男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマはたった1回のデートでNGを食らったのはナゼ?という質問。さて、その答えとは?



泰造と出会ったのは、半年ほど前に開催された、友人のお店のオープニングパーティーだった。

その時私は、女友達と一緒に参加をしていた。そして泰造の友人も含めて、皆で仲良くなったのがはじまりだった。

「こちら、泰造さん。色々な事業を展開されている方だよ」

パーティーの後、友人からそう紹介されたが、泰造は優しそうな雰囲気を醸し出しており、女性陣はみんな興味を持っていた。

「へ〜。例えば何をされているんですか?」
「いや、色々だけど・・・地方の再生事業とか諸々。コンサル関連が多いかな」
「すごいですね!!」

その後、彼の方から誘ってきてくれたものの、出会った当時私には彼氏がいたため、二人でのデートが実現することはなかった。

ところが、その半年後。彼氏と別れてからタイミング良く連絡が来て、泰造とデートをすることになったのだが、このたった1回のデートで生理的に無理だと思ってしまったほど、とにかく最悪だったのだ・・・。


1度きりのデートで男がやってしまった大失態とは!?

A1:“行きつけのお店”自慢。女からするとそんなにもテンションは上がりません


初デートの場所は、彼が行きつけだというカウンターのイタリアンだった。

「いや〜愛理ちゃんと二人で食事へ行けて嬉しいよ」
「本当ですか?泰造さんから久しぶりに連絡が来て、ビックリしました」

最初からストレートに褒めてくれるのは嬉しかったのだが、だんだん私の中で疑問が生まれ始めた。



「ここさ、行きつけのお店だからシェフもスタッフもみんな仲良くて。あ、田中くん!こちら愛理ちゃん」

彼の“行きつけのお店”には、全部で8名くらいしか入らない。狭い店内に、泰造の大きな声が響きわたる。

「こんばんは。泰造さん、ものすごく綺麗な方連れていますね・・・ゆっくり楽しんで行ってくださいね」

大声で呼ばれて慌ててやってきた店員さんはいい人そうで、褒めてくれたものの、彼からするとそう言うしかないだろう。

「さすが。泰造さんって顔が広いですね」
「いやいや、全然だよ。さて、ここのお店に来たらこの“シェフズスペシャル”は絶対食べた方がいいから、それ頼んじゃうね。あとこれも食べて欲しいなぁ・・・」
「全部美味しそう!お任せします♡」

—何だろう。この“俺の店”って感じは・・・

だがすぐに、“別に悪いことではない”と考え直すことにした。美味しいものを勧めてくれるのは、きっと常連さんならではの良い行動だから。

けれども、食事を進めていくとさらに彼の行動は鬱陶しさを増していく。

「ここのシェフが作る料理は美味しいからね〜。どう?」

—もう少し、静かに食事をさせてもらっていいですか?

「美味しいでしょ?」
「本当だ!!美味しい!!」

一口食べるたびに、泰造は反応を求めてくる。ちゃんと私もリアクションしていたが、だんだんと疲れてきた。

「でしょ?シェフ、美味しいってさ」

しかもまた大声で、シェフに話しかけている。

他のお客さんの料理を一生懸命作っている最中なのに、お構いなしに“常連感”を見せつけたい感が満載である。

—あれ?なんだかこの人って・・・・

その疑問は、2軒目に移動する前に明確になったのだ。


一回目のデートで、女がアッサリ帰宅した理由とは

A2:ペラい。男なのに、色々と人の噂話をしすぎ。


私の中で徐々に疑問が膨らんできた矢先のこと。会話は、出会ったパーティーのことになった。

「そう言えば。出会った時のパーティー、愛理ちゃんは誰の知り合いで呼ばれたの?」
「私はあのお店の社長さんと知り合いで」
「そうなんだ!そこ繋がっているんだね。俺すごく仲が良くてさ」
「さすが泰造さんですね〜」

適当に相槌を打つが、実は私はそこの社長とけっこう仲が良い。だが泰造のことを、その社長は“ただの知り合い”としか認識していなかった気がする。

「この歌手の子とかも知ってる?そことも俺、仲が良いんだよね。あと、最近売れているこの俳優の子とか」

そう言って、次々と有名人の写真を見せてくる泰造。私は口が固いからいいものの、これをミーハーな人達に見せたらどのような反応をするのだろうか。

きっと“すごい!”とか“泰造さん、有名人とお知り合いなんですか?”とかいう反応が欲しいのだろうが、プライベートの写真を勝手に公開されている芸能人の人達が可哀想である。

「お名前は聞いた事があるかもです。本当に泰造さんって、有名人のお知り合いが多くてすごいですね!」

その場しのぎで答えたけれど、心の中ではすっかり呆れていた。

—あれ?この人やっぱり面倒かも?

しかも泰造は、無意識のうちにこの行為をしているようだ。本人は、自慢げではあるが悪気は一切なさそうである。

「愛理ちゃん、この後時間はあるのかな?もう1軒行かない?」
「いいですよ。どこ行きますか?」

面倒だなと思いつつ、断ったら更に厄介なことになりそうなので、とりあえず行くとは言ってみた。しかしこの後、“どうしても無理!!”と思ってしまったのだ。



外へ出ると、夏の夜のうだるような暑さに耐えかねて、近距離だがタクシーに乗る事にした。

「さっきのお店、どうだった?」

そしてタクシーの中で、泰造に聞かれた質問に返答をしようとした、その時だった。

「ここだけの話、あの店員の子最近フラれたからちょっと暗かったでしょ?(笑)」

—え・・・??また人の噂話ですか!?

ここまでくると耳を塞ぎたくなってきた。永遠に続く人の噂話には、もうウンザリだ。

「そうなんですか?全然分からなかったです。でも本当に素敵なお店でした!さすがだなぁって思いましたよ」

たった1回しかデートをしていないが、気がついたことがある。

この人はきっと、男として自分に自信がない。もしくはモテてきていない。

だから、自分が中心にいられるようなお店に行きたがる。

安全パイの行きつけのお店で縄張りを守り、しかもそこで常連客である事をアピールし、一緒にいる人や、お店に来ている人の中でも優位に立とうとする。

知り合い自慢も同じこと。

自分に自信がないから、有名人の名前を出してその力(女性がキャーキャー言う力)を借りるしかないのだろう。

だけど、一体この人は何に対して勝負を仕掛け、そして誰に対して勝とうとしているのか、さっぱり理解できなかった。

「ごめんなさい!ちょっと今日はもう酔っぱらっちゃったみたいで・・・やっぱり帰ろうかな」
「え?ここまで来たのに!?」
「すみません」

もはや一緒にいるのも嫌になり、私は早々にタクシーを降りて切り上げた。

悪口を言う人には関わらないのが一番である。そして何よりも、誰かの話題をすることでしか話が持たない人なんてつまらない。

「あ〜面倒くさいデートだったなぁ・・・」

タクシーを降りると、ドッと疲れが押し寄せてきた。

—自分の話題で、勝負をすればいいのに。

どんなに話が面白くなくても、永遠に人の噂話をするようなペラい男よりはマシである。



ちなみに、東京・・・というよりも港区は狭い。また女子の方が意外な人と繋がっている可能性も高いため、迂闊に人の悪口や噂話は言わない方が賢明だ、ということを彼に教えてあげたいと思った。

だって泰造が自慢げに見せてきた俳優の男の子は、私の男友達だから。


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調子に乗った女のミス