鷹党の期待値を押し上げる所信表明だ。ソフトバンクの主砲・柳田悠岐外野手(31)が16日、「開幕センター」に強い意気込みを見せた。昨年11月に右ヒジを手術した柳田は現在、筑後ファーム施設でチーム方針に従い慎重にリハビリ中。宮崎春季キャンプはB組スタートが濃厚だが、患部の状態は良好で3・20開幕戦に向けて「DHは頭にないっす!」と頼もしく明言した。7年契約を結び生涯ホークスを誓った大砲は、完全復活に意欲をみなぎらせている。

 元気よく「お願いしまーす!」とノッカーにあいさつすると、気温10度を下回る曇り空の下、白い息を吐きながら白球を追い続けた。柳田門下生の真砂、谷川原を引き連れ、屋外で外野ノック。後輩たちに負けない元気で声を張り上げ、呼吸が上がっても笑顔は絶えなかった。「まだまだっすけど、こんなもんっしょ」。練習制限はあるが、その表情からは右ヒジの回復具合が順調であることをうかがわせた。

 チーム方針に従い慎重にリハビリメニューをこなしている。本人の感覚は良好だが、まだノックを捕球した後の返球にも制限があり、打つ方は素振りまでで本格的な打撃練習は解禁されていない。春季キャンプはB組スタートが濃厚で、一軍首脳はキャンプ中のA組昇格にもこだわらない方針だ。森ヘッドコーチは柳田の復帰スケジュールについて「青写真はあるが、状態を見極めて遅れが出ることも当然想定している。一つひとつ着実にステップを踏んで調整することが大事」と語り「開幕戦の起用もDHという選択肢はもちろんある」と踏み込んだ。

 そんなチームの慎重ムードがある中、柳田の腹は決まっていた。「開幕、守りますよ。そこはもちろんっす!」。3月20日に迎える開幕戦、大砲の中には場内アナウンスで「センター柳田」がコールされるイメージしかない。可能性としてDH起用もあるが「僕の頭の中にはないっす!」と言い切るほどだった。もちろん、いかなるチーム方針にも従い全力を尽くして勝利を目指すのが柳田のポリシー。あくまでも、新シーズンにかける自らの意気込みとしての所信表明だ。

 NPB屈指の「5ツールプレーヤー」は、かねて守備へのこだわりが人一倍強い。「守りからリズムをつくるタイプ」「僕は走攻守揃ってないとダメなんです」と自己分析。自らの攻守のパフォーマンスには相関関係があると考えている。

 昨シーズンは故障に泣いた柳田。ゆえに今季は「すべてにおいてキャリアハイを出す」と鼻息も荒い。球団内では「結局のところ、2020年最大の補強は柳田の完全復活」という声は多い。キャンプを目前に動きは静かだが、大砲の胸中は激しく燃え上っている。