拉致問題を解決に向けて、日本がすべきこととは

ジャーナリストの堀潤がメインMCを務め、視聴者の気になるニュースや話題を掘り下げてお届けするTOKYO MXのニュース生番組「激論サンデーCROSS」。6月10日(日)放送の「激論CROSS」のコーナーでは、「拉致問題 なぜ解決しないのか?」をテーマに議論が繰り広げられました。

安倍晋三首相の強い要請を受けたトランプ大統領は、12日に開かれる米朝首脳会談で拉致問題について話し合うことを約束しました。拉致問題をめぐっては2002年に当時の小泉純一郎首相が訪朝。「日朝平壌宣言」に調印して5人の拉致被害者が帰国したものの、これ以降、問題は何ら進展していないように見えます。はたして今回の米朝首脳会談を機に進展は見られるのでしょうか? そして今後、日本は拉致問題にどう取り組んでいくべきなのでしょうか?

◆北朝鮮の“体制保障”を前提にするべきか?
トランプ大統領が拉致問題を議題に上げると明言したことで、何らかの進展を期待する見方もありますが、自由民主党の平沢勝栄衆議院議員は、「進展があるかというと、厳しいなという感じがする」と述べ、楽観視はできないとの考えを示しました。
平沢議員は、当時の小泉首相が2002年に訪朝した際、北朝鮮が拉致を認めた点を分析。北朝鮮は日本からの経済支援を目当てに、拉致を認めさえすれば、問題は解決したという認識でしたが、結果として、拉致を認めても日本から援助が得られないどころか経済制裁も強まったため、「大失敗したと思っているはずだ」と言います。その経験から、北朝鮮は、今回の米朝首脳会談で「慎重になる」と予測。さらに、「北朝鮮が拉致被害者を返しやすい状況を作らないと絶対に返ってこない。北朝鮮のプラスになることを提示するなど“駆け引き”が大事だ」と述べ、拉致問題の解決には“圧力”以外の方策も必要だとの考えを強調しました。
また、トランプ大統領が“非核化”の見返りに、金正恩朝鮮労働党委員長の体制を保証する発言をしていることなどについて、国民民主党の渡辺周衆議院議員は、このような流れを危惧します。非人道的な独裁国家の体制保証を安易に認めてはいけないとしたうえで、「国際社会に復帰させてはいけない。日本は北朝鮮の非人道性を世界中に提起すべきだと思う」と訴えました。これに対して、平沢議員は「体制が崩壊するのが一番だが、一朝一夕にはいかない。崩壊しないことを前提に、まずは被害者を取り戻すことを考えるべきではないか」との意見を述べました。


◆外務省ではなく警察を中心に解決を
現在、北朝鮮は、拉致問題は解決済みとの立場を取り続けています。日本はこの状況をどう打開していくべきでしょうか。日本はすでに帰国した拉致被害者5人を含む17人の拉致被害を認定していますが、北朝鮮は「8人死亡、4人は入国していない」との説明をしています。
これについて、平沢議員は「全く信用できない。その場しのぎのデタラメな資料を作って渡しただけ」と話し、日本の調査団が訪朝して捜索できる環境を整える必要があると主張しました。また、日本政府が認定した拉致被害者以外にも、北朝鮮による拉致が疑われる“特定失踪者”が883人おり、安倍首相も、これらの失踪者を帰国させる必要があるとの考えを示しています。ただ、このなかには拉致とは無関係の人もいると考えられるため、平沢議員は「精査したうえで突き付けないと、逆につけ込まれる恐れがある」と詳細な調査が必要だとの意見も示しました。
一方、渡辺議員は2002年の小泉元首相の訪朝以降、外務省が主導して拉致問題の交渉にあたってきたことが解決を遅らせたと主張します。その代わり、捜査能力があり、拉致に関する情報を持っている警察が前面に立つべきだとの考えを強調。渡辺議員は「小泉訪朝の時に拉致問題を終わりにして、外務省は、日朝正常化という手柄を得たいという思惑があった」と述べました。平沢議員も「拉致問題をそれほど大きな問題とは考えていなかった。拉致問題を後ろに置いておこうという態度だった」と述べ、外務省の対応を批判しました。


◆蓮池さん「拉致問題は交渉の場に持ち出せる」
番組では拉致被害者のひとりで2002年に帰国した、新潟産業大学准教授の蓮池薫さんにインタビューを行いました。蓮池さんは、今回の米朝首脳会談について「もし非核化に向かって進むなら、日本は拉致問題に集中できる。日朝平壌宣言に基づいて北朝鮮を拉致問題の解決に誘導するチャンスも見えてくる」と述べ、一定の期待感を示します。
また、北朝鮮が「解決済みの拉致問題を持ち出す前に、過去の清算を行え」と主張している点にも触れ、蓮池さんは「過去の清算を話しあえば、拉致問題を持ち出せる」という文脈にも取れると指摘。北朝鮮は経済支援の話になれば、拉致問題を取り上げざるを得ないとの考えを持っていると予測しました。


◆北朝鮮にどのような対応を取るべきか?
米朝首脳会談を踏まえ、今後、日本は北朝鮮に、どのような対応をとればよいのでしょうか。これまで安倍首相に訪朝を求める声も上がったこともありましたが、平沢議員によると、日本政府はさまざまなルートを通じ、水面下で協議を続けてきたものの、北朝鮮は「拉致は解決済み」と繰り返すばかりで、実現しなかったと言います。平沢議員は、「ひとまず北朝鮮の言うことを聞き、拉致問題の解決を最優先するべきだ」と主張しました。また、現在、加藤勝信厚生労働相が、拉致担当相を兼務していることについても、専任の大臣を置くよう求めました。
渡辺議員は、バブル崩壊によって、1兆を超える巨額の公的資金が、朝鮮総連関連の金融機関に投入された問題が決着していない現状などを紹介。こうした日本の対応は「甘い」として、米朝首脳会談を前に、国会が超党派となって拉致問題を解決する意欲をアピールするべきだとの考えを示しました。



<番組概要>
番組名:激論サンデーCROSS
放送日時:毎週日曜 11:59〜13:25
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/variety/sunday_cross/

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