日本で年収が1億を超える人の割合は「0.019%」と少なく、彼らに出会える可能性はかなりレア。

だがその男たちを射止めた女たちは実際に存在する。それは一体どんな女性なのだろうか?

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【今週のミリオネア妻】
名前: 愛莉
年齢: 38歳
職業: 大手メーカー勤務
夫の職業: 外資金融勤務
夫の年収:1億円


ゼミ同期での結婚


「私たち、結婚することになりました」

大学のゼミで同期だった達也との結婚が決まり、教授の研究室へ報告に行った時のこと。教授はこちらが驚くほどに大喜びしてくれたが、少し寂しそうな眼差しで見つめてきた。

―教授、ありがとう…。

当時、愛莉は心の中でそっと呟いた。

達也と付き合い始めた頃、「どうして愛莉なのよ」と周りの女子によくやっかまれた。達也はそのくらいよくモテたのだ。

性格は少年のように無邪気だが、それに不似合いなくらいがっちりと男らしい体格で、体育会に所属。また実家は裕福で、日本橋にある外資金融で働くことが決まっていた。

一方の愛莉は、「愛莉って、骨盤が大きくて安産型だね」と達也に言われるようなしっかりした体型で、顔も特別可愛い方ではない。

その上、三姉妹の長女だったので性格もしっかりしており、大学生の頃から30代に間違われることもしばしばあった。正直、モテるタイプではなかったのだ。

そんな愛莉が達也のような男と結婚できた理由は、強かさと努力、そして“協力者”がいたからだった。


周りからも羨む男を手に入れた、愛莉の恐るべき戦略とは…?

達也は愛莉と付き合う以前、女子大に通う彼女がいた。だが大学4年生の夏の終わり、愛莉は彼女から達也を奪ったのだ。

「俺たち、付き合ってみようか」

深酒をした翌朝、一緒のベッドで目覚めた愛莉に向けてそう言ってくれたのを未だ鮮明に覚えている。

―やったわ。ついにこの時がきたのね…!

実は1年前から、愛莉は密かに達也を狙っていた。

“達也を狙う”と決めたのは、当時付き合っていた教授と別れたことがきっかけだった。


関係に溺れていた愛莉への忠告


教授との出会いは、大学で講義を受けたことがキッカケだ。

大手広告代理店でコピーライターの仕事をしていた彼は、机上の空論を唱える他の教授とは違い、学生の間でも大層人気があった。

課題が毎週あり、そのやりとりをしていくうちに仲が深まっていった。そしてクラスの何人かで飲んでいる時、教授が神経質そうにタバコを扱う姿に大人の色気を感じてしまったのである。

―どうしよう…この手に抱かれたい。

そして2人になった帰り道。チャンスだと思い愛莉からキスをして仕掛けたのだ。

だが関係が始まって1年ほど経ったある日、突然電話がかかってきた。

「あの、私、慶明の家内です。何が言いたいか分かりますよね?」

―こんなドラマみたいなワンシーンが、自分の身に起こるなんて…。

いたって冷静にそう思ったことを、未だに記憶している。

「誰か1人にでも気がつかれたら、終わりにしよう」

教授との初めての夜、そう言われたことを覚えていたので腹は決めていた。

『奥様から電話かかってきたよ、もう終わりにしよう』

メッセージを送ったらすぐに電話がかかってきたが、出る気になどなれなかった。いざその時になると、寂しくて仕方がなかったのだ。



何もかもどうでもよくなる、とろけるようなキス。大事なものを壊さないよう、丁寧に触れてくる手つき。

教授は愛莉を、何度も何度も抱いた。

刺激と癒しを兼ね備えた教授との夜は、愛莉にとって大切な時間だった。

未来がないのは分かっていたが、改めて失うと寂しい。

いま思うと失って寂しいのは教授ではなく、一緒に過ごすベッドでの時間だったかもしれない。だが当時はとにかく、辛くて仕方がなかったのだ。

―この人を利用出来ないものか…。

もう二度と抱かれることはないと分かっていた。だからこそ、その寂しさは怒りへと変化し、思いついたことはただ1つだった。


二度と抱かれることがない人にお願いした内容とは・・・?

数々の努力で手にした男


当時教授のゼミに入っていた愛莉は、関係が終わるときにこう言ったのだ。

「ゼミ内で、教授が思う1番優秀で将来有望な人との仲を取り持って」

既婚者との恋愛は懲り懲りだから、将来を見据えたまっとうな付き合いがしたい。そう告げると教授は少し寂しそうな表情を見せながらも、その要求を受け入れた。

そして挙がった名前が、達也だった。

当時の達也は、「ワークライフバランスが大切だからメーカーかな」と言っていた記憶があったため、本当に将来有望なのかと懐疑的になったが、教授曰く彼は外銀のインターンに行って考えが変わり、そしてその会社に内定が出ているとのことだった。

「彼、いいよ。僕に任せて」

そしてすぐに実行に移してくれた。教授指名で、ゼミ長に達也と愛莉を指名したのだ。

ゼミ長として一緒の時間を過ごすうちに、彼の好きな女性のポイントを探ってそのように振舞ったり、差し入れをしてさり気ない気遣いを見せた。

また興味のない映画でも、それを達也が好きだと知ったら見るようにしたり…。それはもう、涙ぐましい努力をしたのである。



あとはもちろん、ダイエットも頑張った。

糖質制限とランニングをして3ヶ月で5キロ減量し、引き締まった体型へと変化させたのだ。だから達也と初めて一緒に迎えた朝、愛莉はもう“安産型”ではなくなっていたのである。

そして夜の相性も良く、子どもが2人いるいまでも変わらず、達也は自分を求めてくる。

―達也には秘密だけど、教授に教わったおかげかな…。

達也に抱かれながら、そんなことをふと考えてしまう。だが夫は、そんなことを知らず愛莉をいつも褒めてくれる。

「愛莉とは、1番相性がいいよ」

何度言われても嬉しく、彼と結婚して良かったと思う。

でも夫がいても、どうしようもなく教授との夜が恋しくなる時がある。愛莉が過ごした最高の夜は、教授とだったから。

たまに夫が寝たあと、昔こっそり撮った教授の手の写真を眺めて思い出している。

もう二度とない、自分にとって最高だった夜を―。


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夫はまさか…?知らなかったミリオネアの夫の一面とは