TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。9月30日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ジャーナリストで東海大学客員教授の岸田雪子さんが“コロナによる女性の苦境”を解説しました。

◆雇用を失い、家庭ではストレス過多、孤立……

新型コロナウイルスが女性の雇用や生活に与えた影響について、政府が分析を進めることがわかりました。国連のグテーレス事務総長は「女性と女児をコロナ対応の取り組みの中心に」と各国政府に呼びかけるなど、コロナが女性に大きな打撃を与えていることは国際的にも問題になっており、ジェンダー差に着目した分析をし、必要な政策対応に繋げる狙いがあります。

新型コロナは男女ともに大きな影響を与えていますが、「性差による差も出てきている」と岸田さんは言い、特に苦境に立たされている女性の現状を紹介します。

まずは仕事面。7月の非正規雇用労働者数は、前年に比べ男性の50万人減に対し、女性は81万人減。そもそも女性は非正規が多いこともあり、如実に影響を受けています。さらに、業種別で見ても宿泊、飲食、サービス業の雇い止めが増えていて、それらの仕事に従事しているのは女性のほうが多いのが現状。また、女性が就業している職種で言えば医療・福祉が多く、「コロナ感染の可能性が高いため自主休業、休職される方が増えている」と言います。

NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが、ひとり親家庭に対して行った調査では、「家族への感染を恐れて」や「自分が感染してしまったら子どもの預かり先がない」といった理由で、自主的に休職や退職をした人が3割を超えていた現状を紹介。

もう1つ、家庭面でも影響は大きく、世界的にもDVが増加。これを受け、政府は4月以降に新たな相談窓口として「DV相談+(プラス)」を開設。この3〜4ヵ月のDV相談件数は、前年に比べ6割増えていると岸田さん。さらには在宅ワークや家事育児に加え、子どもの学校の勉強の遅れを見なくていけないプレッシャーなど、今や家庭がさまざまな困難に強いられ、「ストレスも多いし、孤立も高まっている」と言います。

◆苦境に立たされた女性を救うためにできること

こういった状況のもと、8月には女性の自殺率が前年に比べ4割増。その背景には有名人の自死の影響も考えられるものの、「こういった産業構造の影響に対しての政策が足りないという実態があるのではないか」と岸田さんは疑問を呈します。

総じて、今できることとして2つの提案をします。1つは「非正規労働者、特にひとり親の方々への“プッシュ型”支援」。すでに政府はひとり親世帯に対して5万円の追加支援を行っているそうですが、「まだ知らない方、申請しようと思っているものの、子どもがいて出向けない、申請している時間がないという声も非常に多い」と岸田さん。それだけに「お金を付けただけで終わりではなく、届くまでのフォローを喫緊の課題としてやっていただきたい」と主張します。

さらに、孤立を防ぐ手段として「“声かけ”と“傾聴”の大切さ」を訴えます。自死のニュースがあるたびに「相談してください」という呼びかけがありますが、自発的な行動をする「活力がない状態の方も非常に多い」と指摘。それだけに、(悩んでいる人の)そばでとにかく話を聞くという姿勢が大事であり、それは第三者の相談窓口でもいいものの「身近なところで、話に耳を傾けることがどれだけ人の心を救うか」と岸田さんは言います。

そして最後に、悩んでいる人と一緒に行動し、支援先に繋げていくこと、「本人に『頑張れ』ではなく、私たち自身が動くことの大切さも知ってほしい」と話していました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross