思いもよらず、家にいることが多くなった2020年。いま、毎夜外食を謳歌していた男はどう過ごしているのか。

日常を覗くと、その舌は意外なほどに満たされていた。なぜなら彼は、在宅史上最高の食生活を送っていたのだから。



意外と馴染んだウェブ会議……。模索しながら生まれた新たなライフスタイルも悪くはない。

元通り、というわけにはいかないが、東京に少しずつ活気が戻ってきた。以前とは少し変化した日常生活にも慣れてきた。

朝7時半に起きて、少し走って、なじみのコーヒー店に寄り、日に1〜2度はウェブ会議。

スーツの代わりに仕事中に着るのは、天然素材のちょっといいTシャツ。自由で効率がいい反面、自分を律する必要もあるけれど、これを着るといいテンションになれる。


そして、仕事を捗らせるためには、モチベーションを上げる何かが必須。俺の場合、以前もいまも、それは変わらず〝美食〞だ。

恵比寿には名店のテイクアウトが数多ある。その中でもリピートしているのは『鍈輝』の焼き鳥弁当だ。



ご飯にのるのは、つくね、かしわ、ぼんじり、半熟うずら卵、粗挽き塩そぼろ、ししとう、アスパラ。通常営業と同じく店主が丹念に焼きあげ、炭に燻された香りが食欲をそそる。


オンライン飲みでセンスの良さを醸すお酒とつまみとは?


現状、友人たちに会おうと思えば会えるが、オンラインで飲むのがなんだか気に入ってしまった自分がいる。

同じ空間にはいないが、お互いが家にいるから素を見せ合っているようなユルさ。終了時間を決めないといつまでも続けてしまう。

夜8時、今日もなじみのバーで調達したいい酒とつまみを傍らに仲間と乾杯。



表参道の『TOKYO Whisky Library』は約1,200種類ものウイスキーを揃えるバー。

4月末からウイスキーのテイクアウトおよびデリバリーを始め、レアなボトルを手頃なサイズで購入できるようになった。


最近の楽しみはソーダマシンでハイボールを作ること。喉越しのいい強炭酸がウイスキーの香りを高める。ペットボトルのゴミが減るのもいい。

友人たちと報告し合うようなことは特にない。ただ、互いが何を飲んでいるかとか、最近面白かった映画の話とか、すべてがさもない日常のこと。心地よく酔えて気づけばもう夜12時。

約束通り切った瞬間、あれ、寂しい。思わず女友達に「おやすみ」のLINEを送ってしまった。そして、久しぶりの外食の誘いも。


■衣装
Tシャツ¥14,000〈ヴィンス/リエート TEL:03-6804-1224〉、中に着たTシャツ(白/2枚セット)¥1,900〈フルーツ オブ ザ ルーム/FTLジャパン TEL:03-6303-4710〉、パンツ¥18,000〈エバーラスト/サードオフィス TEL:03-6825-8501〉、靴下¥2,500〈ソフ TEL:03-5775-2290〉、シューズ¥28,000〈ニューバランス/ニューバランス ジャパン TEL:0120-85-0997〉



店主を名店での修業時代から知っていて、独立後は月イチで通っている。

超予約困難店だがお弁当ならハードルも下がり誰でも食べられる。

蓋を開ければタレと炭の香りが鼻腔をくすぐり、肉の旨みを予感させる香りも漂う。

そして、たまらず頬張る。旨い!噛むごとに味わいが広がる。このひと箱が俺の家を天国にした。