男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「今日はまだ帰りたくないのに…」と言いながらタクシーで去った女が、男に求めていた行為



「朱莉ちゃんって、すごく可愛いよね。今彼氏は本当にいないの?」

最初に会った時、そう言ってグイグイ距離を縮めてきた啓二。最初のデートは盛り上がり、交際する直前まで進んだ。

「次はいつ会えるかな?」

初デートが終わってからもなお彼のテンションは下がらず、すぐに2回目のデートもした。

しかしこの2回目のデートで、彼の態度は突然変わってしまったのだ。

唯一考えられる懸念点としては、私がデート中に“汗を大量にかいていたこと”である。

せっかくのデートだったのに、外を歩いていたので暑くて、汗だくになってしまった。そのことに気をとられるあまり、彼がプッシュしてきてくれてもなかなか積極的になれなかったのだ。

夏場は特に気になる問題ではあるが、果たして本当にこれが理由なのだろうか?

一体あの時、彼は何をどう考えていたのだろうか・・・?


夏のデート中の大敵、汗問題。それを男は本当に気にしていたのか?

Q1:初対面で男が見落としていたことは?


啓二と出会ったのは、マッチングアプリだ。向こうから“いいね!”が来ており、プロフィールをチェックすると、まさに完璧な男性だった。

—年収良し、顔良し、趣味嗜好良し。

こちらも“ありがとう”を送り返し、見事にマッチングする。

こうしてチャットが始まったが、そこでも会話はポンポンとテンポ良く進んでいき、私たちはさっそく会うことになった。

待ち合わせの日、私は少し緊張しながら洋服もメイクも完璧にセットして、指定された「ザ・リッツ・カールトン東京」の45階にある『ザ・バー』へと向かう。



時刻は18時。バーの店内には、夜のいい感じのムードが漂い始めている。

「初めまして、朱莉です」

既にソファー席に着いていた啓二は、想像以上に爽やかな笑顔を向けてくれた。

「初めまして、啓二です。写真で見ていた通り、お綺麗ですね」

サラリと嬉しいことを言ってくれる啓二に、私は軽く一礼してから、彼と向かい合う形でソファーに腰を下ろした。

身長も高く、少し日に焼けた肌。体格も良くて、かなりカッコ良い。

最初は少しぎこちない時間が流れていたものの、コーヒーを飲み終わる頃にはすっかり打ち解け、そしてお互い年齢も近かったので敬語はナシで話すほどの距離感になっていた。

「朱莉ちゃんって、すごく可愛いよね。今彼氏は本当にいないの?」
「今は本当にいないよ。啓二くんは?」
「いたらアプリなんて使わないよ(笑)」
「そっか(笑)」

お互いそう言って、笑いあう。初めて会ったはずなのに、ずっと前から知っているような感覚に陥るほど息もピッタリだった。

「良ければ、この後このままご飯でもどう?近くにいいフレンチがあるんだ」

気がつけば、外はもうすっかり暗い。店内を見回すと、周囲は皆アルコールを飲んで良い雰囲気になっていた。

窓からは東京の輝く夜景が見えており、私たちの気分を高めてくれる。

「いいね。そうしようか」

こうして、最初は軽くお茶だけの予定だったが、結局一緒に食事まですることになった。

アプリでの出会いにおいて、初回でお茶だけのはずが食事まで行くという流れは、お互いの印象が良く、双方が“いいな”と思った証でもある。

そして彼が連れて行ってくれたフレンチもまた、とても素敵な雰囲気だった。食事中も、互いに好意があることがよくわかるような会話ばかりしていた。

「啓二さんって身長何センチ?すごい高いよね?」
「185くらいかなぁ。朱莉ちゃんもすごい目鼻立ちがハッキリしていて、美人さんだよね」
「全然だよ〜。ハイライト入れているからそう見えるだけじゃない?」
「そうなの?男から見るとわかんないよ」

あっという間に時間は過ぎ、この日は食事を終え、22時に解散した。

きっと、この初デートは問題がなかったはずだ。なぜなら、その後すぐに2回目のデートが確定したのだ。


2回目のデートで、男が気がついてしまった事とは!?

Q2:デート中、汗をかいていたのがやっぱりNGだった?


彼からの積極的な誘いにより、私たちはすぐに2回目のデートをすることになった。

この日は、夕方テラス席で飲んでから、お店に移動してディナーをする・・・という、完璧なデートプランを練ってくれていた啓二。

「夏のテラス席っていいよね」

「うん、気持ちいいよな〜。ちょっと暑いけど、最高」

都会の真ん中でリゾート気分を味わえる贅沢なひと時を、私たちは満喫していた。

しかし、問題はここからだった。

「せっかく天気もいいし、表参道を散歩しつつ店まで歩かない?・・・って、足が痛かったらもちろんタクシーでもいいけど」
「いいね。今日は歩きやすい靴だから大丈夫だよ」

そう答えた私がバカだった。

店を出た瞬間に、都会の熱気が一気にモワンと私たちを包みこむ。

あいにく午前中は激しい雨が降っていたせいか、想像以上に蒸し暑い夕暮れだったのだ。

—ヤ、ヤバイ。汗が・・・。

歩いているうちに熱気と湿度で段々と体温が上がり、汗が吹き出てくる。

周りは涼しい顔をしているのに、人より汗っかきのせいか私一人だけ汗だくである。洋服に汗ジミができていないかも心配だ。

「朱莉ちゃん、こっちだよ」

そう言って、笑顔で手を差し出してくれた啓二。だが手に汗をかいているのがばれたくなくて、私はさりげなくその手をかわし、笑顔でついていく。

—最悪だ・・・デートで汗だくな女ってどうなんだろう・・・。

こうして、ようやく15分後にレストランに到着した。



「ちょっとお手洗いに行ってくるね」

店へ着き、私はそそくさとお手洗いへ直行した。さっき汗をかいたせいで、汗ジミに加えて化粧の崩れが気になっていたのだ。

「あー・・・やっぱりヨレていたか」

鏡を前にして、私は大きくため息をついた。

夏場の汗は女の天敵である。

汗ジミだけでなく、化粧も崩れていく。流れたファンデやヨレてしまったアイライナーを引き直し、マスカラとリップも塗り直すなど一通り化粧直しをしてから私は席へと戻った。

「ごめんね、待った?」
「ううん、大丈夫。朱莉ちゃん、何飲む?」

隣に座る啓二が、メニューを持ちながらグッと体を寄せてきた。その距離感に、思わずドキドキしてしまう。だが同時に、パッと体を離す。

先ほど汗をかいたので、汗の臭いがしたら嫌だと咄嗟に思ったのだ。

「ご、ごめん」

慌ててそう謝るものの、啓二は少し驚いたような顔をしていた。

「ううん、こっちこそ何かごめん。あれ?そういえば横で座って飲むのって初めてかも・・・?」

そう言いながら私の顔をじっと見つめてくる啓二に、私も頷く。

「本当だね。今まで正面が多かったから、こんな距離が近いのは初めてかも。何だか緊張するなぁ♡」
「またまた。そんな可愛いこと言って」

涼しい店内のお陰で、さっき吹き出ていた汗はスーッと引いていった。

こうして、この日も私たちは楽しい時間を過ごし、最高のデートだった。

「朱莉ちゃん、今日もありがとう!」
「こちらこそ。今日もご馳走様でした。またすぐに」
「うん、またね」

しかしこのデートから、啓二の態度は分かりやすく冷たいものになってしまった。

—やっぱり、汗のせいで嫌われた・・・??

私は、この2回のデートで何をしていたのだろうか・・・


▶前回:「今日はまだ帰りたくないのに…」と言いながらタクシーで去った女が、男に求めていた行為

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男が見ていた、本当の部分はどこ!?