異性と出会い、デートをして付き合う。

そんな当たり前だった恋愛のルールが、新型コロナウイルスの出現で様変わりした。

いままでは「レストランや映画デートなどを3〜4回繰り返して付き合う」というのがスタンダードだった人も多いはず。

ではそれがこの時代に、一体どう変化しているのだろうか?

東カレ編集部が、インタビューを通して、その真髄に切り込む。

▶前回:「デート3回で20万が、相場だった」元外銀男の“新しいデート様式”での悲惨な実情とは



港区女子と、昼間からの“変わったデート”にハマってしまった男


焼けた肌に白シャツが映える。爽やかに微笑む佐々木博人さん(仮名・32歳)は、外資系証券会社に勤めるエリートサラリーマンだ。

佐々木さんは数年前に“港区男子”として取材を受けてくれたことがあったのだが、その頃に感じた“ギラギラ感”とは相反するような爽やかなオーラを放っている。

「え?毒抜けました?コロナがあって生活が一変したんですよ。毎晩西麻布で潰れるまで飲んでいた俺も、さすがに自粛モードで。酒断ちして5kgも痩せましたから」

今回、リモートで取材に応じてくれた佐々木さんの背後には、清爽なオーシャンビューが広がっている。さながら海外のリゾートホテルにでもいるような優雅さだ。

「いいでしょこの景色。コロナ以前は会社のある六本木や飲みの場である西麻布からワンメーターで帰れるマンションに住んでたんですけどね。どうせ寝るだけしか使わないからって日当たりも眺望も悪い部屋で。家で過ごす時間が増えたので、サクッと引っ越しちゃいました」

41階、1LDK80平米、家賃40万円、東京湾・レインボーブリッチビュー。一人で住むには贅沢すぎる環境だ。

「港区女子には芝浦は港区じゃないだの埋め立て地なんて嫌だの馬鹿にされますけど、ぶっちゃけ最高です。六本木までタクシーで10分なのにこの景色、芝浦くらいしかないですよ」

「あ、そうそう。聞いてくださいよ、自粛開けに港区女子と“変わった場所”で遊んだんですよ。そしたらマジ最高で…、ハマっちゃっいました。それで俺、改心したんです」


西麻布で飲んだくれていた男がハマった“変わった場所”とは…?

エリートサラリーマンと港区女子が電車に乗って大自然へ…?


「緊急事態宣言が出されて、西麻布でウェイしてた奴らも結構ビビって引きこもってたんですよ。そんな生活が1ヶ月続いて、さすがにみんな疲れてきて。インスタで自炊投稿を続けていた港区女子から、自粛辛い、早く遊びたいね、なんて連絡がチラホラ入るようになりました」

佐々木さん自身も、家で自炊を試みたり、筋トレに精を出す生活を送っていたが、元々365日飲み続けていた自他共に認める遊び人。人と関わらない生活は精神的に辛いものがあったそうだ。

「街が活気を取り戻しても、以前のように大人数で飲むのは気が引けて、人混みは避けたいし自然に癒されたいよねって話になったんです。そしたら港区女子が“そうだ、高尾山行こう”って言い出して…」

夜中に適当に合流してテキーラを一気しながらカラオケを楽しむような相手。ほぼ記憶もなく、素性もわからなかったそうだ。

「でも、高尾山いいなって思って。電車に乗って山登りってやばくないですか?面白そうだったんで、有給取ってノリで高尾山デートすることにしたんです」

平日は仕事帰りにスーツで飲み会へ、土日はゴルフ三昧。そんな生活を繰り返していた佐々木さんは、自宅のクローゼットを開けて私服の無さに驚いたと笑う。

特定の彼女を作ることもなく、女性と遊ぶのは平日の夜ばかり。私服を着て昼間からデートをする機会は、社会人になってから一度もなかったと遠い目をする。

上はゴルフ用のポロシャツ、下はラフなハーフパンツ。靴は30万円で落札したコレクション用に飾ってあったナイキ・エアジョーダン。仕方なくその装いで待ち合わせ場所の新宿駅に向かったそうだ。



「お互い大爆笑ですよ。誰?みたいな。いつもルブタンのピンヒールを履いてバチバチに決めてる姿しか見たことなかったのに、山登るからってTシャツ・スキニー・スニーカーで。いつもは高そうなバッグを持っているのにその日はリュックしょってて、そのギャップに不覚にもトキメキました」

お相手の港区女子リカさん(仮名・26歳)は、身長169cmの高身長モデル体型。Tシャツ・スキニーパンツ・スニーカーというラフな装いは、かえってスタイルを際立たせており、オフの日のモデルのようなオーラを放っていたという。

「明るい時に会うの恥ずかしい…と言って顔を隠す姿も可愛くて。いつも薄暗いところで会ってたから暗闇効果で可愛く見えてたと思ってたんですが、太陽光の下で見ても肌がツヤツヤで綺麗で驚きました」

京王新宿駅から特急に乗れば高尾山口まで47分で到着するはずが、間違えてJR新宿駅から中央線に乗ってしまったというトラブルも…

「電車なんて10年ぶりですから。しかも俺、武蔵出身なんで中央線沿いって結構思い出あるんですよ。そのことを話したら彼女も学生時代は中央線ユーザーで、実は光塩に通っていたという爆弾発言があり、めちゃくちゃ盛り上がりました」

リカさんとの思い出は酩酊時のカラオケばかり。話した記憶はほとんどなく、会話が盛り上がるか心配していたが、予想以上に楽しい時間を過ごせたそうだ。

ろくに勉強もせず大学もFランクだろうと、港区女子のことを内心見下していたという佐々木さん。

しかし、実際の彼女は中学受験で光塩に合格し、大学は上智、仕事は大手IT企業で営業をするバリバリの総合職。仕事のストレスを発散するために夜な夜な西麻布に繰り出していたのだ。

小4から日能研に通っていたこと、第一志望に落ちてしまったこと、中央線沿いで青春を謳歌していたこと…

「予想以上に共通点が多くてビックリしました。シラフでじっくり話してみないと人間なんてわからないものですね」

おじさんに貢いでもらったのだろうと思っていたブランドバックも、自分で稼いだボーナスで買ったものらしく、イメージと現実との大きなギャップに心を揺さぶられたという。


高尾山で思わず胸キュンしてしまった可愛すぎるアクシデントとは…?

自然はデートするにはぴったりの“ドキドキ吊り橋効果”の宝庫


高尾山に到着すると、太陽の明るい日差しと、眩しいほどの新緑が二人を歓迎した。

マイナスイオンに包まれ、美味しい空気を吸って、ただ歩いているだけでも心から癒されたそうだ。

「高尾山ってリフトがあるんですけど、それがボロくて狭くて、密着して座らないといけないし簡単に揺れるんです。なんだか遠足気分で、童心にかえったようにはしゃいでしまいました」

こんなに心の底から笑ったのはいつぶりだろうと、お互い感慨深かったという。

雰囲気の良いレストランや閉鎖的な会員制バーでは味わえないようなハプニングもあったらしい。

「山道を歩いてたら彼女が転んじゃって。思わず手を差し伸べたんですけど、そこから手を離すタイミングを失って…。いや〜あれはドキドキしましたね」

結局ドキドキしたまま手を繋いで山頂まで行き、ゴールする頃には完全に“好き”という気持ちが高まっていたという。

「彼女、早起きして『マルイチベーグル』のサンドイッチを買ってきてくれていて、山頂で仲良く食べました。経験したことがないような穏やかな空気が流れていて、あまりにも居心地が良くて、思わず口が滑っちゃいました。付き合おうって」

大人になるとなかなか味わえないような甘酸っぱいエピソードを聞かせていただき、思わず顔が綻んでしまった。

「あれから自然系のアウトドアにハマってしまって、明日も彼女と秩父のフォレストアドベンチャーに行く予定です。あ、実は新居で同棲してるんです。まじ、幸せです」



コロナを機に“夜の港区”から完全に足を洗ったという佐々木さんカップル。

コロナ禍という緊急事態に直面しても、悲観せずに新たな生き方を前向きに模索した結果が幸せに繋がったのだろう。

いつもとは違う場所に赴いたことで、いつもとは違った魅力を発見することが出来たというわけだ。

大自然と対峙すると、人は取り繕うことも忘れ、自然な姿に回帰してしまうのだろうか。

二人のキラキラした自然な笑顔を見ているとそう感じてならない。

色眼鏡で人を見たり、レッテルを貼り付けたり、イメージで判断してしまうことは往々にしてある。心も身体も頭も、全てをもっと身軽にして、フラットな状態で人と接することができたら、きっと運命は変わる。

〜灯台下暗し〜

運命の人は、既に出会っていて、すぐそばにいるのかもしれない。我々は皆、それに気付いていないだけなのだろう。


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