TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。11月11日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士ドットコムGMで弁護士の田上嘉一さんがポストINF条約時代の“国際安全保障”について述べました。

◆アメリカ・ロシア間に忍び寄る中国の影…

ロシア大統領政府は、失効した中距離核戦力全廃条約(INF条約)に変わる新制度案を発表。ロシアとアメリカが、特定の陸上配備型ミサイルをヨーロッパに配備しないことで合意することや、信頼構築に向けた相互検証制度の導入を提案しました。

これまで米ロ間にはいくつかの軍縮条約がありましたが、今はかなり少なくなり、その1つがINF条約。これは500〜5,500Kmの地上発射型弾道ミサイルと巡航ミサイルの廃棄を定めたもので、1987年に調印され、2019年8月にトランプ政権によって離脱・失効となりました。

そして、今問題となっているのが核弾頭の数を制限する「新戦略兵器削減条約(新START条約)」で、これは2021年2月に期限を迎えますが、アメリカ政権が変わったことでどうなるのか注目を集めています。

このような核戦力に関する条約は主に米ロ間で結ばれていましたが、それはなぜかと言えば、「2国の国力・戦力が圧倒的に強く、かつては両国が合意していれば世界の平和が保たれていた時代があった」と田上さん。しかし、それも過去の話で世界の情勢は変化し、今や中国が中距離ミサイルをおよそ2,000発も持っているとの情報も。

◆中国のミサイルの脅威、日本はどう防ぐ!?

中国は条約を結んでいないため、ミサイルを作り放題で「今一番世界でミサイルを持っている」と田上さんは言います。ただ、中国のこのミサイルはアメリカ本土には届きません。しかし、日本は完全に射程圏にあり「(ミサイルを)喉元に突き付けられている状態」と危惧。

田上さんによると、アメリカは予てから条約に中国を含めることを望んでいるそうですが、中国側としてはアメリカがミサイルを持っていないのに中国だけ制限されるのは加盟するメリットがなく、さらにはアメリカは核弾頭を約6,000発持っているのに対して、中国は約300発しか持っておらず、明らかに不利なだけに「条約を結ぶ必要がない」と田上さん。

中国はゴビ砂漠の奥で横須賀などの基地の模型を作り、攻撃の練習をしているという情報もあるなど、日本は今や非常に危うい状況にあるそうで、ミサイルを持っていない日本がどう対処すればいいのか。田上さんはINF条約が結ばれたきっかけを例に挙げます。

かつてソ連(ロシア)はヨーロッパに向け中距離核戦力ミサイルを配備し、ヨーロッパとアメリカの仲を裂こうとしましたが、そこでアメリカは当時持っていなかった中距離核戦力をヨーロッパに向け配備し、ソ連を牽制した上でミサイルを外したそう。つまり「同じように向きあった状態を作らないと軍縮には向かわない」と田上さんは主張。

現在、日米間で「日本に中距離のミサイルを配備することを協議している」と田上さんは推測。そうすることで中国を条約のテーブルに引きずり出せるわけですが、一方で「(国内に向けての)政治的な説明コスト、アメリカのミサイルを日本に配備することは大混乱になる可能性がある」と憂慮。とはいえ、そうでもしないと中国のミサイルの脅威を防ぐ方法はないだけに、「これをどう国内で説明するか、それはそんなに遠くない未来の話」と話していました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross