男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「今日”あの日”なの…の真意は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「このタイミングでそれを言う?」今夜こそは…!と思ったのに、男を激しく動揺させた女の一言



「ごめん譲(ゆずる)くん。実はね、今日私、“あの日”なの…」

そう言いながら、私は目の前にいる譲を冷静に見つめる。

「そ、そうなんだ。そしたら仕方ないよね…!」

譲は分かりやすく動揺している。その様子を見て、彼の膝の上からそっと降りた。

初めて来た譲の家。最後まで行為をしても良かったけれど、私はこのセリフでもしかしたら彼を試していたのかもしれない。

「譲くん、ごめんね」
「いやいや、謝ることじゃないから。むしろこっちこそごめん」

よそよそしい空気が流れる中、私たちは解散した。

白けた気持ちを抱えながら、タクシーに乗る。

—“今日生理なの”という言葉を、彼はどこまで信じたのかな…。

そう思いながら。


家に来ていい雰囲気だったのに…。果たして何が真実なのか?

A1:ちょっとガードが固くて、プライドが高そう。


譲と出会ったのは、友人の紹介だった。彼氏と別れてしまい、「いい人がいれば教えて」と知人たちに言っていたところ、紹介されたのだ。

初対面の時から、彼が私を気に入っているのは何となく感じていた。

昔から可愛いとよく言われてきた。もともと肌が強く、さらに日々のケアも怠っていないおかげで、肌が綺麗だと褒められることも多い。

そして体型も程よく丸みがあるが手足は細いので、スタイルはいいほうだと思う。だから男性は、初対面で大概同じような視線を私に投げかけてくる。

「譲さんは、今付き合っている方とかいらっしゃらないんですか?」
「とにかく仕事が忙しくて、ここ2年くらいはずっとフリーです。あまりかまってあげられなくても怒らないような、寛大な人がいればいいんですけどね」

「恋人がいない」と素直に言えばいいものを、「仕事が忙しい」と先回りして言い訳するこの反応を見て、彼は意外にプライドが高そうだと思った。

しかもそれ以上つっこんで聞ける雰囲気でもなく、なんだかガードが固そうだ。

「譲さん、フリーなんて意外ですね。じゃあもしよかったら、今度デートでもしてください♡」

優しそうな人柄に加えて、経営者という肩書きに惹かれ、待っていても彼のほうから動くタイプではなさそうだったので、私のほうからモーションをかけてみた。

—千春:譲さん、先日はありがとうございました。良ければまたご一緒させてください♡

翌朝彼にLINEを送ると、すぐに返信が来た。そして早速、デートをすることになったのだ。



初デートの日。 話が盛り上がり、気がついた時にはもう閉店の時間になっていた。

「残念だけど、どこも開いてないからねぇ…僕の家で飲み直してもいいんだけど、今日は解散しようか」

譲の言葉に、私は小さく頷く。本当はもう少し飲みたい気分だが、20時以降はどこも開いていないので仕方ない。

しかも今日は1回目のデートなので、もう少し一緒にいたいと思わせるくらいの解散がちょうどいいだろう。

「そうですよね。残念ですが、今日は帰りますか」

少し歩いてからタクシーを止め、乗り込む前に私は笑顔で譲にこう言っておいた。

「次回は、もう少しゆっくり飲みたいです♡」
「もちろん。こちらこそ!」

彼の嬉しそうな表情を見る限り、どうやら心はしっかり掴めたようだ。

けれども、この後の態度がどうも許せなかった。


女が男に対し、“お預け”をした本当の理由とは?

A2:彼を拒絶するための言い訳として使っただけで、真実ではない。


初デート以降、積極的に連絡がきていたので、気がつけば週に一度のペースで会っていた。

そして四度目のデートの時。この日も早々に解散し、さっさと帰ろうとする譲を私は呼び止めた。

「譲くん。もう少し、飲まない?」
「もちろんいいけど…それなら、うちに来る?」

万が一何かあった時のために、今日は下着もちゃんとした物を身に着けてきた。

—ついでに、お家チェックもしよ〜っと♪

譲の家は六本木一丁目にあるタワマンの高層階。しかも部屋も綺麗で、家具などのセンスもいい。

—あらら。想像以上にいい家じゃん。

正直、デートだけでは男の本質は分からないこともある。家に行くと、男のリアルなライフスタイルや年収レベルが伺えるのだ。

「千春ちゃん、何飲む?」
「何でもいいけど…ワインとかある?」
「あるよ!赤、開けようか」

セラーから赤ワインを1本取り出し、リーデルのグラスに注いでくれる譲をじっと見つめる。

—家に私を上げたってことは、他に女はいないってことだよね?彼も私に気があるっぽいし、このまま交際も考えているのかな?

けれども、ストレートに「私たち、付き合うの?」と女から聞くのは野暮すぎる。もう少し経ってから聞いてみよう。

ワインが半分くらい空いたタイミングで、静かな沈黙が流れる。お互い考えていることはたぶん一緒で、譲の方からキスをしてきた。

「千春ちゃん、いいの?」

そして手が体に触れてきたタイミングで、私は聞いてみたのだ。

「うん……あ、でも待って!」



「どうした?」
「ねぇ。私たちって付き合っているのかな?」

直前で聞くのは、ズルいのかもしれない。「ここまで来て、なんで?」と男は言いたくもなるだろう。

だが女にとって、これは非常に大事なこと。ここで 「付き合おう」と言ってくれるかどうかで、今後の対応は変わってくる。

「今それ聞く?(笑)」

ただ譲の反応に、正直私はガッカリした。ここまでしておきながら、彼は私と交際するかどうか、ハッキリ決めていなかったらしい。

きっと、あわよくば程度だったのだろう。そんな男に、今ここで体を許すつもりはない。

だから私は彼にこの言葉を投げかけてみた。

「ごめん譲くん。実はね、今日私、あの日なの…」

申し訳なさそうな顔を作り、譲に言ってみると、案の定譲は手を引っ込めた。

「そ、そうなんだ。そしたら仕方ないよね…!」

譲の反応を見て、ここでやめてよかったと心底思った。

実は私はこの言い訳を、今日以外にも使ったことがある。本当に生理の場合ももちろんあるけれど、軽い女だと思われたくない時にも使用した。

また100%ナシではないが、友達以上恋人未満の人に対しての断り文句としても言えると思う。

今回の場合は、相手に交際する気がないのに、あやふやな関係のまま体だけ求めてきたからやんわりと断るために使った。

いずれにせよ、彼が私のことを本気で思っているのかどうか、よくわかった気がする。

「譲くん、今日はありがとう。またね!」
「う、うん。またね。気をつけて帰ってね」

マンションの下に降り、コンシェルジュの人が手配してくれたタクシーに乗り込みながら、私は考える。

—いい人だと思ったけど、付き合う気はないのか…。

彼の本音を聞いて、ショックだった。こちらとしてはもし交際できるならばOKだったのに、残念だ。

だが今後も食事には行くかもしれないし、「一旦彼はキープしておこう」と思いながら、 タクシーから流れる街並みをぼうっと眺めていた。


ちなみに今日、私は生理ではない。


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ある日突然、夫が冷たくなった理由