TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の横山智実さんが“いじめ・ハラスメントが生じる原因”について述べました。

◆防衛大で起きたいじめ…誰もが呆れるその実態

防衛大学で上級生らに暴行やいじめを受けたのは大学側が監督を怠ったためとし、元学生の20代男性が国に損害賠償を求めた控訴審判決が福岡高裁で行われました。福岡高裁は、教官の指導が不適切だったとして大学側の責任を認め、一審判決を変更。約268万円の支払いを命じました。

横山さんによると、防衛大学では1〜4年生まで同じ寮に住み、1年生は上級生のお世話をするのが慣例。そして、寮内では教官が目を配っていたにも関わらずいじめやハラスメント行為が発生。その実態は、例えば下級生がヘマをすると「粗相ポイント」と呼ばれるものが加算され、一定数を超えると罰ゲームが。さらにはポイントを減らすための罰ゲームもあり、なかには過激なものもあったと言います。

その他にも試験期間中に反省文を提出させたり、暴力や恫喝まがいなこと、LINEでわら人形などのスタンプを大量送信したりしていたことが裁判で明らかになり、MCの堀潤も「なぜこんなことを……」と呆れるばかり。

前述の通り、この裁判は一審と二審で判決が変わりましたが、その分かれ目は「安全配慮義務違反」と横山さん。教官がいかに学生の面倒を見ていたのか、いじめやハラスメントが生じる危険を予見できたかが着目され、一審では予見できなかったと判断されたものの、二審では「生活態度を見ていれば予見できた」、「防止に必要な注意をできたのにしなかった」などの理由で安全配慮義務違反があったと認められました。

◆いじめ・ハラスメント、予防のポイント

では、なぜ予防できなかったのか。横山さんが問題点としてまず挙げたのは「学生間指導」。いじめ・ハラスメントには「加害者」、「被害者」、「面白がる人」、「傍観者」という4つの立ち位置があるなか、今回は加害者が上級生ということで下級生に高圧的になっていたと言います。さらに閉鎖的な環境下では傍観者も上級生に従うしかなく、仲介したり、周りの人に相談したり、被害者の相談に乗ってあげることもできなかったり、「悪しき風習が承継されてしまっていた」と横山さん。

その他、「教官の指導不十分」、そして「相談窓口の機能不全」も。被害者は学校の相談窓口に行ったものの、調査は行われなかったそうで、「一歩踏み込んで事実確認などしていれば、何か変わったかもしれない」と指摘します。

さらには「防衛大学校」であることも要因と挙げます。なぜなら防衛大学校は防衛省設置法に基づく機関のため、いじめやハラスメントに対応してきた文部科学省の管轄外。具体的な調査・指導ができなかったことも問題視。

ただ、このようなことは既存の学校や企業でも同じことが考えられると横山さんは危惧。というのも、学校という閉鎖的環境では誰かに訴えかけることができなかったり、先生の指導が不十分だったり、会社であれば相談窓口が機能不全だったりするから。

このうち相談窓口に関しては法律で設けるようになっていますが、それは2022年からで、まだ設置されていない会社が多数。さらには「ただ設置するだけじゃダメ」と横山さん。「相談を受けたらしっかり調査し、処分をマニュアル化するなど、専門家に聞いて整える必要がある」と指摘し、「いじめ・ハラスメントの予防は十分可能なので、企業や学校の先生には気をつけていただきたい」と願っていました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross