TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。12月4日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、社会学者の西田亮介さんが“経済界が負うべき負担”について見解を述べました。

◆日本は労働時間が長過ぎる!?

日本労働組合総連合会の結成30周年を記念したシンポジウムが11月12日(火)、都内で開かれ、パネルディスカッションには経団連の産業技術本部長も出席。税収の大きな柱の3つ(所得税、消費税、法人税)について経団連は、消費税を世代間負担の公平性などの点において他の税よりも優れるとし、現行の10%からさらに引き上げるべきとの立場をとっています。

10月に消費税が引き上げられたなか、経団連は2020年の春闘における基本方針として、“賃上げ”ではなく、やる気やモチベーションなどを中心に議論したい方針を明らかに。これに西田さんは、「人件費の引き上げと労働時間の短縮は重要、経済界は日本の社会の負担を負わなければいけない」と言います。

日本の税収は所得税と消費税が約20兆円弱を推移していますが、2016年の法人税は約12兆円。現状では消費税が引き上げられる一方で、「法人税は引き下げが続いている」と西田さんは指摘。

法人税の基本税率は全体では23.4%ですが、ここに地方税が加わり、実効税率は約29%。これは世界的に見ると高く、トップはフランスで日本は6番目あたりの水準です。しかし、20%後半から30%代はほぼ団子状態で、ほとんど差はないと言います。

一方で、ベンチャーやスタートアップ企業が属する年800万円以下の所得区分の中小法人は15%程度で、西田さんによると、これは世界最低水準。中小企業やベンチャーが育つという意味ではいい環境にあるものの、「むしろ大手の企業は、内部留保が増えている」と西田さんは言い、その額はなんと460兆円で過去最高なんだとか。そしてその反面、1世帯あたりの平均所得金額は平成を通して横ばい、もしくは若干下がっていると示唆します。

そんな現状に対し、「法人税率、補助金、控除、外形標準課税を総合的に見直すべき」と西田さんは提言。内部留保460兆円のうち1%課税することができると税収は4.6兆円増で、この金額は消費税2%相当になるそうです。それだけに、「何らかの方法で課税してもいいのではないか」と訴え、「日本の社会は少子高齢化などがあり、将来は厳しい。生活者の負担は増えている。企業社会はその負担を担わないのか」と改めて主張していました。

するとキャスターの宮瀬茉祐子からは、法人税引き上げと社員還元、その違いについて質問が。西田さん曰く、それはどちらでもいいものの、社員に還元すると言っても現状全く進まず、政府の会議や自民党内でも話は挙がるものの減税ばかりなんだとか。そんな現状を打破するためには、経営者、さらには経団連の意識が変わらないといけないと指摘。

また、西田さんからはもう1つ、「法定労働時間の上限を1日8時間から6時間へ、それから最低賃金を1.3倍に」という主張も。これはドイツの水準で、「これで経済成長もしている」と西田さんは言います。

メンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんは、企業研修をしていると長時間労働がゆえに「感情自体が出せなくなっている人が多い」と実感を述べ、「質のある働き方が大事、一人ひとりの感情を出せる社会を」と訴えます。

それに対し西田さんは、「感情を出せる社会になるためには、やはり労働時間が長過ぎる」と日本の労働環境について異を唱えていました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross