ニュースにある“関係者”とは誰か? 匿名報道にジャーナリストが苦言

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。1月16日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際ジャーナリストの高橋浩祐さんが、日本のメディアの問題点について自身の考えを述べました。

◆“関係者”とは誰なのか

高橋さんは「日本のジャーナリズムを愛しているからこそ、あえて苦言を呈したい」と前置きし、「日本経済新聞」が2018年11月20日(火)付の夕刊で報じた日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告に関する記事の一部を一例として紹介しました。

高橋さんが指摘するのは“関係者”という文言。記事中には「関係者への取材で分かった」「関係者によると」とあり、「ゴーン氏の報道をめぐってこういう(匿名)報道が多い」と話します。

また、この匿名報道について「この“関係者”は東京地検特捜部の検事のこと。(実名を)そのまま報じてしまうと国家公務員法の守秘義務違反にあたるため、煙幕を張った書き方をしている」と説明しました。


◆海外では“透明性”重視

ジャーナリストとして国内外で活動してきた高橋さんは、日本と海外のメディアを比較し、日本のメディアは「“関係者”による情報ソースが多すぎる」と話します。

一方、海外メディアは「読者への透明性を何よりも考える」言い、“関係者”というような表現をすると、社内で詰められることもあるのだとか。高橋さんは現在、軍事誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」の東京特派員を務めていますが、「匿名の人から得た情報は、実名で開示してもいいという人に取材する際にぶつけ、ワンクッション置くようにしている」と話しました。

透明性を守る必要について、高橋さんはイラク戦争を例に挙げます。
2003年2月の国際連合安全保障理事会において、アメリカの国務長官だったコリン・パウエル氏が、イラクが大量破壊兵器を隠し持っている証拠を提示。しかし、2004年10月の調査で、開戦時にイラクは大量破壊兵器を持っていなかったことが報告されました。高橋さんは、「イラクを追い詰めたかった国防総省が誤った情報を流した。(匿名報道は)そういうときに利用される可能性がある」と、ソースを明かす重要性を強調しました。

高橋さんいわく、アメリカで匿名報道が許されるケースは「命や財産に危険が及ぶ可能性がある場合」とのこと。しかし、高橋さんが過去に取材したアメリカ在住の脱北者、キム・スンヒさんは「北朝鮮の独裁体制を変えたい」との思いから、実名・顔出しでの取材に応じてくれたと言います。
自らの命の危険を顧みないその決意を振り返り、「(この取材には)読者への説得力がある。これに比べれば、日本の“関係者”という表現には命の危険も何もない」と、高橋さんは語気を強めました。


高橋さんは、「ゴーン被告の身柄拘束が長期化しているのをいいことに、日本のメディアは検察からのリークをこぞって報じているが、これはとてもアンフェアだ」と指摘し、最後に次のように述べました。

「日本のメディアは、もっと権力から独立すべき」

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時 :毎週月〜金曜 7:00〜8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/


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