個人で作る年金制度「iDeCo」、メリットとデメリットをFPが解説

今さら人に聞けない経済の疑問を学ぶTOKYO MX(地上波9ch)の番組「おとこを磨く経済学」(毎週木曜19:58〜)。1月10日(木)の放送では、公認会計士でファイナンシャルプランナーの森井じゅんさんを講師に迎え、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の仕組み、メリットやデメリットなどを紹介しました。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは、個人で作る年金制度のことです。2017年に、会社員、公務員、主婦などの現役世代が加入できるようになり、愛称もiDeCoに変更されました。

もうすぐ還暦を迎える雑誌「LEON」元編集長・西園寺薫と、「(年金は)遠い先の話と思っていたけど……」と不安がちらつく天野ひろゆき(キャイ〜ン)。森井さんのもとで、今話題のiDeCoを軸に、年金制度について学びます。


◆iDeCoの仕組み

森井:個人型確定拠出年金「iDeCo」をご存知ですか?

西園寺:出版社の社員から役員になるときに、退職扱いになって、総務部長から「個人型確定拠出年金に移行します」みたいなことを言われたような……。

森井:それはおそらく、企業と個人が折半のものかもしれないですね。iDeCoは、仕組み自体は2001年からあるんですが、それまでは自営業の方などに限られたものでした。ところで確定拠出年金とはどういう意味だと思いますか?

西園寺:さっぱりわからないなぁ(笑)。

森井:確定拠出年金は、運用に回すお金が決まっている年金のことです。したがって、運用の成果によって、将来受け取る年金の額が変わってきます。逆に、確定給付年金というものもあるのですが、こちらは運用の成果などは関係なく、加入者の勤務期間や給与などの要素に基づく計算式によって給付される額が決まっている年金を指します。
iDeCoは前者の確定拠出年金です。加入者が毎月一定の金額を積み立て、運用の成果によってもらえる金額が変わってくるというもの。あらかじめ用意された定期預金や投資信託、保険といった金融商品を、自分で選んで運用して、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。


◆まずは「年金制度」の基本から

森井:年金制度について、「2階建て」「3階建て」といった言葉を聞いたことはありますか?

天野:3階建て!?

森井:まず、1階は全国民共通の国民年金です。そして、2階は会社員・公務員の厚生年金。3階は、会社独自の企業年金などが相当するのですが、これは企業がグループのなかで運用している年金です。


天野:この3階部分にiDeCoが入っているんですか?

森井:そうです。1階だけの人、2階だけの人よりももらえる年金の額が大きくなるかもしれないというものです。
今、3階部分で、(企業が)統廃合されたり解散したりして、揺らぎ始めて手薄になってきたんですね。そのなかで、政府が「税金も優遇するから、みんな自分で積み立てて3階を造ってよ」と動いているのがiDeCoなんです。

天野:なるほど。

森井:具体的には、毎月5,000円以上を60歳まで積み立てて、それを年金として受け取ることができます。西園寺さんは今おいくつですか?

西園寺:58歳です。

森井:iDeCoは基本的に、20歳から60歳までの方が対象なので、あと2年ですね。

西園寺:「60歳になるまでは解約できませんよ」って言われた記憶があるなぁ。

森井:iDeCoは、60歳まで(年金を)引き出せない仕組みなんです。

天野:個人でがんばって、ずっと所得を貯めておくのとどっちが得なんだろう……。

森井:専門家の方でも、年金のシステム自体に懐疑的な方もいらっしゃいます。では、天野さんと西園寺さん、ご自身が年金をいくらもらえるかご存知ですか?

西園寺:最近、通知ハガキ(ねんきん定期便)が来ますよ。でも具体的な金額を書いていないから……。

森井:そうなんです。年金制度の仕組みは少しずつ変わっていくので、いつからいくら受け取れるのか誰も知らないし、調べようがないんです。政府も知りません。そのために不安が積み重なり、iDeCoのような仕組みで運用したいという人が増えています。


◆iDeCoのメリット・デメリット

森井:iDeCoの一番のメリットは、税金の優遇なんです。

天野:何それ!?

森井:iDeCoに拠出した(掛けた)お金は、所得から差し引くことができます。所得税は、まずは所得を求め、そこから扶養控除、住宅ローン控除などを引き、最終的に残ったものに税率をかけて計算します。iDeCoも扶養控除などと同じように、所得から差し引くことができるんです。

天野:それは合法的に!?

森井:はい(笑)。天野さんも西園寺さんも、私も自営業ですが、一番大きな額を利用できるのが自営業の方なんです。どれくらい節税になると思いますか?

天野:「所得の〇%」みたいなパターンでしょ?

森井:自営業の場合、iDeCoの最大拠出金(掛け金)は、月々6万8,000円、1年間で81万6,000円。年間の拠出金×自分の(所得税の)税率が節税分になってきますが、ご自分の税率はご存知ですか? 所得が高いほど税率も高い、累進課税の……。

西園寺:天野さんは(税率)マックスでしょ(笑)?

天野:いやいや! でも、節税できる額が知りたいから言いそうになっちゃった、危ない(笑)。

森井:ははは。たとえば年収400〜500万円の、所得税10%のレンジにいる方だと、年間で81万6,000円の20%、約16万3,000円が節税効果になります。扶養の関係などでも変わってくるので、確定ではありませんけれども、かなり大きいですよね。
これは“今”のメリットですが、年金受け取り時にもメリットがあります。受け取り時、どのように税金が計算されるかというと、これは退職金あるいは年金として計算されるんですね。退職所得というのはそもそも控除金額が大きく、現在の所得税の給与収入や、事業所得の税金計算よりも有利に、つまり税金が少なくて済む計算で受け取ることができるんです。
さらに、iDeCoは運用中に利益が出ても、そこにも税金はかかりません。


天野:じゃあ絶対iDeCoをやったほうがいいじゃないですか!

森井:ここからがデメリットの話です(笑)。

天野:危ね! 全額いこうと思ってましたよ(笑)。

森井:デメリットは、まずは手数料です。

天野:節税になるのに、その分手数料がかかるんですか?

森井:そこまではかかりませんが、確実にかかってくる手数料があることを理解しなければなりません。
また、運用商品なのでリスクがあるということもデメリットです。普通の投資商品で損が出た場合には、ほかの投資商品の利益と相殺して税金を申告することができます。しかしiDeCoでは、その損もなかったことになってしまいます。そのため、ここで大きな損失を出すと救済措置がないんです。

天野:iDeCoの成績表みたいなものは出ていないんですか?

森井:いろいろな金融機関でiDeCoの過去の実績を見ることができるので、そういうものを見ていただくのは非常に良いと思います。デメリットの話を続けると……。

天野:次が最大のデメリットですか?

森井:まだワースト2くらいです(笑)。これは、60歳まで引き出せないということです。

天野:それは年金だから仕方ないと思うけど……。

森井:でも人生何があるかわからないじゃないですか。最後に、iDeCo最大のデメリットをお教えしたいのですが、その前に特別法人税という言葉を聞いたことありますか?

西園寺:聞いたことだけならあるけど。

森井:特別法人税は、拠出金や利益にかかる税金のことです。企業年金(厚生年金基金・確定拠出年金・確定給付企業年金)の積立金全体に課税されるのですが、iDeCoも対象となります。

天野:なんで老後のためのお金から税金をとるんですか……。

森井:そこがみんな思っているところでもあり……。今、その税金は凍結されているんです。

天野:え?

森井:2020年3月31日までは凍結されていて、その税金はとられていないんです。その後、どうなるかはわからないんですけれど。
この税金は、拠出金と利益にかかってきます。シミュレーションをしてみると、もらえるはずだったもののだいたい8割ぐらいになってしまうんです。したがって、いつ解禁(凍結解除)になってしまうのかという恐怖とともに生きなければならないかもしれないんです。

天野:永久凍結になればいいのになぁ(笑)。

次回1月24日(木)は「FX」をテーマに、取引の仕組みからメリット、デメリットなどを紹介します。お楽しみに。

<番組概要>
番組名:おとこを磨く経済学
放送日時:毎週木曜 19:58〜20:27
出演:天野ひろゆき(キャイ〜ン)、西園寺薫(雑誌「LEON」元編集長)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/otoko_keizai/


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