【コロナに負けるな!有名人の緊急事態宣言】新型コロナウイルスの感染拡大により、行き場を失ったお笑い芸人たちは仕事ができない恐怖と戦い続けている。ユーチューブへの投稿に活路を見いだす者もいれば、外出自粛期間を利用して芸に磨きをかける者、新たなジャンルにチャレンジする者…。そんな中、カープ芸人としても知られるお笑いコンビ、ザ・ギースの尾関高文(42)はプロ野球ファンにクスッと笑ってもらおうと、マニアックなキャラクター弁当を1日1個のペースで作製し、SNSを通じて発信している。

 多くの芸人が同じ境遇だと思いますが、4月7日に東京、大阪などの7都府県に緊急事態宣言が発令されてからというもの、パタッと仕事が減ってしまいました。僕の場合、カープ芸人として認知していただいている関係で、広島での番組収録やイベントなどの仕事をもらっていたのですが、全部、ばらし(キャンセル)。

 特に痛かったのが、4月14〜19日に予定していたザ・ギースとしての単独ライブ「自由律」の全公演が中止になってしまったことです。ネタも7割ぐらいは仕上がっていたのでギリギリまで粘ってみましたが、どうにもなりませんでした。

 ありがたいことに、こんな状況でもコラムなどの仕事はいただいています。もちろん全身全霊を込めて執筆させてもらっていますが、何時間もかかりきりというわけではありません。自然と1日の大半を自宅で過ごすようになりました。

 そんな僕のルーティンとなっているのが、6歳と10歳の娘たちへの授業です。下の娘は簡単な読み書きだけですが、5年生になったお姉ちゃんには国語、算数、理科、社会とまんべんなく教えています。明るく楽しくをモットーに始めたのですが、ついつい熱血教師になってしまうこともあって…。娘に嫌われては元も子もないので、その点だけは気をつけるようにしています。

 授業は午前中に行い、午後は今回の本題でもあるキャラ弁作りです。もともと娘たちが幼稚園の時に毎日、お弁当を作ってあげていたのですが、現在は楽しみを奪われてしまったプロ野球ファンにクスッと笑ってもらえるような作品を手がけています。

 その日その日のテーマに選ぶのは過去の名シーンです。若い世代の方には分かりづらいものばかりだと思いますが、その辺は割り切っています。響く人にだけ響けばいいや…と。今回、ピックアップさせていただいたものは、30代後半より上の世代のプロ野球ファンなら一度は「珍プレー好プレー」などでご覧になったことがあるシーンではないでしょうか。

 作る上で心がけているのは、パッと見た瞬間に実際のシーンと違和感ないように映るかどうかです。そもそも万人受けを狙っているわけではありませんし、ディテールにこだわったところで限界がありますからね。

 実際の作業で難しいのは色の出し方です。大好きなカープや、楽天のチームカラーである赤系はカニカマ、巨人の帽子やユニホームで使う黒は焼きのり、オレンジはニンジン…と簡単なものもあるのですが、大変なのは青系の色です。

 そのまま使える青い食材がないため“作る”しかありません。僕の場合は紫キャベツを煮て、その煮汁に食用の重曹を入れてハムに着色します。重曹の量で濃くも薄くもなるため、取り上げるチームによって微妙に分量を変えます。今回の作品で言うと門田博光さんのオリックス、宇野勝さんの中日、大門和彦さんの大洋は苦労しました。

 いま、多くの芸人が未曽有の状況の中で、芸人として何をすべきか、何をしていくべきかで悩んでいます。相方の高佐一慈はかねて特技としていたハープに磨きをかけようと、ここぞとばかりにハープを奏でる日々を送っていますが、同業者の中には突然、三味線を始めるなど明らかに迷走している者もいます。

 僕がプロ野球キャラ弁を作り続けているのは、そうでもしていないとメンタルがやられてしまう気がするから。1日1個でもクスッと笑ってもらえるネタをSNS上で提供し、フォロワーさんの反応を見てホッとしている面もあります。

 やはり芸人は舞台やテレビカメラの前に立ってなんぼ。大好きなプロ野球が当たり前のように行われて、僕らも皆さんの前で笑いをお届けできる日が1日も早く訪れるよう心から祈っています。

☆おぜき・たかふみ 1977年8月6日生まれ。広島県東広島市出身。お笑いコンビ、ザ・ギースのボケ担当。明治大入学前の浪人時代には投手として広島の入団テストを受けるため、1日200球の投げ込みを3か月にわたって行い、肩を壊した経験も。コント日本一決定戦「キングオブコント」で2008年、15年、18年にファイナリスト。19年4月には「ザ・ギース尾関の『娘の絵を完コピ!』おえかきキャラ弁」(永岡書店)を出版。

【答え】(1)1998年7月31日、判定に怒り、球審めがけてボールを投げつける巨人・ガルベス、(2)1981年8月26日、遊撃への飛球をキャッチできず、おでこでヘディングしてしまった中日・宇野勝、(3)事例多数。球審に死球だと猛アピールする広島・達川光男、(4)2010年9月23日、審判への暴言で退場処分となり、代名詞のベース投げを披露しようとするも肝心のベースが抜けずに苦戦する楽天・ブラウン監督、(5)1990年6月24日、死球に激高し、当てた大洋・大門和彦(左)を外野まで追いかける広島・アレン、(6)1989年9月25日、本塁打した後に僚友ブーマーとのハイタッチで脱臼したオリックス・門田博光、(7)1990年9月20日、星野伸之が投じたすっぽ抜けのカーブを思わず素手で捕球したオリックス・中嶋聡