身長164センチ、
顔はお世辞にもイケメンとは言えず、
ファッションセンスも微妙。

“見た目45点”と言われる男…
その名も山田―。

彼は冴えなかった学生時代を経て、
メーカー勤務の営業マンから、カリスマ経営者に―。

なぜ山田は成功を手に入れたのか?

その“謎”を解く。


あなたの近くに”山田君”はいますか?

▶前回:俺、商社マンなのに…。告白して2日後にLINEでフラれ、他の男に取られたワケ



今回山田を語るのは、彼がメーカーから転職して働いていた、外資コンサル時代の同僚だった翠(みどり)。

“見た目45点”の山田の魅力とは・・・?


東京の最前線で戦う、28歳の女が言われてイラっとすること


「お前って、理想高そうだよなぁ……」

これを会社の先輩に言われたとき、ムっとして、目の前にあった赤ワインをぶちまけてやろうかと思いました。

だって当たり前でしょう?

東大卒、ミスキャンパス候補の経験有、そして戦略系外資コンサルファームのフロントに就職。

いまの私は、これまでの努力の賜物なんです。

だから絶対、自分を安売りなんかしない。

それは東京の一線で戦う、一定以上のスペックを持った女性たちなら、共感してくれるはずです。

…だからこの私と同じプロジェクトに、ウチの会社じゃ戦力外スペックな山田という男がアサインされるという噂を聞いたとき、思わずマネージャーにクレームを入れましたよ。

だって社内は東大や海外大卒、MBA取得者で溢れる中、山田は早稲田出身。しかも彼のTOEICスコア、450点なんですよ?

しかもクライアントは外資系で、気難しいことで知られていました。

…なのにマネージャーは、こう言ったんです。

「ああいう奴が必要になるときが、絶対来る」

はぁ?って感じですよね。思いっきりしかめっ面してやりましたよ。

私も全く納得していなかったんです、あの時までは―。


最初は全く眼中になかったのに…。山田の、凄まじい人間力とは?

それは私が7年目、彼は4年目の時のこと。

同じプロジェクトにアサインされた当初から、彼のことなんて眼中にありませんでした。デスクで聞く雑談も、学生時代はラーメン屋でバイトしてたとか、学生起業して失敗してるとか、そんな話ばかり。バカな男だと思いました。

だから初めから、全く近づきたくもなかったんです。それなのに、彼は初日から「翠ちゃん」って私のこと呼んで、隣に座る私にずっと話しかけてくるんです。

でも、働き始めてみたら、一気に裏切られました。

業務の要領をつかむのが物凄く早かったんです。振られた仕事を、あっという間にこなす―。

それに人から好かれるのも、信頼されるのも早かった。クライアントの社内承認がこういう理由で止まってる、とか、予算が追加になりそう、とか、そういう情報を誰よりも先に知っていたんです。

正直、悔しくてたまりませんでした。

東大卒で、男性社会の中では紅一点。しかも得意先からも社内からも”美人で仕事もデキる”と言われていた私が、あんな奴に負けるだなんて。

そう思っていた矢先…。私はとんでもないミスを犯しました。

その時期は、プロジェクトが佳境で、毎日終電過ぎまで働いていました。タイミング悪く、ずっと付き合っていた彼氏との喧嘩も重なり、私は心身ともにボロボロでした。



そんな中、クライアントの重役と会食の日、事件は起きました。

外国の方だから、帰国子女のお前の方が味の好み分かるだろってマネージャーに言われて、私が店の予約をしたんです。

意気込んで予約したのは六本木にある鉄板焼き店。ここなら、絶対にクライアントも喜ぶし、マネージャーからも評価される。

そう期待をしながら、当日、私と山田は先に店に向かいました。

「19時から予約した高梨です」

そう入口で言った途端、店員が不思議そうな顔をしたんです。

「少々お待ちください」と言いながら、手元のiPadを何回も確認している。待っているうちに、だんだんと不安が募りました。

「高梨様...来週の予約になっておりますが...」

その一言で、目の前が真っ暗になりました。そんな中、追い打ちをかけるような連絡がマネージャーから届きました。

「クライアント、もうお店に到着したって」


予約が取れていないのに、もうクライアントは店の前...そんな時、山田がとった行動

私の人生、もう終わりだ。

そう思ったら、どうしたらいいかわからなくなって、呆然と立ち尽くしてしまったんです。そんな私を見て、山田は急いで店の外に出て行きました。

「えーっと……。Can I…かな?Can I talk to you for a minute?」

力が抜けたまま後を追うと、山田が、入り口にいるクライアントに、大きな身振り手振りをしながら、笑顔で話しかけているんです。彼、英語話せないはずなのに。

そしたら、クライアントが急に大爆笑し始めて、山田の肩をポンポンと叩いたんです。

そこから、私たちはクライアントの行きつけのお店に逆招待され、無事会食を終えました。

翌日、私はマネージャーに会議室に呼び出されて、物凄く怒られました。



―山田がいなかったらどうするつもりだったんだ。

言われたことに、何も言い返せなかった。

どうして夜遅くまでこんなに頑張ってるのに、私は評価してもらえないんだろうと惨めな気持ちになって、気づいたら涙が出ていました。

マネージャーにも呆れられ、15分足らずでお説教は終了し、会議室を出ました。

そしたらタイミングよく、会議室の前を山田が通ったんです。スタバのコーヒーを2つ持って。

…いま思えば、タイミングよく通り過ぎたんじゃなくて、私が出てくるの、待ってたのかもしれないですね。

でも山田、信じられないんですよ。私の顔見て、笑いながら言ったんです。

「涙とか出るんだね」

思わず、「は?」と聞き返しました。そしたら、ふふっと吹き出しながら、続けたんです。

「翠ちゃんって、淡々と仕事こなしてて、隙が無いなーって思ってたけど、昨日のミスは涙が出るほど悔しいって思ったんでしょ、いいことじゃん」

「そりゃ私の経歴からしたら、あんなミス、ダサすぎでしょ...」

「…いつまでもそんなものにしがみついてる方が、ダサいと思うけど」


えっ、あの山田に…?ミスをカバーしてくれた山田に対して、美女の口から思わず出た発言とは

「いや、でも...」

そう言い返そうとしたところ、山田は被せるように言ってきました。



「翠ちゃんはさ、見た目も綺麗だけど、そういう負けず嫌いな性格が魅力だと思うよ。俺はそういう人の方が好き」

そう言われた途端、なんだか不思議な気持ちになったんです。

今までどんな男性も見た目とか経歴で判断してくるし、だからこそ自分もスペックで人を判断していた。

だから、ちょっとドキッとして、思わず「ありがとう」と言った後、どうしても、この人ともっと近づきたいと思ってしまったんです。

「ねぇ、今日ご飯行かない?」

勇気を出して言った後、山田から衝撃の答えが返ってきたんです。

「ごめん。俺、彼女がいて」

その瞬間、一気に、涙が引きました。

「そういうつもりじゃないわ。別にあんたなんか眼中にない」

そう言って、私は足早にデスクに戻りました。

本当、あぁいう男、大嫌いです。

誰にでも八方美人で人たらし。私の気持ちを傷つけてきた最低な男。未だに人たらしてるみたいですね。

ネットで騒がれてるの見ましたよ。女子アナの次は、若手女優。そうやって、どっちにも手を出すなんて、最低ですよね。

でも、なぜか、あんなに酷いことをされたのに、嫌いになれないんです。

「TOEIC450点」の山田のくせに。


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