ジャニーズの人気グループ「嵐」が、プロ野球の公式戦を2度にわたって中断させた騒動が収まらない。本紙の取材によると、国立競技場を管轄する日本スポーツ振興センター(JSC)が近隣に配慮するよう事前に要請していたことが判明。また現在、同競技場を借り受けている東京五輪・パラリンピック組織委員会も、企画内容について大枠でしか知らされていなかったことが分かった。大会機運に水を差しかねない行為に、関係者から〝東京大会スペシャルナビゲーター失格〟の声まで上がっている――。


 騒動が起こったのは24日だった。11月3日に配信される無観客ライブ「アラフェス 2020 at 国立競技場」の収録の際、盛大な花火とその煙、また飛ばした大量の風船が隣接する神宮球場で行われていたヤクルト―中日戦を2度にわたって中断させたのだ。

 ジャニーズ事務所は同日、公式サイトで「神宮球場、両球団選手及び関係者、視聴者の皆さまには、ご迷惑をお掛け致しました事を、深くお詫び申し上げます」と謝罪コメントを発表したものの、嵐メンバーはダンマリ。特に演出を担当する松本潤には説明責任が求められている。

 あるテレビ関係者は「とりあえず公式サイトで謝罪文を掲出したからいいでしょ、という認識なんでしょう。早く〝幕引き〟させようと必死なんだと思います」と指摘するが、一方で事情に詳しい芸能プロ幹部からはこんな証言も出ている。「実はヤクルト、中日の両球団には嵐のメンバー5人の連名で謝罪文を送っているんですが、このことをアピールするのはカッコ悪いというのが事務所の考え。ただ、これ以上、嵐が傷つくならその謝罪文を公開するしかないんじゃないかな」

 とはいえ〝やらかしてしまった〟ことは事実で批判の声が止まないのも無理はない。

 2008年からライブを行ってきた国立競技場は、嵐ファンにとって〝聖地〟だ。しかも11月3日は、今年いっぱいで活動を休止する同グループのデビュー記念日にあたる。「そんなメモリアルなライブなのに、プロ野球の公式戦を2度も中断させたのは痛すぎる」と同関係者は言う。

 だが、問題はそれだけではない。来年に延期された東京五輪にも水を差しかねないのだ。

 国立競技場は現在、東京五輪・パラリンピック大会のため、管轄するJSCが大会組織委員会に貸し出す形をとっている。JSCは「外部の方がお使いになる場合は、近隣に十分配慮してくださいと事前に要請していた」と明かした。

 そこで組織委員会にも、ジャニーズ事務所から収録前に企画内容の説明があったのか、本紙が問い合わせたところ「大枠でのイベント概要は認識、理解はしていましたが、風船の量など細かい演出は知らされていませんでした」(広報)と回答した。

 つまり、JSCが注意喚起していたにもかかわらず、ジャニーズ事務所は組織委員会には十分な説明を怠ったまま、ライブを〝決行〟したことになる。組織委員会には、当日中に今回の件の報告がジャニーズからあったというが、これでは批判されても仕方がない。

 大会関係者もこう苦言を呈する。

「新しく改装された国立競技場は、東京五輪の象徴のような場所です。開会式、閉会式もここで行われる。ただでさえ東京大会は批判されていますし、コロナ禍で開催自体も流動的な状況。でも、国民的な人気がある嵐がライブを行うことで、機運を盛り上げる意図もありました。ところが、こんな形になるとは…。野球は東京五輪の正式種目になっているのに、国立競技場で行ったライブがプロ野球の試合を中断させるなんて、ちょっと考えられませんね」

 嵐は昨年「NHK東京2020オリンピック・パラリンピック放送スペシャルナビゲーター」に就任。同局の特番「2020スタジアム」に出演するなど、東京五輪を応援してきた側だ。

 芸能プロ関係者は「応援どころか、むしろ泥を塗ってますね。今回の失態にメンバーたちがダンマリを決め込んでいて、スペシャルナビゲーターの資格はあるのか。このままではナビゲーター〝失格〟なのでは?」と手厳しい。

 すでに事態を把握しているJSCは「今後も使用する際は、主催者側と十分協議してやっていきたい」としている。ただ活動休止する嵐が国立競技場でライブを行うことは、もうないが…。