松茸といえば日本の秋を象徴する高級食材。特有の芳しい香りは、他の何物にも代え難い。

国産ともなればかなり希少だが、時季になると採れたてが産地から続々と届き、店内を埋め尽くすという驚愕の和食店がある。



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



前日に収穫された松茸でしか体験できない、味わいがある


むせ返るような松茸の香りが、店内に充満している。

一角を埋め尽くす大量の箱、箱。すべて全国の産地で前日に採取され、今朝届いたばかりの松茸である。

『樋山』は、多くの食通が大挙して押し寄せる和食店だ。1年を通じて最高峰の食材しか仕入れず、それらを主役に据えたおまかせコースを、巡る季節に応じて順繰りに提供している。

秋の主役はもちろん松茸。食通からは聖地として崇められている。

早ければ6月には早松(さまつ)と呼ばれる走りが入り始め、最盛期は9月から10月にかけて。わずか1ヶ月ほどしかないが、その頃に届いた松茸は1日の平均で60〜70kgにも達する。

「豊洲に在庫がまったくないのに、ウチにはあるなんて日もありました」

そう語る店主の熊木 望さんは日本松茸界のドンかもしれない。



「米沢牛と松茸のすき焼き」は、まさかの松茸3本分!


「ほんのちょっとの松茸をそれなりの値段で何度も食べるなら、年に一回ウチに来てたんまりと本物を食べた方がいい」と笑う熊木さん。

8月後半から11月までのハイシーズンに提供しているご馳走が「秋松茸コース」だ。

これがもはや“尽くし”を超えた驚愕の内容。「すき焼き」や「土瓶蒸し」はもちろん、前菜の「お浸し」にまで、松茸がどっさり。

その結果、1人前で1.2キロもの松茸を味わうことができるのだ!



「お浸し」は松茸1/2本分!


こちらは「白ずいきとお浸し」。

珍しい白ズイキに松茸の旨みを含ませた前菜で、食感のコントラストも楽しい。


もはや“一生に一度”レベル!?まだまだ続く、松茸尽くしコースの全貌

「松茸御飯」は、これでもかと松茸5本分!


大きく立派な“特丸”の松茸で換算しても、10本分以上に相当する量が入っているという「松茸御飯」。

量だけでなく、味も香りも衝撃的。鮮度でここまで違うのかと嘆息し「今まで食べてきた松茸は一体何だったのか」と、愕然とする。

食べ終えたら嘘偽りなく、翌日まで体に松茸の香りが残ってしまうのだ。



「土瓶蒸し」は松茸2本分!


そんな弩級の内容ゆえ、現在は2年先まで満席。「予約希望の際は、まず秋以外の時期に訪れて」とのことだ。

一生に一度クラスの貴重な体験を、この機会にぜひ。



最寄りは都心から1時間弱かかる、東川口駅。『樋山』はさらに歩いて5分の立地だが、松茸に限らず弩級の食材が四季を通じて揃うので、目指す価値は十分だ。

出会う料理に想像を巡らし、向かう道中もまた楽しい。



17歳でこの道に入った、和食の料理人。

鰻やふぐ、すっぽんなど、さまざまな専門店に勤め、36年前に地元・東川口で『樋山』を開いた。


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