コロナ禍の婚活において、すっかりメジャーとなった出会いの形。それは“マッチングアプリ”だ。

しかし、マッチングアプリでの恋愛や婚活を成功させるのにも、テクニックが必要なのだ。

―リアルではモテるのに、どうしてアプリでは“いいね!”が貰えない?
―メッセージは盛り上がっていたのに、なんでフェードアウトされた?
―初めての顔合わせの後、どうして二度目に繋がらない…?

あなたも抱いたことがあるかもしれない、数々の疑問。その答えあわせを、今ここで。

▶前回:女性に何かマズいこと言ったかも?男がフェードアウトされた理由



― うーん、またダメだったか。

気になる女性に“いいね”をしてから4日経つが、反応がない。

1週間前に始めたマッチングアプリで、相手からの“いいね返し”をもらえたのはたったの2回だ。

その貴重なふたりですら、1〜2回メッセージを交わした後、ぱたりと音沙汰がなくなった。

覚えている限りでは40人近くの女性に“いいね”をしているのだが、これでは1/20以下の勝率だ。

― こんなにもマッチングしないものだなんて思わなかったな。

そういえば、マッチングアプリを勧めてきた会社の同僚は、すでに3人とデートしたらしい。

自分とは何が違うのだろう。正直、僕のほうが女性ウケする見た目だと思うし、外資系企業勤務で年収1,500万と条件だって悪くない。今でこそ出会いは少なくなったが、リアルな世界ではそこそこモテてきたのだ。

― この女性に“いいね”をしてなにもなかったら、アプリは辞めよう。そうだ、きっとアプリが合わないんだ。

僕はある女性のプロフィールを見つめながら、そう誓った。

麻希子、29歳。
東京在住で出版社勤務。趣味は海外旅行と読書だと書かれている。

本棚の前で伏し目がちに写る彼女は、写真でも分かるほどまつ毛が長く、どこか日本人離れした顔に見える。儚げな雰囲気にも心を奪われた。

諦め半分だったのだが、彼女からの“いいね”は、翌日に返ってきた。


ようやくマッチング成立!しかし男がやっていたNG行動とは…。

Q1:趣味の話で盛り上がるはずが、いきなり連絡が途絶えたのはなぜ?


麻希子とマッチングする前に、実は自分のプロフィール画面を見直していた。

これまで全然“いいね”がもらえなかったのは、写真が悪いのかもしれないと思ったからだ。

そこでプロフィール画像は、誕生日に雰囲気の良いレストランで撮った写りの良いものに変えておいた。麻希子が“いいね”を返してくれたのも、それがよかったのだろうか。

― 祐一:はじめまして、中岡祐一です。よろしくお願いします。

これまでスルーされてきたメッセージとはやり方を変えて、フルネームを名乗ったからなのか、返事はすぐに返ってきた。

― 麻希子:祐一さん、はじめまして。よろしくお願いします。

前回もここまでは良かったのだが、メッセージが途絶えたのはその後だった。ここで何と返すかにかかっているような気がして、真面目に文章を考える。

― 祐一:お返事ありがとうございます。出版社にお勤めなんですね。出版社のお仕事ってかなり忙しそうなイメージです。

― 麻希子:はい。時期によるんですが、ここ数日は少しバタバタしています。

― 祐一:そうなんですね。頑張ってくださいね!僕は、今週はちょうど落ち着いています。

昼休みにそんなメッセージのやり取りをして、上機嫌のまま仕事に戻った。なんだか今回は、いい予感がする。



麻希子は、海外旅行中に撮ったであろう写真を何枚か載せていた。しかもその中には、僕が訪れた旅行先もある。

― 祐一:麻希子さんが載せている写真って、台湾とセブですよね?僕も1年前まではよく海外旅行に行ってました。しかも、ここ九份ですよね!僕が載せているのと同じ場所かな?

マッチングアプリでは、顔写真以外にも何枚か写真を登録できる。

僕も何枚めかに、麻希子と同様に、台湾の九份に旅行へ行ったときのものをたまたまあげていたのだ。

実は半年前に別れた元カノと行った旅行だが、もちろんトリミングをして、自分だけが写ったものを載せている。同じ行き先の写真をお互いに載せているなんて、なんだか運命のようなものを感じてしまった。

共通の話題で盛り上がりそうだとワクワクしていたが、予想に反して麻希子からの返事はクールなものだった。

― 麻希子:そうです、たぶん同じ場所だと思います。

― 祐一:麻希子さんも海外旅行がお好きなんですよね。早く前みたいに行けるようになるといいですね。そうだ、僕ほかにも旅行の写真投稿してるんですよ。3枚目と4枚目です。どこの国かわかりますか?

― 麻希子:そういえば、たくさん旅行の写真載せていらっしゃいますね。

― 祐一:見てもらえたなら嬉しいです。どこの場所で撮ったか、当てられるかな?(笑)

だがその日、麻希子からの返信はなかった。翌日も連絡がなかったが、繁忙期だと言っていたことを不意に思い出し、きっと仕事に集中しているのだろうと自分に言い聞かせる。

しかし気づけば、最後のメッセージから1週間経っていた。こうなると、さすがに気持ちがソワソワしてきた。


もっと盛り上がるかと思ったのにまさかのスルー。そして彼女からされた、驚きの質問とは

Q2:スルーから一転、結婚していますか?と聞かれたのはなぜ?


― 祐一:こんばんは。今はお仕事中ですか?

― 麻希子:こんばんは。ちょっと映画を観て休憩していました。お返事できていなくてごめんなさい。

― 祐一:大丈夫ですよ、お忙しいのかなと思ってました。

どうやら仕事が忙しかったわけではないらしい。その事実には少しガッカリしたが、今回こうして返事をくれたのだから、ここからが勝負だ。

前回は当たり障りのない会話しかできていなかったが、そろそろ踏み込んだ話題をしたいところ。

― 祐一:ところで、麻希子さんはどのくらい彼氏いないんですか?

― 麻希子:私はもう3年くらいいないです。

その返信に、驚いてしまった。こんなに綺麗なのだから、周りの男が放っておくはずがないと思ったのだ。意外と慎重なタイプなのだろうか。

― 祐一:え、3年もいないんですか!?美人なのに意外です。

― 麻希子:そんなことないですよ。ちなみに、祐一さんは?

― 祐一:彼女は半年くらいいません。

すると、続けて麻希子からのメッセージが届いた。だがその内容を見て、僕は目を丸くしてしまった。

― 麻希子:彼女はいないけど、実は結婚している…とか、ないですよね?(笑)

半年間彼女がいないのも本当だし、当然結婚もしていない。突拍子もない質問に戸惑ってしまったが、冷静に返事を送る。

― 祐一:もちろん独身ですよ!(笑)

― 麻希子:そうですよね!失礼なこと聞いてごめんなさい。実は、前に食事会で知り合った人が既婚者だったんです。マッチングアプリだとなおさら相手のことがわからないし、ちょっと不安になってしまって。本当に彼女や奥さんがいないか、念のため聞いちゃいました!



普通だったら、こんなことを言われたら嫌な気持ちになるだろう。

だけど僕にはまったく心当たりがないし、むしろ誠実さを伝えることができるチャンスなのではないかと思った。

― 祐一:彼女は本当にいませんよ。結婚だってしていたら、マッチングアプリなんてやりません。そういうの、大嫌いなんですよ。

きっぱりとそう伝え、誠実さをアピールしたつもりだ。

麻希子もこれだけ美人なら相当モテるだろうに、だれでも受け入れるのではなく、きちんと警戒心を持っているというのは好印象だった。

3年も彼氏がいない理由も、過去に苦い経験をしているから慎重なのだと思うと、納得できる。

ところが、結局このあと麻希子との連絡は途絶えてしまったのだ。彼女の警戒心を取り除くことができなかったのだろうか。

独身かどうか聞かれたときの返答がマズかった?それとも何か、彼女に不快感を与えるような言動があった?

メッセージのやり取りを見返してみても、さっぱりわからなかった。プロフィール文にだって変なことは書いていない。

ー またダメだったか。やっぱり、僕にはマッチングアプリ向いてないのか…?

僕には、一体何の問題があるというのだろうか。


▶前回:女性に何かマズいこと言ったかも?男がフェードアウトされた理由

▶【A】はプレミアム会員限定で公開!祐一が気づかずにやっていたこと。麻希子が覚えた違和感とは!?