1年間に日本で出版されたものから優れた絵本を顕彰する「第25回日本絵本賞」で、お笑い芸人の田中光(絵本作家の名義は「たなかひかる」)が書いた絵本「ぱんつさん」が日本絵本賞を受賞した。

 田中はもともと、大阪の吉本興業に所属し、お笑いコンビ「ゼミナールキッチン」として活動していたが、2010年に解散したのを契機に翌11年、東京に拠点を移した。現在はグレープカンパニーに所属。お見送り芸人しんいちと組む歌ネタユニット「田中上野」では「歌ネタ王決定戦」で決勝に進んだこともある。

 芸人のみならず、漫画家としても活動しており「サラリーマン山崎シゲル」シリーズは、累計30万部を超える人気マンガとなっている。

 出版関係者は「日本絵本賞は、日本で出版された絵本をすべて対象にしているもので、条件を満たしていれば海外の作家の作品も対象となる。今回も30点のノミネート作品から選ばれただけに、非常に価値がある」と、田中の受賞を絶賛する。

 お笑い芸人で同賞を受賞するのはもちろん田中が初めてだが、過去には意外な大物が受賞したこともある。映画監督の故大島渚さんが、第21回日本絵本賞を「タケノコごはん」で受賞しているのだ。

「もちろん大島さんは絵を描いたわけでなく、文章を担当して受賞した。その点、田中さんはすべて自分でやっているからすごいですよ」(同)

 お笑い芸人の絵本作家といえば「えんとつ町のプペル」が大ヒットした「キングコング」の西野亮廣が有名だ。

「もちろん西野さんもすごいけど、日本絵本賞受賞という実績は大きい。今後は田中さんが絵本作家として、西野さん以上の評価を受けるのでは」(同)。今後の作品はさらに注目を集めそうだ。