻が夫と離れて寝る本当の理由とは!?

A1:汚いので、外出着のままベッドに上がらないでほしい。


健太とは、交際期間2年で結婚した。お互いの家を頻繁に行き来していたものの、完全に同棲はしておらず、一緒に住み始めたのは結婚してからだ。

結婚3年目ならば、まだラブラブな時期だろうし、そもそも健太を嫌いになったわけではない。

けれども、日々の行動のちょっとした出来事の積み重ねでだんだんと、寝る時くらいは距離を置きたいと思うようになってきたのだ。

例えば、あれは1年くらい前のことだろうか。珍しく酔っ払って帰ってきた健太は、私の名前を叫びながら寝室にやってきた。

「聡美〜!!!!ただいまぁ〜!!!」

当然その声で目が覚めてしまったのだが、私がとにかく気になったのは、彼の帰宅が遅いことでも、酔っ払っていることでもない。

外で飲んできた服装のまま、ベッドにダイブしようとした点だったのだ。



「ちょっと健太!一体何時だと思ってるの?今まで何してたの?」

慌ててそうたしなめつつ、彼が丸一日着て、しかも飲みにまで行っていた服でベッドに入ることを全力で阻止してみる。

私が生理的に受け付けない点は、こういう概念の違いにあった。

私はとにかく、ベッドの上に一度でも外へ着て行った洋服で上がられることが本当に嫌いである。不潔だし、寝る場所はとにかく清潔さを保ちたいと思っている。

だがそれは男の人だからなのか、それとも健太だからなのかは分からないけれど、平気で外着のままベッドに上がってこようとする。そんな彼の神経が、本当に理解できないのだ。

「ご、ごめんなさい・・・飲んでました・・・」
「明日、私は朝が早いんだから。あと外に着て行った洋服のまま、ベッドに上がってこないでよ。汚いから早く着替えてシャワーだけ浴びてから寝てよね」
「すみません・・・」

ただし、健太の良いところは一度言うと素直に聞いてくれるところだ。この日を境に、彼は酔っ払って帰宅しても静かに帰ってくるようになったし、シャワーを浴びてから寝るようになった。

—良かった・・・

しかしそう思っていたのも束の間。徐々に、一緒に寝ること自体が窮屈に感じるようになってきたのだ。


妻が“夫と一緒に寝たくない”と思ったリアルな事実とは?

A2:お互いの快適温度が違いすぎるため、一人でゆっくり自由に寝たい


前々から、夫婦で一緒に寝ることの弊害はあった。イビキ問題はもちろんのこと、例えば彼が朝早いと、どんなにゆっくり眠りたい日でもその時間には起きてしまう。そうやってスケジュールが狂ったりすることはたびたびあった。

だが、それ以外にも大きな問題があったのだ。

あれはつい先日のこと。その日は真夏日といえる暑さで、夜まで室内は熱気に包まれていた。

「5月でこの気温って、異常気象だね」
「本当だよ。今年初のクーラーだね」

そんな事を話しながら、クーラーをつける夫。しかし彼を横目に、私はしっかりと着込んでいた。

「・・・って、聡美暑くないの?」
「うん、寝る時は温かくしたい派だから。でもクーラーを消すと、健太はすごい汗かくでしょ?」

そう。夫婦で致命的に、冷暖房の温度設定が合わなのだ。

健太は暑がりだが、私は寒がり。夏でも体を冷やさないようにして寝たい私とは対照的に、彼はとにかくキンキンに冷えた部屋で寝るのが好きなようだ。

逆に冬は、乾燥が気になるため暖房をつけっぱなしにしたくないのに、健太は朝まで暖房をつけ、暖かい部屋で寝るのを好む。

「たしかに。昨日とか汗やばかったもんなぁ」
「朝、ちゃんとシャワー浴びてから会社に行ってね。しかし代謝が良くて羨ましいわ」

そして、ここに問題があった。

温度の視点から見るとクーラーを消して寝てほしいものの、健太は寝汗がすごいのだ。

そうなると加齢臭とまではいかないが、男性っぽい匂いが強くなる。(一緒のベッドだと、案外枕とか布団からする相手の匂いは気になるものだ・・・)。だから少しでも彼の汗の量を減らすには、私が我慢をするしかない。

しかも一番厄介な点は、それを本人に言えない点にある。匂いは本人の責任ではない上、どうしようもない。言ったら傷つく可能性もある。

結果として、自分が我慢するしかないのだ。



「ねぇ。夫婦の寝室が別ってどう思う?」
「え?い、いいかもだけど何か寂しくない・・・?それにそんな部屋、この家にはないし」
「そうだよねぇ」

ある日テレビを見ながら、問いかけてみた。だけど健太の言うとおり、夫婦二人しかいない我が家にもう一つ寝室を設ける広さもない。

そんなことははじめからわかってはいたけれど、思わず本音が口から出てしまったのだ。

寝具に対する潔癖具合の不一致や、スケジュールの不一致。それによって生じる寝不足。

色々な事が積み重なっていた上、汗っかきの夫とは極力離れて寝たいと思うようになってしまった。

何度も言うが、嫌いになった訳ではない。だがくっついて寝たいとは思えなくなっているのが、正直な気持ち。

夫婦である以上、一緒に寝るのはスキンシップの面からしてもきっといい事だろう。けれども誰にも邪魔されず、自分の快適な温度と湿度で、そしてお気に入りのリネンでゆっくりと寝たい・・・というのが本音なのだ。

—独身時代、一人で自由に気ままに寝られていたのって最高に贅沢な時間だったのだなぁ。

そんな事を再認識している。


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彼の家にお呼ばれした女が、振られた理由とは