TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。9月18日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、了徳寺大学 客員教授の網屋信介さんが“コロナ対策と経済活動の両立のポイント”について述べました。

◆8月の自殺者数が3年ぶりに増加

厚生労働省と警察庁が発表した8月の全国の自殺者数は1,849人と、去年の同じ時期より240人以上増加。8月の自殺者数が増加するのは3年ぶりで、月別で見ても今年最多。厚労省は新型コロナウイルスの感染拡大が影響したかどうか分析を進める方針です。

8月の自殺者数は例年に比べ増加してはいるものの、網屋さんは「実はそんなに増えていなかった」と言います。一方、9月17日までの新型コロナウイルスによる死亡者数は1,490人。自殺者における新型コロナの影響は検証が必要ですが、一般論としては20%程度が経済的な問題による自殺者と言われていると網屋さん。

ちなみに、2019年12月〜2020年1月にお餅を喉に詰まらせて死亡した人は1,300人と、8月の自殺者数、新型コロナによる死亡者数とそこまで大きく変わりません。それなのに、みんなお餅を食べるのをやめようとはならないだけに、「コロナで大勢の人が亡くなったとはいえ、全部経済活動をやめろということには必ずしもならない」と指摘します。

◆8月の自殺者数、コロナとの関係は?

続いて網屋さんは、1980年以降の「失業者と自殺者の関係」を表したグラフを提示。そこにはある程度(およそ0.9〜0.95)の相関関係があると言われていて、一番のピークは2003年で、約34,000人が亡くなっています。

しかし、その後アベノミクスで失業者数とともに自殺者数も減少。なお、ある学者の話では、失業率が1%増えると自殺率が1.9%上がるそうで、日本の労働人口がおよそ6,700万人とすると、2,300人ぐらい増える計算になります。

現在は失業率が上がると言われながら、いまだ劇的には上がっていません。しかし、8月あたりから倒産件数は増加しており、「これから年末にかけてはさらに上がる」と網屋さん。そして、今後の見通しとして経済が元に戻るのが2021年の後半だとすると、「今年の年末から来年にかけて失業率が上がると、4万人近い自殺者が出る可能性がある」と示唆します。

自殺の原因が全てコロナではないものの、網屋さんは「経済的要因(による自殺)が上がりつつある」と言います。そして、コロナと経済活動の両立のポイントとして、「コロナによる犠牲者(死者)の考え方は、感染による死亡者数と失業に伴う自殺者数、両方考えなくてはいけない」と主張。

その上で、「Go To トラベルもいいけど、予算の配分の問題。限られた予算をどう配分するかという問題」と言いつつ、「失業率を増加させない雇用維持政策、これが大きなポイント」と結論付けていました。

キャスターの宮瀬茉祐子は、Go To トラベルキャンペーンも経済を回すために行っていることを理解しつつも、「この先が心配な人が、Go Toでイート、トラベル、エンターテインメントをやる気持ちにならないと思うので、まずは安心感にも繋がる雇用は重要」と訴えます。すると網屋さんも同意しつつ、「一番犠牲になっている人たちに、どう最低限の補償をするかが大事」と強調。

最後にMCの堀潤は、「現在悩みのある方は、厚労省はじめ、都や自治体が運営しているLINE相談の『相談ほっとLINE@東京』や電話などの各種相談窓口がございますので、活用してみてください。あとは(周囲の人たちによる)声かけですよね。みなさん、声をかけ合っていきましょう」と呼びかけていました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross