昨今、“映える”ことから、カツサンドが取り沙汰されることが多いが、人気の肉割烹で最高のそれを発見!

その店こそ、人形町にある『おにく花柳』だ。

東京で肉割烹というジャンルが定着したのはここ3、4年だが、同店ではそんなムーブメントが起こる前から日本料理のフォーマットにのっとった牛肉料理を提供していた。



人形町の一角に灯る柔らかな灯り。

店主の片柳 遥さんは、この地に自身の店を構えた14年前から、和牛の魅力をいかにして引き出すかに心を砕いてきた。

5年連続で星を獲得している事実がたゆまぬ努力を続けている何よりの証左だろう。



扱うのは、A4・A5ランクの黒毛和牛のメスのみ。

おまかせコース2万2000円には、めくるめく牛肉料理が目白押しだ!



和の趣向を凝らした一品も、とにかくこだわりに満ちている!


まずは「ウニと肉の手巻き」から。

炙ってパリッとした海苔とまろやかなウニ、そして柔らかなお肉が三位一体に!



続いてはお椀代わりの「すっぽんと牛テールの小鍋仕立て」が登場。

熱々の状態で提供され、お猪口に注いでいただく。香りも抜群で、一気に食欲のエンジンがかかる!

すっぽんは浜名湖の老舗「服部中村養鼈場」から取り寄せ、上質な牛とすっぽん、ふたつの旨味を存分に引き出している。



また、独創性溢れる「すき焼き」は、その名から想像するビジュアルとは一線を画す。

塊のまま、炭火で焼いては休ませてを繰り返し、仕上げに甘いたれを塗ったフィレ肉にたまごを裏ごししたソースと素揚げのネギを添えている。

こんな具合で、一品一品に創意工夫が満載! 提供されるごとにワクワク感が募っていく。

また、コース内には洋食メニューも登場。というのも、店主は日本料理店で修業を重ねる前には高級ホテルの厨房に在籍した時期もあり、洋食の経験が豊富なのだ。

さて、和食店で提供される洋食とは一体?


洋食メニューこそ、『おにく花柳』の真骨頂!

お馴染みの洋食メニューも肉割烹の店主にかかると飛躍的に進化する!


蓋を開けた瞬間に豊潤な香りが広がる「和牛シチュー」は、ブイヨンを取りスネ肉を3時間煮込み…と、手間暇を惜しまず作られた逸品。

ホテル仕込みのレシピで作るデミグラスソースがベースながら、八丁味噌やたまり醤油で和食のニュアンスも感じさせる。



そして、スペシャリテの「カツサンド」がとにかく出色の出来だと評判。

繊細な身質のシャトーブリアンをレアな火入れでカツに。

パン粉と食パンは、美しい焼色が付く糖度の配合で特注。カツとパンの間には、独自にブレンドしたソースをひと刷毛。

すべてが調和し、理屈抜きに旨いと感じる一品。このために訪れてもいいと言っても過言ではない!


肉割烹の先駆者が編み出す、肉の美味なる変化球を堪能しよう


ベテランの巧みな技で、牛肉のポテンシャルを再認識することができる『おにく花柳』。

14年続く名店が辿り着いた多様な調理法を駆使した料理は、一枚上手な創意工夫に富んだ逸品ばかりだった。

経験値の高い大人にこそ薦めたい一軒である。