男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?



それは、よく晴れた夏の昼下がりのことだった。

「ごめん梨沙子。別れたい」

外苑前にある気持ちの良いカフェで、携帯をいじりながらキンキンに冷えたアイスラテを飲んでいると、翔平は遅れてやってきた。

そして慎重な面持ちで、そんな事を言い始めた。

「は・・・??」

アイスラテの冷たい感触が、喉の中をスーッと流れていくのを感じる。

「え?ごめん。理解できないんだけど。だっていつか結婚しようと言ってたじゃない!」

食い下がってみるものの、翔平の決心は固いようで全く聞く耳を持たない。

「梨沙子には、他にもっといい人がいるよ。僕みたいなヤツじゃなくてさ。とにかく、もう梨沙子とは付き合っていけなくて」

皆に写真を見せれば“イケメン”と言われ、背も高くて高収入で、まさに完璧な彼氏だった翔平。

モテる事は知っていたが、私と交際してからは浮いた話の一つもなく、まっすぐに向き合ってくれていた。

結婚まで考えていたのに、どうして翔平は私から離れていこうとしているのだろうか・・・?


結婚まで考えていた女が、ある日突然振られた理由とは?

Q1:女友達に紹介した際に、男が気になった点は?


翔平と出会ったのは、2年前の食事会だった。

男性側は外資系金融マン、そして女性側はモデルの友達などを引き連れての会は、かなり華やかなものだったが、そんな粒揃いの中、翔平は私を気に入ってくれたのだ。

モデルでもなんでもないが、一応昔から“美人”だと言われてきた。ある程度外見には自信もあるけれど、翔平が私を選んでくれたのが何よりも嬉しかったことを覚えている。

そして数回デートを重ね、彼からのアプローチで交際に発展。

そこから、振られた日に至るまで、交際期間は実に2年にわたる。いつも優しく、自慢の彼氏だった。



あれは、私の友人に初めて翔平を紹介した日のこと。

「え・・・!?噂には聞いていたけど、本当にイケメンで素敵だね」

待ち合わせ場所のレストランにやってきた翔平を見るなり、友人たちも一気に色めき立つ。そんな友達を見て、私は鼻高々になった。

「いやいや、それほどでもないけど・・・良かったね、翔平」

謙遜してみるものの、贔屓目に見ても彼はカッコイイ。翔平も言われ慣れているのか、遠慮がちにしつつもきちんと対応している。

「いや、恐縮です。梨沙子の友達の皆様も、お綺麗ですね」

歯の浮くようなセリフもサラリと言える翔平。だがそれが彼の良いところでもあり、悪いところでもあった。

「またそうやって適当なことを言う。翔平はいつも調子がいいの。だから勘違いされやすいんだよねぇ。この前も変な女の子に追いかけられていたし」
「変な女の子って(笑)あの子はいい子だよ・・・ってごめん梨沙子、拗ねんなよ」

みんなの前でちょっと拗ねてみせると、女友達からはすかさずヤジが飛ぶ。

「何それ、ノロケ?にしても本当に素敵な彼氏だね。羨ましい!」
「こんな人が独身で、しかもこの東京に残っていたなんて奇跡だわ」

口々に称賛され、私も翔平も嬉しかった。その後も翔平は、私の女友達にあわせて上手く会話をしてくれていた。

しかも飲み物がなくなったらすぐにフォローするなどの気遣いまで完璧で、心底惚れ直してしまった。

「翔平さんって本当に完璧な人だね。梨沙子、マジで離しちゃだめだよ」
「天然記念物並みにいい男だね」

女友達のこれ以上ない絶賛っぷりに、私はさらに決意した。絶対に彼を離さない、と。

だから一生懸命努力もしていたし、翔平にふさわしい女性になれるよう常に意識を高く持っていた。

そんな私に、彼もぞっこんだったはずだ・・・。


女が絶対にやってはいけなかった事とは?

Q2:男がどうしても嫌だったことは?


しかも私達の関係は、仲間内でも公認の仲だった。私の友達にも紹介していたし、翔平の仲良しの男友達のグループにも、私はすっかり馴染んでいたはずだ。

何故なら翔平は、友達と遊ぶ場によく私を連れて行ってくれたからだ。

「梨沙子、さっきタカシに捕まっちゃって外で飲んでいるんだけど、こっちに合流しない?」

あるとき、仕事を終えて翔平の家へ寄ろうとしたら、彼からそんな連絡がきた。

合鍵を持っている私は、一旦彼の家へ行って荷物を置いてから、翔平と彼の友人・タカシが飲んでいるお店へ合流することにした。

だが、翔平の家へ着いて愕然としてしまった。キッチンの上に食べかけのポテトチップスが、袋の口が開いた状態でそのまま放置されていたのだ。



「ちょっと翔平、いつも食べ物はちゃんと片付けて、って言ってるよね?」

翔平達と合流し、私は耐え切れずに翔平に文句を言う。何故ならば、これが初めてのことではなかったからだ。

何度言っても、翔平は“後で片付けるから”と言って、食べ物を食べかけで放置する癖がある。

「ごめんなさい・・・」
「何度も言ってるじゃん?虫が来たら嫌だし、ポテチくらいちゃんと捨ててよ」
「大丈夫だよ。高層階だし、虫なんて来ないでしょ」

二人で言い争っていると、友人のタカシがニヤニヤしている。

「本当、二人は仲がいいなぁ。羨ましくなるよ」
「いやいや、これはイチャついてるんじゃなくて、喧嘩です(笑)」

こちらは至って本気だったが、はたから見たらそう見えるらしい。

とは言えガミガミ言っても仕方ないので、とりあえずポテトチップスのことは忘れて、私たちはこの晩3人で楽しく飲み明かした。

「俺さ、こうやって友達の中に連れてきても馴染んでくれるような彼女が欲しいなぁ。あーあ、どこかにいないかなあ」

タカシは現在彼女募集中のようで、いい子を探しているらしい。飲みながらくだを巻き始めたタカシをなだめるかのように、翔平がフォローに入る。

「まぁ、その点は梨沙子に感謝だな。こうやって友人の輪の中に入ってきてくれるし、自慢の彼女だよ。いい女だし」

その言葉を聞いて、嬉しくなった。女にとって最高級の褒め言葉ばかりを並べてくれたのだ。私は思わず翔平の腕に絡みつく。

「いつもは何にも言わない翔平なのに、たまには良いこと言ってくれるね〜」
「いつも言ってるじゃん(笑)」



しかしこんなにも仲が良かったはずなのに、私は彼から別れを告げられている。

—ポテトチップスの袋のこと、ガミガミ言い過ぎた・・・?

つい先日まで、彼の中で私は“自慢の彼女”だったはずだ。それなのに、どうして彼は私のことを嫌いになったのだろうか?


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男が別れを告げた理由とは