TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。2月5日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」では、介護福祉士の上条百里奈さんが人材不足の介護業界を支える“福祉用具”について述べました。

◆人材不足が深刻な介護業界

新型コロナウイルス感染拡大が長期化するなか、介護事業者の経営に深刻な影響が出ています。感染への不安から利用を控える高齢者が増加し、職員が相次いで離職。昨年の倒産件数は過去最多となりました。

現在、訪問介護員・訪問スタッフの平均年齢は高く54.3歳。しかも60歳以上の方が最も多く39.2%を占めています。上条さんは「(スタッフも)高齢の方が多いからこそ、自身のコロナの重症化リスクを考えて退職される方が相次いでいると思う」と分析します。

介護業界は今、人材不足が深刻で、2025年度末には245万人の介護職が必要だと予測されているものの、34万人が不足するという試算が厚生労働省から出ています。

ただ、人材不足は今に限ったことではなく予てから懸念され、これまで外国人労働者の手を借りたり、介護ロボットを開発したり、いろいろとやってきましたが「それだけではなく、実はできることがある」と上条さん。それは「住宅改修」と「福祉用具」です。

◆人的サービスに頼る前にできること

例えば目が悪くなったとき、まずはメガネやコンタクトレンズなどモノで解決する選択肢があり、それでもダメなら人的サービスに移行するものですが、住宅も同じで「家・生活環境を変えていくことで、実は人のサービスが必要なくなるものもある」と上条さんは言います。

それが住宅改修で、例えばトイレや階段などに手すりを付けたり、トイレを和式から洋式に変えたり、玄関の段差をなくすなど。しかもこれは介護保険の対象内で所得によって異なるものの最大20万円まで1割負担で改修可能。ただ、高齢者は加齢により身体状況が大きく変化する場合があり、今はサイズが合っていても、「合わなくなる可能性があるので、専門家に相談して慎重に」と注意を促します。

そして、もう一つの福祉用具は購入できるものとレンタルがあり、前者は主に体・肌に直接触れるもの、他人とあまり共有したくないものが扱われているそう。一方、後者はそれ以外の日常的に使ったら便利なもので、手すりやスロープから杖や車椅子、さらには歩行器や対位変換器などさまざまなものが揃っています。

レンタルであれば、体に変化があってもそのたびに何回でも交換でき、しかも費用もとてもリーズナブルで上条さん自身、昨年祖父の介護をしていたときに利用。スロープが1ヵ月で65円、ベッドは1ヵ月300円程度だったそうで「まずはレンタルから考えてみることがおすすめ」と上条さん。ちなみに、地域にあるレンタルショップであれば即日、インターネットでも注文した翌日には着くそうです。

人材不足で訪問介護スタッフが足りず、必要なときにすぐにサービスが受けられないケースがあることも。人の手配は時間がかかるものの、「モノであればすぐに届く」と上条さん。さらには便利な福祉用具が日々生まれてきていることからも、「まずは福祉用具を使い、それでも必要な場合は介護サービス、人的サービスに繋げていくといいかなと思う」と主張します。

仕事で介護の実情を目にすることが多いという弁護士の南和行さんも同意し、「特にレンタルは負担が少なく、いろいろなものが借りられることを知ってもらいたい」と話していました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross