超異例の取り組みだ。若手野手の台頭が課題のソフトバンクが今春キャンプで期待の育成野手をA組に抜てきする「特別枠」を設ける計画が明らかになった。

 投手、野手それぞれ20人程度で構成されるA組。森ヘッドコーチが異例のプランを明かした。「野手の20人目のところに枠をつくって、そこに毎クール育成から若手を呼びたいと思っている。(昨)秋キャンプの時に工藤監督も『春にAで見てみたい』と言っている選手もいる。監督と話をしてプランを詰めていきたい」

 かねてフロント、一軍、ファームで緊密に情報共有し、若手育成に力を入れているソフトバンク。今回の取り組みには近年、現場首脳が指摘してきた伸び悩み要因の解消がある。「メンタルや取り組み方に問題がある。成功している人間がどれだけ自分を律しているかをいくら言い聞かせても伝わらないところがある。だから見学程度じゃなく、ある程度のスパンで主力が本気でやっている姿を見せたい。ウチは有望な育成選手が多いけど、早く自分の甘さに気づかないとせっかくの才能も埋もれてしまう」(ファーム首脳陣)

 特別枠の筆頭候補は砂川リチャード内野手(20)。飛距離とパワーはすでに「柳田以上」(藤本三軍監督)という評価で、王球団会長も熱視線を送る育成3年目大砲だが、精神面の弱さがあり殻を破れていない。「山川(西武)と自主トレをやっているけど、毎日、甘さを指摘されている。A組の枠を使うのはぜいたくだけど“百聞は一見にしかず”で気づいてほしい」(あるコーチ)。砂川の他にも昨季のウエスタン・リーグ最多安打の田城飛翔外野手(20)、王会長が継続的に直接指導をしている黒瀬健太内野手(22)らが宮崎では特別枠候補となりそうだ。

 昨秋ドラフトでは佐々木朗希(ロッテ)回避を春先には決定して、3年連続で野手1位指名に踏み切った経緯がある。支配下にも2年目・野村ら有望株がいるが、昨年の周東ばりに早期戦力となる育成野手の突き上げは大いに期待するところ。「特別枠」導入で育成の星を磨く。