【ジャパンカップ】友道厩舎 怒涛の5頭出しの序列はいかに

【ジャパンカップ】友道厩舎 怒涛の5頭出しの序列はいかに

【ジャパンカップ(日曜=24日、東京芝2400メートル)関西本紙松波記者のジャッジ】第39回ジャパンカップで異彩を放つのが管理馬を大挙5頭出走させる友道康夫厩舎。中・長距離路線での存在感は日本一と言えるほどで、この5頭以外にも今年の菊花賞馬ワールドプレミアも在籍する。隆盛を誇るその秘密を探るとともに、同厩舎担当で西主場本紙の任にある松浪大樹記者が今回の5頭を鋭くジャッジする。これがこのレースの最大のキーポイント? 一昨年のJCで5番人気のシュヴァルグランに◎を打った同記者の序列はいかに…。

 ダービーを勝つことが最大の名誉とするならば、ダービーを勝てる可能性のある馬を預託してもらうことが重要だ。現在、友道厩舎には2頭のダービー馬が在籍し、来年のダービー候補もいる。連鎖して今後もダービーを狙う、狙える馬が入厩してくるだろう。

「適性などを理由に、距離の限界がきてしまう馬はいます。でも、それ以外の馬に関しては距離の融通性を持たせるように心掛けてますね。外側から厩舎を見ているオーナーの方々にそれが伝わり、クラシックで戦える素養を持った馬が集まっているのであれば、それは非常に喜ばしいこと」と大江助手。そして、その好循環は今回のJC5頭出しという偉業につながってくる。

 ダービーを勝つために集められた馬たちなら、東京芝2400メートルのGIに適性があって当然で実際に2頭(マカヒキ、ワグネリアン)がダービーを勝ち、シュヴァルグランは一昨年のJC覇者。もちろん、前哨戦なら使い分けているところだが、頂点のGIは避けることのできないレースだ。

 JCの5頭出しは今回が初めて。他のGIに目を向けても5頭出しは11年宝塚記念、2013年有馬記念(いずれも池江厩舎)の2例しかない。GIの多頭数出しは最多勝、最多賞金などよりも“厩舎力”が不可欠で、それが最高峰の一戦なのがまたすごい。今回の5頭出し、実はとてつもない偉業なのである。

 さて、ポイントはこの先だ。友道厩舎のすごさを十分に理解したうえで、同厩舎を担当している記者が5頭の現状紹介と序列を独断で行ってみたい。最終追い切りと直前取材の感触で入れ替える可能性はあるが、1週前の段階でも参考にはなるはず。公平に五十音で記すことにする。

★エタリオウ=天皇賞・春(4着)の無理なレース運びが尾を引き、元来の競馬に前向きでない性格が再び出てしまった。担当の山田助手は「馬の状態はだいぶ戻ってきているんだ。あとは気持ちの問題だけだと思うので、今回は深いブリンカーを着用し、ハミも当たりの柔らかいものに替える。気性の難しさを見せていた以前のスタイルに戻すという表現のほうがいいかもね。イチかバチかの部分はあるけど、前に進んでいかない現状を改善しなくちゃいけないから」。

★シュヴァルグラン=不運が重なった英国遠征に一定の評価をしてあげたいと思う一方で、一昨年ほどの活気は感じられない。「前々走のキングジョージ(6着)は道悪、前走のインターナショナル(8着)は距離不足のうえにスローペース。そんな状況でもあきらめずに最後まで伸びていたことは褒めてあげたい。ただ、今回はもう一段上のレベルがあるような、そんな状態なのは確かです」と大江助手。

★マカヒキ=放牧で馬体がしぼんでしまうタイプなのか、前走の天皇賞・秋(10着)は馬体重を戻しながらの苦心の調整。ダービー制覇時とは印象の違う馬になっている。大江助手も「前走は道中で脚がたまるところがなかった。今回は体を大きく使って走れているし、ひと叩きした効果は感じられます。以前のように仕掛けてすぐに反応できないので、しっかりと動かしていけるかがポイント」と3歳時との違いは認識しているようだ。

★ユーキャンスマイル=4着だった前走の天皇賞・秋は出走馬最速の上がり33秒7をマーク。左回りでの強さを再認識させた一方で「外枠から勝ちにいく競馬をしたワグネリアンと自分の競馬に徹したユーキャンとの違いはある」が陣営の一致した意見。「前走を使って状態はさらに良くなったし、馬がしっかりとしてきたので詰まった間隔も問題ない。距離が延びるのも好材料だけど、あのレースをしたことで今回は人気することになるのかな」と山田助手。

★ワグネリアン=ダービー馬でありながら、その適性が中距離であることを陣営も認めている。5着だった前走の天皇賞・秋は不利な外枠がこたえたものだった。「2000メートルの天皇賞こそが勝負と思って馬体をつくり込んできました。最初から着狙いのレースなら2着はあったと思うけど、勝ちにいっての結果ですからね。悔いはありません。さすがにボリュームが欲しいと感じたので中間は短期放牧へ。ぎりぎりまで仕上げたので上積みはどうかなと思っていたんですが、少し良くなった感じはあります」と担当の藤本助手。

 5頭の中で自信の◎を託せる馬が現段階ではいない。ワグネリアンは厩舎の誰もが「勝負圏内だと思う」という半面、2400メートルの距離に一抹の不安がある。仮に記者が◎とした場合、その不安を超えるだけの〝手応え〟があると思ってもらいたい。人気を集めても自分の競馬に徹したユーキャンスマイルは▲候補。さすがに近走の成績から◎を打つ勇気はないが、馬券的に最も面白いと思ったのはエタリオウ。シュヴァルグランの狙い時は有馬記念。ゲートの出が悪く、スローの瞬発力勝負も合わなくなっているマカヒキは苦しいと考えている。


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