「おまえの正義を出せ」 石橋凌、松田優作との出会いを語る

“音楽通”のクリス松村がMCを務めるTOKYO MX(地上波9ch)の音楽番組「ミュージック・モア」(毎週土曜18:59〜)。2月2日(土)の放送では、石橋凌さんをゲストに迎え、デビュー当時や松田優作さんとの出会いなど話を伺いました。

石橋さんは1978年にロックバンド・A.R.B.のボーカルとしてデビュー。さらに、1986年には松田優作さんに見出されて出演した映画「ア・ホーマンス」で俳優デビュー。その後、俳優業に専念するも、2011年から音楽活動を再開しています。

クリス:石橋凌さんといえば歌手でもありますけど、かっこいい俳優さんというイメージも。

石橋:最近は、私の名前や顔を覚えてくださっているのは映画やドラマを通じてのほうが多いですね。小さいころから映画やドラマがものすごく好きだったんです。

クリス:当時、どのような音楽を聴いていましたか?

石橋:私は、男ばかりの5人兄弟の末っ子なんですが、みんな趣味がバラバラだったんです。1番上の兄はThe Brothers FourやPeter, Paul and Maryのレコードを聴き、自分でギターを弾いて歌っていました。2番目の兄はThe Venturesのコピーバンドでドラムをやっていたんです。3番目の兄は黒人音楽が好きで、ブルースやソウル、ジャズを聴いていました。

クリス:はい。

石橋:そして、すぐ上の兄がThe BeatlesやTHE ROLLING STONES、CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)をカバーして歌っていたんです。

クリス:じゃあ、すぐ上のお兄さんに影響を受けたと。

石橋:小学生のころから兄のギターを借りて、見よう見まねで洋楽を歌っていました。A.R.B.でデビューしたのが1978年だったんですけど、当時の事務所はアイドルグループを作りたかったみたいで、Bay City Rollersが武道館公演をしたときに観に行くように言われて。こんなことをやらないといけないのか……と愕然としましたね。

クリス:歌謡曲やアイドルとか、決まった路線じゃないと売れないよっていうこともあって仕方がなかった?

石橋:特に僕らの場合、歌詞が引っかかったんです。

クリス:歌詞?

石橋:最初に言われたのは、歌詞に社会的なことや政治的なことを一言も入れるなと。しかし、最初のアルバムで歌ってしまって事務所をクビになってしまいました。なかなか茶の間に入ることができず「ここまでだな。九州に帰ろうかな……」と思っていたところで出会ったのが、松田優作さんだったんです。


松田優作さんは、主演と監督を務めた最初で最後の映画「ア・ホーマンス」の山崎道夫役に石橋さんを抜擢。石橋さんは俳優として映画デビューを果たしました。

石橋:当時、ある飲みの席でお会いしたんです。ご挨拶をして、「今悩んでいて、いつか相談にのってもらえませんか?」と言ったら、「わかった。じゃあ、いついつ家に来い」と言われまして。

クリス:大スターですからね。勇気が必要だったんじゃないですか。

石橋:直感的に「この人しかいない!」と思ったんです。後日、自分たちの音源を持って、ご自宅に伺ったんです。そこで、自分たちの経緯や行き詰っていることを話したら、黙って腕を組んで聞いてくれたんです。そしたら優作さんが、「残念ながら日本は欧米のようなプロデューサー・システムが確立されていない。だから、表現者自身がセルフ・プロデュースしていくしかないんだ」と。「例えば、土に穴を掘って種を蒔く。水をあげて芽が出て、それを手を抜かずに育むことをやり続けるしかない。ちゃんと真面目にやっていれば、絶対にそれを見てくれている人がいる。その人が近付いてきたときに弾けなさい」とおっしゃったんです。

クリス:その1人が松田優作さんだったんじゃないですか?

石橋:そうですね。それから半年後に自宅に呼ばれたときに「ア・ホーマンス」の台本ができていて、「これ、やってみろ」と言われたんです。「音楽や俳優という壁は取っ払って、1人の表現者として生きればいいじゃないか」って。本を読んだらすごく大きい役だったので「ちゃんとした演技の経験がないですけど」と言ったら、「できないんだから(演技)しなくていい。おまえがミュージシャンとして培ってきた感性やフィーリング、正義とかを出せ。俺がそれを現場で拾ってやるから」とおっしゃったんです。

クリス:へぇ〜。

石橋:それこそ殴られるのを覚悟で、「バンドを茶の間に売るための宣伝としてでもいいですか?」って言ったんです。

クリス:話を聞いているだけでドキドキする……。

石橋:2〜3秒、間があったので「殴られる!」と思ったら、ニコッと笑って「それでいいよ」と。その現場ですごく大事なことを教えてもらいましたね。

クリス:自分がやってきたことは間違いじゃなかったということにつながり、「もう1回歌を歌おう」というパワーになったと。

石橋さんは、デビュー40周年を記念したアナログレコード『粋る』を2018年11月21日(水)に発売。3月16日(土)からは、東京・日本橋三井ホールを皮切りに、全国ツアー「石橋凌 Debut 40th Anniversary Tour “淋しい街から”」を全国8都市で開催します。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:ミュージック・モア
放送日時:毎週土曜18:59〜19:30
※再放送 毎週金曜 21:30〜22:00 <TOKYO MX2>
MC:クリス松村
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/music/music_more/


関連記事

おすすめ情報

TOKYO MX+の他の記事もみる

関東甲信越の主要なニュース

東京 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

地域 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

地域選択

記事検索